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航空整備士のやりがい・苦労について

整備士のやりがい、苦労は人によって様々です。

実際に話を聞いた中で多かったものを取り上げます。

やりがい

・エンジンやギアなどの大きな部品をみんなで交換できた
→初めて大きくて複雑な部品を組み上げ、取り付けるのに達成感を感じます。

・作業スピードが以前より速くなった
→自分の整備スキルアップを感じられることは技術者にとって嬉しいものです。

・他の人が見つけられないような不具合に気づき、飛行機の安全を保てた
→飛行機の安全を保つことが使命なので、「役目を果たせた」という達成感を感じられます。

・難しい不具合の原因を見つけ、修復できた
→航空機システムを勉強して、実務での経験を積んだ上での集大成ともいえます。

・飛行機が飛ぶ前に、お客様に手を振ること
→グッバイウェーブといい、ある一人の整備士の習慣から生まれた行為です。
 乗客からも窓から覗くと見えますね。


苦労

最も苦労するのは資格取得のための勉強でしょうか。
なぜそんなに苦労するかというと

1、勉強量が多い(2000時間くらい)
2、仕事と両立して行う必要がある
3、勉強成績が良くても、試験官によっては落とされる
という点が挙げられます。

1、勉強量が多い(2000時間くらい)

大型機を整備する上で必要となるのは「一等航空整備士」という資格です。

会社にもよりますが
「一等運航整備士」→」→「2機種目の一等航空整備士」→「3機種目の・・・」
といった勉強漬けの毎日が約1年ずつ続きます。

私のざっくりとした計算によると
「1機種目の一等航空整備士」を取るまでに2000時間の勉強時間が必要と算出されました。
2機種目以降はもっと少ない勉強時間で取得することができます。

参考までに、他の有名な資格取得に要する勉強時間は以下の通りでした。
・司法試験:8〜3000
・公認会計士:4000
・税理士:3000
・社労士:1000
・マンション管理士:500
・FP2級:300〜150
引用:資格Times


2、仕事と両立して行う必要がある

受験期間になると、「勤務前に勉強して仕事にいく」生活が続きます。
そして休日も何時間も勉強する覚悟をしなくてはなりません。

上記は将来出世するために試験を全て初回合格し、最短のペースで資格を取って行くための理想のモデルです。
何機種も資格を持つ整備士でも「一回も試験で不合格になっていない」という方はほんの一握りです。

日々の仕事で心身ともにボロボロな状態で勉強をすることになるので、いうまでもなく全員ができるわけがありません。


3、勉強成績が良くても、試験官によっては落とされる

ペーパー試験だけでなく、口頭試験、実機やフライトシュミレーターでの試験も行われます。
対人で行われため、合否に試験官の情が入ってくることもあります。

例は以下のようなものです。
成績はまずまずだけど、センスはあるから合格にしてやろう
成績はいいけど、謙虚な姿勢がないから不合格にしよう
成績は素晴らしいけど、試験中に嘘をついたから不合格にしよう

学問的な成績、努力、人柄の3拍子が揃ってないと、合格には近づけません。

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