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倹約と節約の決定的な違い

二宮尊徳(二宮金次郎);江戸時代後期 経世家、農政家、思想家

 最近、〇〇アドバイザーなる肩書の方が、メディアに多く露出します。私が気になるのは節約アドバイザー。まさに、日本が不景気である象徴です。

 ほかの国では聞いたことがありません。

節約とは、むだ遣いをやめて切りつめること。

 多くの辞典には、このように記述されています。無駄だということは、省略することは効果的だと言えます。ただし、無駄があるからこそ、有益が引き立つという考え方もあります。

そもそも無駄って何だろう?

 無駄とは、役に立たないこと、効果・効用がないことです。ということは、(何かを実行するために)役に立たない、(何かの目的を達成するには)効果・効用がないということです。

 何か、って何だろう?
 これが明確でないといけませんね。

 多くの〇〇アドバイザーは、何となく不安、とにかく不安だから、困るから「節約」と訴えています。

とりあえず「節約」

 漠然とした不安をとりあえず解消するために「節約」するんですね。節約したところで得られる状態は次の不安につながるだけで、解消には至らないのです。

 そして、金銭的なことに限らず、消費を伴うさまざまな事例に使える、便利な言葉です。

倹約とは、明確な理由のもと、贅沢をやめること

 倹約とは、簡素化や低減・削減することによって、大きな目標を達成するプロセスのことです。大切なのは、明確な理由があるということです。また、節約とは異なり、金銭的なことに限って使われる言葉です。

 ”理由”とは言いましたが、目的とか目標と言っても良いでしょう。
 この点が、節約と倹約の決定的な違いです。

節約は手段に満足、倹約は結果に満足

 このように節約と倹約の違いを理解していれば
・目的のない切り詰めや我慢は、節約。
・明確な目標のもと贅沢をやめるのが、倹約。
どちらがストレスなく行動できるか、判断できるはずです。

節約を続ける間は、景気の委縮が続く

 『節約』が流行る日本。不景気から抜け出せない理由が、ここにもあります。なぜ節約をするのかを理解し、目的が決めて『倹約』に切り替えたいものです。

 二宮尊徳は、『復興』の先駆者です。


 ここまで読んでくださってありがとうございました。
 ちょっとした「言葉の違い」を理解すると、意識が変わり、行動が変わるので、少し考える時間をとってみませんか?

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