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(映画感想)ミケランジェロの暗号

2011年公開のオーストリア映画、『ミケランジェロの暗号』(原作 "Mein bester Feind") を見ました。
内容は、第二次世界大戦時にユダヤ人画商の家にあるミケランジェロ作のモーゼの素描を巡ってのストーリー展開。

もちろん、扱っているテーマが第二次世界対戦時のナチスということもあり、当時の悲惨さや言葉で表せないような酷い出来事を描いている場面がある。その中でも部分部分でコメディ要素があってクスッとしてしまうことも。

ミケランジェロの一枚の素描で、ナチスドイツはムッソリーニ・イタリアの訪独の交渉に使おうとしていたが、イタリア側の鑑定士が贋作と見抜いてしまう。私はこの映画で、人が真贋の目を持たずにその名前だけで信頼して国と国の交渉事に利用されているのを見て「国は動かせるのに、美術品には簡単に騙されるんだなー。」と思ってしまった。

そして、ある場面でユダヤ人の主人公とナチス親衛隊の人物の服装が入れ替わるシーンがあるが、ほとんどの人はナチス親衛隊の制服を着た人物がユダヤ人だと思わず、簡単にナチス親衛隊の制服を着た主人公をナチス側の人間と信じてしまう。

絵の真贋然り、どちらがユダヤ人かどうか然り、人の判断は本当にあやふやで、ある美術商が言ってた「人は見たものを見たいように見る。」という言葉を思い出した。

そんな私がこの映画を見たいように見て感想を書きました。第二次世界大戦時の美術品動向は、私が大学時代に取っていた美術史の教授が興味ある分野の一つで授業でたまに話をして下さったのを覚えている。
この映画は、そういった意味で美術から入ることができる、第二次世界大戦を知り、忘れないための映画とも。

表紙画像元:Amazon.co.jp

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