フランス語で習うか、日本語で習うか
語学学習と言えば、「ネイティブのレッスン!」というイメージがあると思いますが、私は必ずしもそれがフランス語上達への近道ではないという気がしています。義務教育などで一通り習った英語をやり直すためにネイティブのレッスンを受けるのと、何も知らないフランス語をネイティブに習うというのは状況が大きく違っています。基礎知識のない言語をいきなりネイティブに習うというのは、それはそれで価値はあるのですが、最初は疑問符だらけの世界になります。また、中級以降でも、日本語での授業にもメリットがあると今は考えています。フランス語で習う、日本語で習う、それぞれのメリットデメリットについて私なりの考えを書いてみたいと思います。
フランス語でフランス語を習う場合
ネイティブとのコミュニケーションが常にあるとモチベーションが高く保てます。聴く力や発音やリズムを身に着けやすい環境とも言えます。気分転換でフランス語を勉強しようかなという人は非日常が味わえて楽しい時間を過ごせるでしょう。でも一定のレベルに達しようという目標の場合は時間がかかるかもしれません。ネイティブの先生は日本語が分からない場合も多いと思いますが、その場合、学習者が自分の理解を確認しづらいとか、質問しづらいということが大きなデメリットになってきます。挨拶や自己紹介ぐらいの時は楽しくても、文章らしい文章が出てくると「こういう仕組みなのかなあ?」「私の理解はあっているのかしら?」というような曖昧な感じで進んでいくので、「身についているぞ」「今日はこれを勉強した」というような確実な手ごたえを感じにくいものです。そんな場合は日本語の文法書でその都度、学習内容を復習がてら確認することをお勧めします。
またレッスンで臆さないで積極的に発言することは大事です。積極的に発話をして力をつけるという面ももちろんありますが、自信のあるところだけ発言していると先生は「この人(クラス)は分かっている」と判断して決まり通りに先へ進んでいってしまいます。先生が理解度を把握するという観点から学習者の間違いにも意味があります。間違っているかもしれないと思っても臆さず発言して先生に直してもらいましょう。分からない時は、曖昧に笑って済まさず、Je ne comprends pas. 「分かりません」と言いましょう。
フランス語を日本語で習う場合
効率を重視する方は日本語で習うのは一つの手だと思います。ネイティブの先生の説明を頭をフル回転させて「えーっと、こういうことか?」と聞いているより、日本語で説明された方がスッキリ分かって早いという事は想像しやすいですよね。仏語と日本語は文法があまりにも違うし、初歩の初歩である動詞の活用や冠詞についての説明なども、きっちり習った方が悩む時間や場面が少なくて済み、ある程度暗記しないといけない事でも勘違いして覚える可能性を回避できます。自分の理解が合っているか、疑問に思った事をすぐ質問できることも日本語で習う大きなメリットです。ただ、よっぽど発音が綺麗な先生でないとネイティブと同じという訳にはいかないし、フランス語を聞く量は減るでしょうから、その点はデメリットでしょう。また、フランスが好きだから習ってみたい、旅行で少し話せるぐらいでいいと言う方には日本語で習うとお勉強的な雰囲気になりがちで少し残念かもしれません。総じて活きた仏語に触れたり使ったりすることを補う事が重要になってきます。インターネットや視聴覚教材を積極的に利用しましょう。日本語が通じるからと甘えず授業の中で使える仏語は使うようにするといいですね。
結論 両方を使い分けられるといい!
私は以前はネイティブに習ってこそ価値があるというような考え方をしていました。でも、今はそれが万年中級の一つの原因かもしれないと考えています。ネイティブの先生から習うのは楽しいし時間はかかっても自然なフランス語が身につくし、リスニングや発音、発話の面ではメリットが大きいです。ただ語学学習はそのレベルレベルで、新たな疑問が当然でてくるし、基礎的な文法を押さえられていても、レベルがあがればより深く細かく文法事項を気にすることになると思います。ネイティブの先生でも、訂正してもらって大体はわかるのですが、私の場合、何が分からないかを仏語で質問するという事自体にハードルがあって、訂正してもらった際になんとなくしか分かっていなくても深入りせずに済ませてしまいがちでした。もし、日本語で説明できる先生なら、気軽に聞くことができるので、疑問点を解決しながら先へ進むことができるという点では優ると思います。
結論としては、フランス語と日本語(あるいは授業がフランス語だったとしても、日本語で質問ができる、説明が聞ける)の授業を使い分けるのがベストだというのが今の私の考えです。ネイティブの先生だけでももちろんレベルアップしていけると思いますが、フランス語で学ぶ、日本語で学ぶことの両方を自分の課題をふまえて組み合わせながら進んでいくのが効率がいいと思います。
今日も読んで下さって有難うございました。
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