病歴と結婚
今年は結婚して4年目がやってくるのですが、私は病歴や持病があることで一人で生きていくしかないのかなと思っていたので、今でも夫に対して「有難いなあ...」と思う時があります。もちろんケンカもしますけど。
大学生の時に腫瘍が見つかって手術しガンだったと分かりました。もう25年程も前のこと。結果的には切除だけで済んで身体的には大したことなかったのですが、まだ若かったこともあって、どう受け止めていいか色々悩み、私は結婚は望まない方がいいの?というのも大きな悩みでした。
20代から30代にかけての私は「結婚は?」と聞かれたら、ほとんどは「全然興味ない」と答えていました。 病歴のことで上手くいかなかったらとか、結婚したいのに叶わなくてみじめな気持ちになりなくないとか、そんな事で本当の願望にフタをしている事が多くて、建設的なお付き合いができなかったなあと思います。結婚なんてしない方がいいっていう理由を探しているような所もありました。
40歳がみえてきたぐらいの時に、ふと「私、まだまだ生きるんだ」と実感したことがあって、それまでは自分の人生は長くないと思い込んでいたフシがあったので、急に慌てた気持ちになり、「やっぱり結婚してみたい!」という自分の本音にハッキリと気づいてしまいました。
その頃には、他に持病も発覚していたし、経過観察中の筋腫もあったし、付き合う前にお知らせする事が増えていたのですが、ガンになって学んだことの中に「明日死んでもいいように生きる」という事もあって、経験したいと分かってしまった以上は動かないといけなくなり、趣味の活動を多くしたりして、できるだけ出会いが増えるようにしました。
そんな中から、お互いに気持ちはあるよねという人が現れ、でもコミットし合う関係を望んではなさそうと思っていたら、病歴を話さないうちに「将来を考えたい」と言われ、慌てて説明したら「残念だけど受け入れられない」とダメになってしまいました。
病歴や持病のことは隠すつもりはなく、友達でいるなら話さない選択肢もあるし、改まって話すタイミングも、なかなか難しいものです。
そう言えば「ちょっといい雰囲気かも」と思った人に、健康の話になった時にサラッと言ってみたら明らかに動揺されたこともありました。「驚かせてスマン」と同時に「私もガッカリしましたよ」という感じなのですが、関係が進む可能性が見えたら、お互いの時間と気持ちを無駄にしないための配慮として伝えておくのがいいと私の場合は思っていました。
「受け入れられない」と言われた人と友達関係に戻ったあと、今の夫に出会うのですが、まだ友達の時に、夫が「お互いにいい年で独身ってことはそれなりに理由があると思うけど、どうしてなのかな?」というような質問をしてきて、そこですんなり病気のことを話しました。この質問は、なかなかうまいもんだったなあと今でも思っています。相手が結婚したいのかとか、バツありなのかしら、お子さんはいるのかしら等々、話を広げられる可能性のある質問ですよね。
私の返事について、夫は驚いた様子もなくて、「病気になる可能性はみんなにあるんだし、そんなの関係ないと思うなあ」みたいな返答で、私は「わ!やった!」と思ったのを覚えています。
結局は色々な人に出会って、その中から「これは」という関係がでてきて、傷つき傷つけながら、やっとこさ寛大な?考えの夫に巡り会ったわけですが、不思議と実感したのは、「病歴があるから、持病があるから結婚は難しい」という自分の思い込みが結婚を遠ざけていたんだなという事でした。思い込みがとけた途端に、すごく簡単に結婚という現実が訪れた気がしています。
思い込みがとけたというのは、病歴のことでダメになったという話を、男性の友達と恩師にしてみたら、二人ともが「そんなの関係ないのにー」と強く言ってくれ、私の中で「そうか。関係ないって言う男性もいるよね」と本当に思えて考えが変わったということで、その直後に急展開で結婚話が持ち上がったのでした。
病歴があっても、結局は自分に合うパートナーを色んな出会いの中から見つけるという点では皆同じだったんだなあと今では思っています。
そして結婚はもちろん何かのゴールというわけではないし、結婚=幸せというわけでもなく、どんな立場でも、幸せであるかどうかは自分次第だと思っています。
今日も読んで下さって有難うございました!
ちびひめさん イラストお借りしました。有難うございます!
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