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#81 東京 x いつか を語る

「東京」と言う言葉には

それだけでイメージできる

物凄いパワーがある


憧れ・挫折・希望・絶望


「東京」だったら

歌のタイトルにしても全然変じゃない


「岩手」じゃそうもいかない


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それはまるで、独楽の芯のようにきっちりと、ど真ん中に突き刺さっている。東京の中心に。日本の中心に。ボクらの憧れの中心に。


これは2005年に発売されたリリーフランキーさんの

「東京タワー -おかんとボクと、時々オトン-」

の冒頭に書かれている一節


この本は当時

ものすごく衝撃を受けた本で


読んですぐにもう一冊欲しいと本屋へ


とりあえず親が生きているうちに

読んで欲しいと思って


なかなか言葉にできない感謝を

この本に託して送り付けました


とにかくこの本を読んだ時は


何かしなくちゃ

何かしなくちゃいけない

そういう衝動に駆られた記憶があります


なのでその後のドラマや映画作品は

少し見ましたが

全然本の良さが出ていなかったので

見たけど記憶の中で

なかったことにしています


原作が好きすぎると

やっぱり受け付けないんです


当時ココリコミラクルタイプと言う番組に

リリーフランキーさんが出演していて


あぁこの人かぁ…


この変態なおじさんが

あんな繊細な言葉を選んで

東京タワーを書いたんだぁ…


普段おちゃらけて

下ネタばかり言う人が


実はすごい才能を持っていて

それを隠すでもなく自然に振る舞う


なんかこういう人かっこいいなぁって

人を見る視点がこの本を読んでから

変わったような気がしました



東京タワーの中で忘れられない一行があって


希望を込めて思う”いつか”はいつまでも訪れることがないのかもしれないけれど、恐れている”いつか”は突然やってくる


”いつか”と言う言葉は

希望でもあり絶望でもある


いつか絶対歌手になる


その瞬間の希望と

叶えられないとわかった時の絶望


そう言うの全部ひっくるめて

ボクが経験した”いつか”に

1番ふさわしい言葉は


東京


キラキラしたネオンに引かれる虫のように

夢追い人が集まり

街灯の下の死骸のように

夢が踏み潰されていく


荒れ狂う人波の中そっと

魚になってかきわけ泳ぐよ

全ては障害物だ


朝のラッシュを抜け

渋谷の歩道橋の上から

振り返ったとき見えた光景


ボクはこう言う言葉を書いた


人が障害物でしかなく

ここでもし倒れて死んでも

荒れ狂う人波が踏み潰していく


なんて自分はちっぽけな存在だろう…


それをあのとき

あの歩道橋の上で

ボクは感じた


いつかまた東京に行きたい


違う夢を持って


自分が昔住んでいた場所と

あの歩道橋の上から


いつかもう一度振り返るために










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