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航空整備士の仕事(エンジン整備士)

エンジン整備士は、大型機のエンジンを専門に整備しています。

他の整備士(ドック・ライン整備士)もエンジンを整備しますが、
整備の深度に違いがあります。
エンジン整備士の方がより細かく点検や組み立てを行うのです。

エンジンに関して簡単に作業の違いを説明すると

ライン整備士:inspection(目視での点検)、bsi(高性能小型カメラ)での内部点検
ドック整備士:加えてエンジンの交換
エンジン整備士:エンジンの分解、組み立て、出力チェック

細かなところを上げるとキリがありませんが、このように分けられています。


ではどのような時にエンジンが飛行機から取り外されて、工場に搬入されるのでしょうか?

1:飛行機に取り付けて使用し続け、決まった時間が経過した時
2:エンジンが故障して「もう無理」と悲鳴を上げた時

以上が主な搬入ストーリーです。

例えばGE社(ジェネラルエレクロニック)のが新しいエンジンを開発し、
あるエアラインがローンチカスタマーとして、そのエンジンを導入したとします。
そして導入直後というのは、運行実績が少なく設計不良などで、比較的エンジンがすぐに壊れます。

そのような時、

・ライン整備士は、一定飛行ごとの点検(継続使用できるかの判定をする)で、
・ドック整備士は、使えないエンジンを、修理したエンジンに交換する作業で、
・エンジン整備士は、その取り下ろされたエンジンを再度使えるように修理する作業で、

どの部門もシフト体制で、休みなく働くことになります。


複数の種類の機体を保有しているエアラインであれば、
エンジンの種類も複数あります。
メーカーや型式が異なり、必要な知識も異なります。

一等航空整備士を取得するレベルになると、
非常に深い学問的な知識が身につき、
エンジンも空港のスポットで回せたり、
エンジン部品の交換もできるようになりますが、

バラバラに分解して、内部まで徹底的に整備するというのは、
エンジン整備士にしかできない仕事の醍醐味なのです。

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