幸運について考えた公園のベンチ
日曜日は多くのお店が閉まっているフランス。私たち夫婦は近くの公園に散歩に行きます。子供用の遊具のエリア、池や芝生もあれば、色んな鳥やリスもいて、市民の憩いの場としてよく機能しています。雨に濡れても大丈夫な卓球台が置いてあって、おじさん同士が白熱して勝負を繰り広げている場面に出くわすと面白いです。
ベンチでひと休みしながら通り過ぎる人達を眺めるのも興味深くて、今まで人通りの多い場所で適当にあいているベンチに座っていたのですが、秋になって、なるべくお日様のあたるベンチを選ぶようになりました。寒くなると日に当たって温まるのは本当に気持ちのいいものです。太陽の方向にもよるし、木陰も多いので日当たりのいい場所は多くはありません。日陰は比べ物にならないぐらい寒いのです。
それで、昨日の朝もあいているベンチの中で、一番日当たりのいいところを選んで座りました。本当はその左隣のベンチがベストなのですが、そこは既に親子連れが座ってクロワッサンを食べていました。私たちの右隣のベンチにはニンジンやラディッシュの入った袋を提げたマルシェ帰りのおじさんがやって来て座りました。
しばらくすると、親子連れが帰る支度をしはじめて、私は夫とそちらへ移動しようと見ていたのですが、マルシェ帰りのおじさんがササっと私たちの前を通り過ぎ、そのベンチへ落ち着いてしまいました。
他にも朝ごはんを買って来たらしい若いカップルが走ってやってきて、私たちとは別のエリアにある日当たりのいいベンチを目指して座るのをみて、これは私たちだけじゃなくて、多くの人が日の当たるベンチを狙って座っている事が分かりました。
ちなみに、私たちはこのカップルが去った後に、そこのベンチへ移動しました。人通りが少ないので面白味はないのですが、日光を燦燦と浴びて温まったところで満足して席を立つと、すぐに向かい側のベンチで電話をしている若い女性が立ち上がって、喋りながらそのベンチに移動してきました。
より良いベンチを求めて、チャンスがあればさっと移動する。マルシェ帰りのおじさんみたいに、抜け目なく動ける人がほしいものをどんどん獲得していくんだななんて思ったのですが、本当は、誰とも競合せずにタイミングよく日当たりのいいベンチに座れるが人が運がよくて幸せなんでしょうね。
そして、こういう幸運って、きっと誰にでもあって、案外そんな自分の幸運に気づかないでいることも多いかもしれません。
今日も読んで下さって有難うございました!
hinaさん、お写真お借りしました。ありがとうございます!
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