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アビトゥア、いざ!~準備編~

親父の「まぁそういうな」の一言に背中を押され、アビトゥアの勉強に本腰を入れたのが、13年生になるちょっと前。それは、「今から何をどうしたいの?!」と呆れられても仕方ないぐらい、遅すぎるスタートでした。

アビトゥアの評価方法について特記すべきは、高等部において得た成績がすべて加味されることです。それは言い換えれば、試験当日にどんなに頑張っても、高等部の成績が悪ければ、その分だけ総合成績が下がってしまうことを意味します。つまり、高等部に進学した時点で、アビトゥアへの道が始まっているのです。

僕が通っていたギムナジウムでは、当時のアビトゥア試験は4科目(筆記試験3科目、口頭試験11科目)から構成されていました。僕の場合、筆記試験は歴史・数学・音楽で、口頭試験は英語でした。

高校時代に暗黒期を迎えていた僕にとって、高等部3年間の成績は散々たるものでした。そのため、実際のアビトゥア試験に備えるにも、そのベース(知識)はほぼゼロに等しい状況でした。にもかかわらず、試験の準備をしなければならないのです。ゼロスタート、いや、マイナススタートです。自動車に例えるならば、運転したことがほとんどないのに、いきなり実地試験に挑むくらい、それは無謀なことに思えました。でも、そうも言っていられず・・・そこで、自分なりの科目別攻略法を練ってみました。

歴史については、まずは歴史的事実を把握すべく、高等部で使用した教科書を読みなおし、要点をノートにまとめることから始めました(今さら?!)。数学については、僕より1年はやくアビトゥア試験を受けた理系の友人に家庭教師についてもらいました。友人であれば、アホな質問の一つや二つは許されるかな、と。英語については、試験前の数ヶ月間、語学学校の集中講座を受講し、とにかく英語を喋るのに慣れることに集中しました。音楽に限っては、高等部で学ぶ音楽理論を幸い完全マスターしていたため、特にこれといった勉強をする必要はなく、その分を他の科目に充てることができました。

上記の攻略法に沿って勉強を進めるにあたっては、同級生のノートも大いに活用させてもらいました。「大して仲良くもないくせに、こんな時に限って人のノートに頼るとは」と、コピーを取らせてもらっている間に文句をブツブツ言われ、肩身の狭い思いをしたのを今でも覚えています。

何はともあれ、自分の遅すぎるアビトゥア攻略はこのようにして始まったのでした。タイムリミット(=試験本番)まであと約10ヶ月です。

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