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【人気・不人気企業の二極化】人を人として扱う経営が採用の鍵になる~テレワークの観点から

こんにちは!今日は『人を人として扱える会社かどうかが採用の鍵になってくる』話をします。

きっかけはこちらのニュースを見たことです。


ニュースの概要

こちらで紹介されている会社の所在地(埼玉県さいたま市)で暑さ指数が一定の数値以上になった場合は、熱中症の懸念があるために無理に出社しなくても良いというルールを設けている、というものです。

暑すぎる日は無理に出社しない代わりに、リモートワークをして体力を温存してね、ということでした。

こちらの会社の副社長は実際に2年前の路上で暑さに倒れる方を見たことをきっかけに、この取り組みを始めたとお話されています。

記事の中で副社長は『経営として合理的』とこの施策についてお話されていますが、私も全く同感で、実際に出勤しないとどうしても仕事を回せない人(工場の生産担当者、医療福祉関係者など)を除けば、暑い日に出勤の体力を温存して自宅で働くのは大変合理的だと思います。

人的供給制約との関係

また以前木下斉さんのVoicyで紹介があった通り、日本では少子高齢化による人的供給制約が始まっています。昔と比べて思ったように人を採用できない、集まらないという状況です。

人がどんな環境で働きたいかはその人の価値観次第ではありますが、上記の会社のように①暑い日は無理に出社しなくていい(リモートワークでOK)なところと、②暑くてリモートワークなんて甘えだ!何がなんでも来い!なところとでは多くの人が選べるなら①を選ぶのではないでしょうか。

実際にGoogle検索でのsearchlab(AI)によると、優秀な人材を採用するために有効な取り組みとして以下の要素が挙げられています。

人材要件を見直す
採用手法を見直す
報酬制度を整える
働きやすい環境を整える
キャリアパスを整備する
福利厚生を充実させる

Google検索でのsearchlab(AI)にて、『優秀な人材の採用方法』と検索した結果

『暑い日は無理して出社せずにリモートワーク』というのは、上記の要素で言うと働きやすい環境を整える、福利厚生を充実させる、あたりに合致すると思いますので、人によってはそのような施策を魅力に転職してくることもあるでしょう

『俺は暑かろうが槍が降ろうが出社してみんなと触れ合いたいからこの施策には反対!』という方もいるかもしれませんが、ニュースによればこちらの会社では暑い日の出社・リモートワークをあくまでも選択制(ただしリモートワーク推奨)としているので、出社推奨派の方にも強引にリモートワークをさせる、というものではないことを付け加えておきます(ただしそのような出社第一的な考えに賛同する人がいるかどうかはまた別問題)。

リモートワークを求める人ってそんなに多いのだろうか

経営者が考える『いい施策』を取り入れたところで、それが求職者にとって魅力的でない施策だったら意味がないですよね。

例えば私の場合、求人サイト等で『社員運動会・社員旅行あり』とか大々的にアピールしている企業には全くなびきませんし、絶対応募しません。そのため、施策を考えるにも求職者に響く内容を取り入れる必要があります。リモートワークの場合はどうなのでしょうか。

HRProによると、約6割が転職に応募するかどうかの決め手として「テレワーク実施の有無」が影響するとされています。また、「毎日テレワーク」を希望する人3割います。

HRPro 約6割が転職時の応募意向に「テレワーク実施の有無」が影響。「毎日テレワーク」を希望する人も増加
HRPro 約6割が転職時の応募意向に「テレワーク実施の有無」が影響。「毎日テレワーク」を希望する人も増加

これらの調査は2021年と絶賛コロナ禍でとられたものなので、今と若干の違いはあるかもしれませんが、テレワークという働き方の選択肢があるというだけで多くの求職者には魅力的に映るものだと言えます。

実際にフルリモートワークを2年超経験した人間からの考え

私は2022年夏からフルリモートの会社に転職したので、リモートワーク歴は2年超となりました。もちろん性格などでリモートワークの向き不向きはあると思いますが、リモート勤務が多くの求職者へ魅力的に映る要因としては、『会社にコントロールされすぎない』点があると思います。

リモート勤務がまだ一般的でない頃は、
・明日は○○へ出張→ものすごく朝早く起きる必要がある
・翌月から○○へ転勤→慣れ親しんだ住処を離れないといけない/近所の方ともお別れ/生活スタイルがガラッと変わる
・今日は●時まで残業→家族にワンオペを強いる
といった、会社要因で生活へ多大な影響を与える側面が多すぎたのではないでしょうか。

しかし近年ではワークライフバランス・ワークライフブレンドといった考え方が浸透し、上記のように会社に振り回される生活はおかしいぞ、と考える方が増えたことで、リモートワークを魅力に思う層が6割もいる結果につながったのだと思います。

また私の場合は選択理論心理学の診断で突出して『自由の欲求』という自分の好き勝手に進めたいという欲求が強い人間とわかったので、新卒で入ったようなルールの多い会社よりもフルリモートのようにある程度裁量の利く職場の方が快適に働けています。もしかしたら私のように選択理論心理学で自由の欲求が高い方はリモート勤務が向いているかもしれません

選択理論心理学 診断テスト

また、冒頭で紹介した『暑い日はリモートでもOK』というのは選択の余地が自分たちにもあるという安心感が従業員にもあるのではないかと思います。

リモートワークはあくまでも手段の一つにすぎませんが、このように会社・経営層が従業員を部品のようにルールでがんじがらめに縛るのではなく、一人の人間として尊重して選択の余地を与えるというのが今後の採用で求職者を集めるカギになるのではと思います。

ということで、フルリモート歴2年超の人間が、熱中症とリモートワークの記事をみて考えた、今後の採用のカギについてお話ししてみました。

それではまた!

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