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日本語初級を、カンボジアから来ている人に教えて気づいたこと(結構たくさんあるので吐き出し)1
「全然意思疎通ができないから、ゼロから教えて欲しい」
と言ったという雇い主には、いろいろ、いろいろ言いたいことがある。
が、私にそう伝えたのは、ボランティアと地域在住の外国からいらした方を結びつけている財団であり、その人たちに言っても仕方ない。”いろいろいろいろ”をぐっと飲み込んで「そうですか。はいわかりました」と返事するしかない。
技能実習生。カンボジアから来た9名の女性である。普段は縫製の仕事をしている。
今のところ行った授業回数は2ヶ月で7回。
カンボジアのことは、国名と位置ぐらいしかわからないところからスタートした。
『僕たちは世界を変えることができない』という映画は見てはいたが、教えている途中で「あ、あれカンボジアのことだったのか!」と気がつくくらい、はじめはまったく結びついていなかった。それくらいの認識だった。https://www.youtube.com/watch?v=rHPX9gzxwV4
以下、授業やその準備をしながら気がついたことを点描していきたい。
今後、カンボジアからの技能実習生が増えることが予想され(ベトナムのように)、私の気づきが誰かの役にたつかもしれないことを期待している。
ただ、まだ2ヶ月ほどの付き合いなので、理解が浅いところ、間違っているところもあると思う。ご容赦ください。技能実習の仕組みなどの制度的なことは略します。
ちなみに、日本に来る技能実習生には基本的な日本語をマスターした後に、就業することが義務付けられており、本当に日本語知識がゼロということはあり得ない。マスターの度合い、学んだことを覚えているかどうかの記憶の保持には個人差があるが・・・。
1.家族(子ども)を置いて来ている人も結構いる
初回の授業を始める前に、名簿を受け取った。全員30代以上。40代の方もいる。予想よりも年齢層が高いので、少し驚いた。
後で授業の中の会話で分かったことだが、故郷に自分の子どもを置いて来ている人も少なくない。中学生の子がいる人もいた。
これは、実習生あるあるなのかもしれない。前に教えていたベトナムからの実習生も、子ども(3歳くらい?)を実家に預けて、自分だけで来ていると言っている人がいた。
2.ファミリーネームはない
これは、初回の授業で大失敗した。
名簿に書かれたカタカナの名前を名札にして、コピー用紙四つ折りで三角柱を横置きのようにして、それぞれの席に置いた。そして、名前の前半部分で呼んでいた。英語名と同じように、前半部分が名前で、後半部分はファミリーネームだと思いこんでいたのだ。(授業の中身を考えるので精一杯で、そこまで考えが及んでいなかった・・・)
![](https://assets.st-note.com/img/1721356679958-8wIzKtfXN2.jpg?width=1200)
大間違い。
カンボジアの名前の付け方は、初めに父や祖父の名前(太郎とか健二とか)がきて、その後その人の名前がくるらしい。具体的には、「たろう はなこ」という名前になる。たろうさんは、基本的に父や祖父の名前なのだ。しかも、「はなこ」も人生の途中で時々変わるらしい(ネット情報)。
学習者は日本語が未熟なので、私が誤っていても訂正できない。私は初回は女性である学習者たちに向かい「たろうさん」「けんじさん」と肉親の名前で呼んでいたわけだ。
名前の付け方にそのような経緯があるが故に、カンボジア人は自分の名前を大切にするそうだ。大失敗である!
第2回の授業で謝罪しました。
(気がついたのは、”いろんな国の人になりきって自己紹介”をするための教材を作っていて「カンボジアの男性でよくある名前、ってなんだろう?」と調べていたときのことでした)
![](https://assets.st-note.com/img/1721367352326-8KkYdOp87p.jpg?width=1200)
今は、「なんと呼んで欲しいか?」と聞いて、その名前で呼んでいる。
名前の一部であったり、父の名前で良いという人もいて、愛称があるようだ。
3.英語は、ローマ字もダメ
もらった名簿に、名前が英語で書かれていたし、そういう表記に慣れているのだろう、と勝手に思っていた。
そして、教える側として、ひらがなの「読み」もローマ字で書いていた。
3回目の授業あたりか?
学習者が私自身に慣れて来た頃、発音をローマ字でホワイトボードに書いていたら、「せんせい!えいご、だめ!えいご、だめ!」と言う。
英語・・・? これ、英語じゃないけど・・・。
あ!ローマ字も、というか、アルファベットもわからないのか!と気がついた。
これは、勝手に結構な衝撃を受けた。
英語がダメだとは聞いてはいたが、同じく「英語ダメです!」と主張するベトナムの人たちも日本の中1くらいの英語なら分かっていたし、ローマ字表記も便利に使っていた。それくらいのレベルはあるんじゃないかと思っていた。
思うに、ベトナムの人の「英語ダメ!」は日本人のそれに近く、「苦手だから、お願いだから、英語で授業をしないでください」の意味。今のクラスのカンボジアの方達の「英語ダメ!」は、教わったことが一度もないから、何を使っても無駄、という意味だ。
前回書いた授業の様子で”カンボジアの学校制度”の話を聞いたときに、挙げられた教科に英語はなかった。少なくとも、彼らが通った義務教育の学校には、英語がなかったのだろう。1日3〜4時間程度の授業であるから(午前か午後のクラスしかない)、そうならざるをえないのだろう。
そういえば、教室にある「WiFiパスワード」を入力するのに、彼らはものすごく時間がかかっていて、変だな?と思っていたが、そういうことか⁈
![](https://assets.st-note.com/img/1721356740900-ydaBZ1QAhj.jpg?width=1200)
(あまりに長くなりそうなので、次回へ続く)
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