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テレビ電話

子供の頃に見ていたテレビドラマは、決まってテレビ電話が小道具として使われていた。「サンダーバード」や「ウルトラセブン」など。
私は母にねだって、それを買ってもらおうとした。しかし、その頃にはまだこの未来のデバイスは登場していなかった。

大人になり、気がつけばテレビ電話が当たり前の世界に生きている。
最初はパソコンに付いたキャメラを通してのスカイプなどのビデオ通信、そしてスマートフォンと進化した。
腕時計型デバイスでテレビ電話機能がついているかは知らないが、普通の通話なら出来るようになった。私もAppleWatchで時計に向かって話をしたことがある。電話機を取り出さなくても通話ができてとても便利だ。

私は子供の頃から無線というテクノロジーに興味があった。NET(今のテレビ朝日)と円谷プロが制作した「緊急指令10-4・10-10」というCB無線を使って事件の捜査を行う子供向け番組があり、これに感化され母にトランシーバーを買ってもらった。
アマチュア無線の国家試験も小学生の頃に受験し、中学ではニュージーランドの無線愛好家と交信したこともある。高校生になったら自宅に無線局を作ったが、やがて熱は覚めた。
その後、有線ではあるが、パソコン通信を始めて多くの友人を得ることになる。

初めて買った携帯電話はモトローラ製だったが、バッテリーを外すと製品規格が表示されていてそこには「移動無線局」と書かれてあった。今われわれが使っている携帯電話は実は無線通信なのだ。当然公共の電波を利用するので免許が必要だが、これは使用者が取得するのではなく、携帯電話会社が総務省から免許を受けて電話サービスを提供している。

話は大きく逸れたが、かつては固定電話を設置するのも大変だった時代から現代の誰でも携帯電話が持てる時代になったことには感慨深いものがある。
ただ、いつでもつながることが出来るが、つながらない権利も当然あってしかるべきだ。休日に会社から電話がかかってくるなんてまっぴら御免だ。
また、常に監視されている状態にすでになっていて、われわれのプライバシーはあってないようなものだ。

そういえば、私は最新式のiPhoneを使っているが、誰からも電話がない。今のダメ人間の私には友達はいないのだ。悲しい。

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