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「選ばなければ仕事はある」は嘘

この世の中には多くの仕事がある。一応、現在の有効求人倍率は1倍以上あり、一人の求職者に対して一つ以上の仕事があるとされている。
しかし、世の中にはそれでも仕事に就けない人がいる。そんな人に対して周りは「選ばなければ仕事はいくらでもある」という。

確かに仕事はいくらでもあるだろう。だが、その中には学歴や資格、経験を必要とする仕事もあるし、若い者や健康な者でないと務まらない仕事もある。さらに言えば、容姿が重要な仕事もある。もっと言えば、空求人やブラック求人も多数ある。

それらを差し引いて、生活を維持できる仕事に就こうと思ったらとんでもなく高い倍率で他の求職者と争わなければ採用されない。また、求職者がいくら「選ばなくても」採用側に選ばれることはない。

したがって、「選ばなければ仕事はいくらでもある」というのは嘘である。これは履歴書を書いて就職活動をしてみるとすぐわかる。
選ばれる人はいくつもの採用通知を手にするが、選ばれない人は人がやりたがらない仕事であっても採用されることはない。

そんな選ばれない人を批判するような思いやりのない人間にはなりたくない。その人はもしかすると教育を受ける機会が得られなかったのかもしれないし、ブラック企業で働いてスキルも資格も身につかなかった人かも知れない。心身の病気になってもう一度やり直しをしようと思っている人かも知れない。

私はかつて職業訓練校で技術を身に着けて就職活動をしたが、100社以上から不採用の通知を受けた。そしてやっと入った会社ではうつ病の既往症がばれて解雇された。その後、なんとか放送局での仕事に就けたが、その間生きた心地がしなかった。

だから、あなたの周りになかなか仕事に就けない人がいても決して責めないで欲しい。その人は、あなたより少しだけアンラッキーな人なんだから。

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