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『建築条件付き』の土地購入で住宅ローンが通らなかった理由に耳を疑ったわけ
熊本地震からもうすぐ4年が経とうとしています。当時はブルーシートで青かった屋根ももうそんな気配を見ることもありません。崩れていた壁などもすっかり修復されています。
あの当時、地震で凄まじくやられてる土地がありました。その被害具合をみて『あのお客様、本当に買わなくてよかった』と思ったものです。昨日そこを久しぶりに車で通った時に思い出した話があります。今日はそのお話をしようかと思います。
住宅ローン問題を解決してきた
当オフィスの住宅ローン相談は変動金利or固定金利?など単純に住宅ローンを選ぶような依頼はほとんどありません。本当はそんな依頼ばかりだったらどれだけいいのか。有料相談だからだろうか見事なまでに難易度の高い依頼が多いのが特徴です。
よく考えるとマイホーム購入でいろいろあってちょっとしたパニックに陥っているお客様が相談に訪れるようです。お金を払ってきでもちゃんと解決しておきたい。そんな賢い方の集まりとも言えます。
そんな中でも依頼を受けたあとで『やめとけばよかった』と思う相談も少なからずあるのですが相談を聞いた瞬間『これはヤバイ』と思いながらも受けてしまったものもあります。もちろん相談料はそれなりにいただきました。
マイホーム購入を考えている方は住宅ローンを舐めていると思われる節がありますので次の話は結構参考になるはずです。マイホーム購入で失敗は許されないんだよ。わかってる?
電話がつながらない不動産屋
住宅ローンが通らないという連絡を頂きオフィスに来店いただきました。いつも通りにまずは源泉徴収票を確認の上、土地の売買契約書、重要事項説明書を確認していました。
最悪住宅ローン条項の適用期間であれば連絡をして終わりだななどと安易に考えていました。しかしその期日はとっくに終わっており銀行名の横の金額をみて驚きました。
どう考えても無理な金額が書き込まれています。ということで住宅ローンが通らない原因はすぐにわかりました。『返済比率オーバー』です。でも簡単な話だったのはここまでです。ここからは驚きの連続でした。
まず土地の仲介業者を確認したのですがその時です。お客様曰く『ここに電話してもいつも留守電でつながらないです。』
もうこの瞬間からイヤな予感がしました。次に宅建主任者のところに女性の名前が書いてあったのですがこれを聞くと『この女性とは会ったことありません』とのことです。
あ〜最悪だ!絶対にヤバイってこれ
領収書はなんと名刺の裏
次にお客様は手付金を払ったというのですがその領収書を確認すると確かに『金100万円確かに受け取りました』みたいな文字が記入してありました。問題はそれが書かれている場所です。
名刺です!
通常であればしかるべきところに行けばキャンセルなりなんとかなるのでは。そういうアドバイスをして終わりです。でもお客様は頑なにいうのです。
『この土地が絶対に欲しい』
マジですか?かなりイヤな予感がするのですが。何度もそう言うのですがこの土地がどうしてもいいというのです。きっと子供の頃にこう言う土地で楽しく遊んだ記憶があるのでしょう。
それならば建築条件付きなので建物のグレードを低くするなりして値段を下げて返済比率内に収めるしかありません。でもそれもできないようなのです。なぜなら相手よりこう言われているのようなのです。
『この土地は建築条件付きなので建物のデザインを決めるのでお客様ではない。私たちが決めてお客様はそこに住むだけだ』
ここまで来るともうファンタジーです。話を聞いている私の方が怖くなってきました。私の話はただ1つ。絶対にやめた方がいい。絶対に!でもこの土地がいいと涙ぐむお客様は目の前にいるのです。
説得につぐ説得をするが
話を聞いていてわかったと思いますが何1つ折り合えるところがないのです。前に進むにも返済比率オーバー、後ろに進むつまり解約をするにもローン条項の日にちが過ぎているので違約金の支払いがあります。
当然県庁に相談に行きましたが話になりませんでした。もう私のすることは1つです。お客様から電話があるたびに『やめましょう』『別の土地を探しましょう』『縁がないということで』など説得につぐ説得をしていました。
数ヶ月たったでしょうか。ようやく連絡がありました。
『あきらめます』
やっと前に進みそうだ。次に問題になるのは違約金です。連絡がついた不動産屋さんより『いつでも解約に応じる』と返事がありました。これは助かりました。しかしこうも言われたそうです。
『返金にはいつでも応じます。でもその前にどんな解決方法があるかお互い話し合いましょう。』
『話し合い?』大丈夫か?そんなことを思ったりしたのですが2日後に話し合いが行われることになりました。そこで話し合いのストーリーを考えていきました。どうしたらうまく返金になるか。
令和3年1月21日加筆
話し合いを行うということで1つだけアドバイスをしました。それはスピード勝負であることです。最初に『解約する時には返金をしていただけるのですよね』と確認すること。そして録音しておくことです。
話し合いは特段のことはなく私たちも考えますのでお客様も考えてください。10日後にまた話し合いをしましょうとのことでした。返金に関する話はOKとのことでした。
話し合いの次の日にそれを確認して『解約、返金の依頼』を切り出しました。先方は意外だったらしく少し説得されましたが無事に100万返金になりました。全てが終わった後お客様に言いました。
『名刺を領収書代わりにした時点でおかしいと思わないと。今回のトラブルはお客様も悪い。住宅購入の失敗が人生すら失敗に導く』
そしてまた土地探しを一緒にすることになりました。
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