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創業メンバーに聞いた。なぜすべてを捨てて、フリースタンダードをつくったのか?

2020年に創業されたFree Standard株式会社(以下、フリースタンダード)。代表取締役を務める張本貴雄(以下、張本)は、かつてクルーズ株式会社で通販サイト「SHOPLIST.com」を立ち上げ、年間 250億円の売上高に至るまでに成長させました。

また、もう一人の創業メンバーである取締役の野村晃裕(以下、野村)は、経営コンサルティング会社・株式会社リンクアンドモチベーションで多くのベンチャー企業支援に携わりました。

順風満帆なキャリアを築いてきたと言っても過言ではない彼らが、なぜ独立を決意し、フリースタンダードを立ち上げたのでしょうか?そして同社が展開する「Retailor(リテーラー)」(※)というサービスにはどのような想いが込められているのでしょうか。2人に話を聞いてみました。

(※)...ブランド独自のサーキュラーエコノミー(循環型経済)を実現可能にするRecommerce Operation System

「新しい価値を輝かせる」という思いが詰まったフリスタのロゴ

「すべてをリセットし、ゼロスタートで新たな消費を創造したい」代表 張本の想い

―――フリースタンダードは、張本さん、野村さんのお2人が創業したんですよね。どういった背景があったのでしょうか?

張本:僕は2007年に新卒でクルーズ株式会社に入社し、24歳のときには取締役に就任するという貴重な経験を積ませていただきました。

しかし期待されていた成果を挙げられず、わずか1年で取締役を退任することになったんです。この挫折は僕にとって、プロダクトとの向き合い方を大きく変えるターニングポイントとなりました。

そうしてプロダクトとユーザーから本当に必要とされるビジネスを模索し、たどり着いて、生まれたのがSHOPLISTだったんです。

SHOPLISTはその後、瞬く間に年間売上高250億円もの事業にまで成長していきました。
けれど振り返ればそれは「上場企業」という恵まれた環境があったからこそできたことで。

フリスタ代表・張本貴雄

僕が考える事業を成功させる最も重要な要素は、時代・タイミング・人の3つ。
市場のスタンダードになりえる新たな消費の大きな変化が起こると感じ、すべてをフラットな状態で大きな課題を解決したいと思いフリースタンダードを立ち上げました。

取締役 野村の独立のきっかけは、張本からの一本の電話

野村:僕はもともと株式会社リンクアンドモチベーションという経営コンサルティング会社に勤めていて、張本はそのクライアントでした。

張本:当時は株式会社メルカリやラクスル株式会社といった、今やメガベンチャーと呼ばれる企業が頭角を表し始めた頃で……。企業カンファレンスで彼らにお話を聞く機会があり、SHOPLISTでも組織変革のプロジェクトをする必要があると感じたんですよね。そこで野村の在籍していた会社にお願いをしたんです。

野村:こういった経緯から支援先の社長として、張本との交流が始まりました。度々、一緒に企業カンファレンスや経営合宿に赴いていましたね。ほぼ同い年でしたし、僕とは違うタイプでしたが気もあったので、同志というか、お互いに刺激し合える仲間だと思っていました。

フリスタ取締役・野村晃裕

そうして10年弱コンサルタントとしてさまざまなベンチャー企業に関わり、自分の中にある夢が湧いてきたことに気がつきました。それは、日本発の世界で戦える、それこそGAFAレベルのベンチャーを育ててみたいという気持ちです。

ちょうどそのとき張本から一本の電話がきまして。内容は「独立する」というものでした。とても驚くと同時に、「一緒にやりたい!」という思いも湧いてきて、フリースタンダードの立ち上げに参画したんです。

通帳を見て、独立を実感。

―――張本さんの独立はかなり急だったんですね。

野村:本当にびっくりしました(笑)。

張本:僕の妻も驚いていました。独立すること自体は、退任する2週間前ぐらいに妻に伝えたんです。そしたら「ええっ!?」って。そりゃそうですよね(笑)。

今でも鮮明に覚えているのが、退任後の翌月のこと。銀行に行って通帳を記帳したのですが......。残高が変わっていないのを見て、一瞬、「え!?」と新鮮に驚きましたね。毎月、当たり前のように支払われていた報酬が、この瞬間からなくなるわけです。あのとき、「ああ、本当に独立したんだ」と改めて実感しました。

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