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50代で得られる留学奨学金(52歳の田舎のおばさん留学記2)

私が、50代でも受け取れる”奨学金”に気がついた経緯を書いてみます。
(写真は、「説明会」のために東京に「おのぼり」した時に撮った写真。東京駅のトイレとかも撮ってた。完全なるおのぼりさん)

このシリーズでは、「52歳で、田舎に住んでて、主に子育てと介護で”表社会”からは隔絶されていたおばさんが、突然アメリカ留学すると何が起こるか?(ちなみに途中脱落帰国)」ということを、英語学習面ではなく(それも少しは書くけれど)、生活面の視点からちょっと紹介すると、なにか参考になるかもしれない、と思って書く。思い出し思い出し書くので、たまーにという感覚で、ながーい期間をかけて、書こうと思う。

「留学」に憧れを持ったのは、40代の初めだったと思う。

当時、介護の問題もあって、義両親の家の隣である自宅敷地内で小さい「私塾」を開こうかと考えていた。それで「どうしたらいいのかな?」と思って、料金が安いからという理由で何気なく行った市の商工会議所の「創業塾」のようなところで、事例として紹介されていたのが留学エージェンシーを起業した人の話だった。「留学・・・か・・・」キラキラして見えた。ちょうど自分の子どもが小学生と中学生だったので、自分のことというより、子どもの進路になるかもなぁ、と思っていた。でも、心のどこかで、「生き方として、そんな選択肢があったんだなぁ。ちっとも考えたことなかった・・・。イイナ・・・」と思っていたと思う。

それから、私塾の経営をしながらかれこれ10年。「留学してみたい」理由はいくつも積み上がった。大きい理由は3つ。一つ目は、自分が開いていた塾で中学3年生に英語を教えていて、それなりの成果も出ていたのだが、自分が英語圏での生活経験がないのに英語を教えているという後ろめたさがずっとあって(真面目なので)、「英語圏で生活してみたいなぁ」と思っていたということ。二つ目は、学習塾が自宅敷地内にあり、隣に介護が必要な義両親の家があったので、ひたすら、塾と義両親の家と自宅の半径20mの範囲をグルグル回るだけの生活から飛び出したかった(しかも夫が単身赴任中)ということ。そして三つ目は、当時大変興味のあったディスレクシアの研究は、イギリス・アメリカが進んでいて、憧れがあったこと。その想いには、自分が学習塾で高めてきた経験を、この場だけでなく、もっとなんとか昇華したい、という渇きにも似た思いとあいまっていた。
塾の準備をしながら、夕日の差し込む教室で、ぼんやり、「ここから出たいなぁ」「ここから出て、何かしたいなぁ」と思い続けていた。

そうは言っても、50代の自分が、留学するのはあまりに非現実的だった。すでに4大は出ているから、学士入学か、院入学。難しそうだ。英語がそんなにできるわけじゃない。何より、お金がかかりすぎる。とても家から出せない。私の思いなんて、ぼんやりしていて「留学したいなー」と深い考えもなくつぶやく若者みたいな内容な気がして、しかもそれを50代が言っているなんて恥ずかしすぎる。そもそも、そんなに本気じゃないし、なんとなく思ってるだけ!

なのに、私は、節約に節約を重ねて、現金で得ていた収入(学習塾の月謝)を箪笥貯金していた。服でもなんでも買う時は「留学につなげるには」をいつも意識する。「意識するくらい、夢見たっていいよね」と自分に言い訳し、いつでもどこでも「留学」を頭の中に思い浮かべながら、生活していた。
塾を始めた頃にはギリギリ中学レベルだった英語力も、徐々に上げていた。

よく「実現したい100のこと」とか「夢を実現するために考えるべき10のリスト」なんてものをネット上で見かける。介護していた義父が特別養護老人ホームに入居し、来年には子どもも進学で家を出るだろうという、少し余裕が出たある日、私は、マクドナルドの一席で、このリスト作りをしてみていた。
友達に会いたい・・・◯◯を手に入れたい・・・留学したい・・・
「留学したい」・・・うーん。これ、いつも思っているよな。10年、なんだかんだ思い続けているよな。じゃぁ、これを実現するためにはどうすればいいかのリスト作りをしてみるか。紙の上で考えるのぐらい、やったっていいだろう。

考えるべき10のうちの4つ目を書き出したくらいで、私は席を立った。
行動してみよう。

まず、知り合いの留学エージェンシーの方に会って、話を聞いた。
やっぱり、お金がかかる。 学部入学なら奨学金制度もあるが、私は学部入学ではない。さらに私のような年齢のものに出すかは不明。多分、ダメ。そりゃそうだよね。奨学金て、未来への投資だもん。私に未来の時間、そんなにないもん。

諦めモードで、あるはずもないと思いながら、「50代 留学 奨学金」を検索した。一つ、年齢制限が書いていない奨学金プログラムがあった(授業料・食費・住居費などをアメリカの大学に負担してもらい、その代わりそこで日本語授業を担当する、という仕組みのプログラム)。しかも、近い期日に「Web説明会」がある。手が震えた。申し込もうか?無料だし。申し込み締め切りまであと少し。でも、「この説明会、英語なのかな? 参加者が数人で、主催者から英語で質問されたらどうしよう、答えられない・・・」。英語については極度の小心者である。私はパソコンを閉じた。

それなのに、まだ時々、「50代 留学 奨学金」の検索をした。
すると、前回見送った奨学金プログラムが、応募人数が少ないという理由で、再度説明会を開くという。今度はWebではなく、会場を設置して直接開くらしい。応募人数が少ないの?それならチャンスじゃない?考えてもいいんじゃない? ドキドキしながら日本語で、「貴プログラムは50代での応募もOKですか?」とメールした。聞くくらい、いいよね。と。返事は「OKです!そういう方も過去にいらっしゃいますよ」だった。

田舎から東京の説明会に出かけてみた。何か他の用事と抱き合わせだったと思う。東京まで片道電車を乗り換えながら5時間くらいである。(お金かかる)
「説明を聞くくらいいいよね。聞くだけなんだから!」
会場では「あ。保護者の方もどうぞ!」と言われた。そりゃそうだ。周りの参加者は、皆、私の子どもくらい。そこで、留学を目指す若者たちと、プログラム内容の説明を聞いた(全部日本語だった)。プログラム経験者の体験談も聞いた。もう、目の前がチカチカして眩暈がするようだ。心臓バクバクだ。

そこで、実質倍率は毎年大体5倍であること。TOEFLで一定の点数を取ることが必要なので、そこでの脱落者が多いこと。3次審査まであって、TOEFLは3次の際に参考にするから、それまでに点数を取得しておけばいいこと、などを聞いた。
1次審査は、申込書による経歴(特に”教える”という経験が重視される)や英文による志望動機エッセイや大学次の成績などを含む書類審査。2次審査は面接(英語と日本語両方)。そして第3次審査は、”そのような学生”を招きたい大学の”要望”とのマッチングだ、ということだった。(2022.10.29修正)

「TOEFLで点数を取る勉強をするくらい、やってもいいよね」
そこから、私は、猛然とTOEFLのための勉強を始めた。絶対留学するぞ、とは思ってなかった。でも、行動したかった。

ここまでが、50代で利用できる奨学金制度を見つけた話です。

教訓3;探せば50代でも奨学金(のようなもの)がある!
教訓4:ガイダンスなどは自分の子どもくらいの若者と一緒に受けるので、保護者と間違えられる。
教訓5;ネット以外の情報を得ようとして、直接話を聞きに行くなどは、田舎で暮らしていると交通費や宿泊費がかかる。




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