『まんま』を観劇しました

演劇ユニット、マゼルナキケンさんの『まんま』の映像配信を観ました。マゼルナキケンさんの作品は、前作の映像配信『マスクメロン』から観ておりますので、二回目となります。そして、ここからは私の感想と共に、盛大なネタバレが含まれますので、ご注意ください。



面白かったです。短編の劇三本立て。別に三本に繋がりがあるわけではないけれど、どれもちょっと社会問題が入っている感じ。一本目の「4人の妻」は女性の権利、二本目の「鏡の前で」は女性の生活、三本目の「ビスケット(すみません、題名を忘れてしまいました。なんか長かったのは覚えています)」は持続可能なものって?という話だと勝手に解釈しました。一本目の「4人の妻」はハーレムのために同じ男に結婚した4人の妻の物語ですが、全然ドロドロしてない。悪役令嬢ものではない。女子寮でした。一番目の妻と二番目の妻が好きです。達観している様が、三人目と四人目に比べて年上だからってのもあるかもしれませんが、それ以上に子供ってか跡継ぎのことがあって、それを乗り越えたからかなって思いました。女性は道具?男の所有物?今はそんな時代ではないと言うけれど実際は?と、考えさせられました。考えされられた、というよりも、頭の隅にあったりもやっとしたりしているけど、口には出さないで生活していることを代わりに言ってくれた感じでした。でもマゼルナキケンさんは答えは教えてくれないんだよなあ。問題提起して、さあ世界はどうだい?みたいに語りかけてくれる感じがします。二本目の「鏡の前で」の糸の演出は良かったです。まじで最初、タイトル見ただけでは、なんか、白雪姫みたいなことするのかな?なんてことを考えていましたが、女性たちが鏡の前でメイクを落としたり朝準備したりするときに、一人でぶつぶつと愚痴をこぼしながらも生活している様を見ることが出来ました。「あーうざい、うざいうざい」って言いながら毎回化粧するのはきついよなあって思います。でも分かる。ちなみに私は化粧のノリが良いときと悪いときの差が激しいのでノリが悪いときはもうその段階で出掛ける気が失せます。三本目は男女関係なく人生が難破しないように、持続可能に航海できるようにするには?っていうのを、まど・みちおさんの詩ポケットのなかにはビスケットがひとつ、ひとつ叩けばビスケットがふたつ、と共に考える物語だったと解釈しています。

マゼルナキケンさんの面白いところは劇中に言葉遊びというか、同義語を並べる???というか、連想ゲームのような台詞が何ヵ所か入ってくるところかと。別々の役がそれぞれ一言ずつリズミカルにとんとんとんとんと言っていくことで一つの言葉や事物を多面的に見せることができるのは上手いなあ面白いなあと思っています。ちなみにフラテとレオの脚本は一つの言葉や事物に対して「○○ってか、んー、何て言ったらいいんだろう、××みたいな?」みたいな感じで一人の役に言い換えを行わせることが多いですね。それか「○○だよ」「○○?」「ほら、あれだよ。ほにゃほにゃだよ」みたいに完全に会話にします。どちらが良い悪いではないですが、多分お客様を楽しませるのはマゼルナキケンさんの技法だと思います。

いやあ、マゼルナキケンさんの『まんま』、面白かったです。チケット販売は9/30までだそうなので、気になった方はお早めに!チケット代はなんと千円です!

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