【投資】投資分析が定量に偏る理由
こんにちは。FPひろき(@FP_Hiroki)です。
本日は株式投資における、特に企業分析あるあるについて書き記してまいります。
と言いますのも、株式投資を始めたばかりの方が企業分析をする上で、それがどうしても定量分析ばかりに偏る傾向にあるからです。
本日はそれがなぜかを指摘しながら、企業分析では何が大事になるのか。
そしてそれが投資全般に言えることである点についても、その核心に迫ってまいります。
企業分析には定量分析と定性分析がある
株式投資でボトムアップアプローチ(企業分析)をする時に、どうしても定量分析に偏りがちになります。
それは一体なぜかについて言及いたしますが、その前に分析には定量分析と定性分析があることを整理しておきます。
定量分析とは
定量分析は、数値データを用いた客観的な分析方法です。具体的には以下のようなものがあげられます。
留意分析(損益計算書、貸借対照表の分析)
株価指標分析(PER、PBR、評価評価など)
テクニカル分析(チャート分析、移動平均線など)
計量モデルによる分析(リスクモデル、ファクターモデルなど)
定性分析とは
一方、定性分析は、数値化できない非情報を用いた分析方法です。以下のような視点が含まれます。
経営者の能力と経営方針の評価
事業モデルや競争力の評価
業界動向と市場環境の分析
製品やサービスの評価
上記の株式投資の企業分析面で定量分析と定性分析を整理することで、分析がどちらか一方に偏ることによる弱点が如実に現れてきます。
それは定量分析は冷静でバックデータに基づいていますが、過去の数値からしか判断できないことを加味しないといけない点です。
投資を行う上では、これら2つのアプローチを組み合わせて総合的に判断することが重要です。
数値だけでなく、ストーリーや体感的な削減も加味する必要があるためです。
投資における分析が定量分析に偏る理由
それではなぜ、投資における分析をすると、定量分析に偏る傾向になるのでしょうか。
それは数字をこねくり回すことで分析した気になり、それでお腹いっぱいになってしまうからです。
数字をこねくり回すには、定性分析以上に勉強をしないといけません。それをすることで、すべてが解決できると思い込んでしまう点にこそ盲点が潜んでいるのです。
定量分析は事前にいかに学習したか、定性分析は日ごろからいかに情報収集しておくかが問われるわけです。
それからもわかるように、少し毛色が違う側面があります。
それゆえ先にも述べたように、定量分析のための膨大な学習量と数値扱うことで、それですべて解決できるという錯覚に陥ってしまうのでしょう。
ところが定量分析はあくまでも過去のデータが基本となります。それだけでは投資における分析面で不完全であることは言うまでもありません。
日ごろからの情報分析とその精査を行っていなければ、せっかくの定量分析も活かしきれずに終わるということを理解しなくてはならないのです。
なおこれは投資"初級者”にも多く見受けられるものなので、そちらの例を下記で紹介いたします。
投資“初級者”も定量分析に偏りがちである
株式インデックスにこそ自身の投資手法を見出した…という人を多く見受けられますが、気のせいでしょうか。
これはとても素晴らしいことだと思います。
自身の投資環境に鑑み、株式インデックスの長期運用に活路を見出したのであれば、それはそれで尊重いたします。
特に投資初心者などが投資を始めるにあたり、理想的な投資手法となる点からもそのように言い切れます。
ところが疑問に思うこともあるのです。
長期運用前提の株式インデックス投資であるにも関わらず、毎日のようにS&P500などのベンチマークを気にしているのはなぜなのでしょうか?
このようなポストは何が言いたいのか、私にはよくわかりません。
数字を出すと説得力が増す印象があることから、積極的に数字を出しているのでしょうが、それが本当に大事なことなのでしょうか。
このような情報はどこにでも転がっており、ただ転載しているにすぎません。
ましてや過去の数字です。
こういったポストは投資初心者を脱し、投資“初級者”になった方々に多い印象です。
数字を出すことで投資に詳しいアカウントと評価するのは、少し安直すぎると思うわけですが、この点いかがでしょうか。
なおこのポストをした方は投資歴15年なので、それに該当しないことから、あえて掲載いたしました。
この投資のベテランは、きっと意図があってこのようなポストをしているのだと思います(フォローのつもりです)。
ここからもわかるように、定量分析さえしておけば、分析をした気に陥るという事象が見て取れると思いますが、皆さまはどのようにお考えですか?
企業分析をする上での順番
私は個別株購入リストにある企業の分析において、まずは定性分析を行い、その後定量分析をするようにしています。
確かに景気動向指数などのファンダメンタル分析では、先行指数などを重要視する場面があることから、定量分析が先に来ることもあるでしょう。
しかし企業分析では少し異なります。
その企業のビジョンは何か、今後の事業計画はどのようなものか…などを見極め、財務諸表などの定量分析をとおして投資するかのお墨付きを与えるのです。
確かに企業スクリーニングを掛けるときに一定の定量分析はします。
しかしそれはあくまでも投資先企業のリストアップに使うだけにとどめているわけです。
本格的に企業分析を進めていき、目の前の銘柄に投資するか否かは、定量分析の結果次第ということになります。
つまりその銘柄に対する投資の最終GOサインこそが、定量分析の結果ということです。
企業分析では定量分析と定性分析のそれぞれの役割決めが大事であり、それらを総合的に偏りなく扱わなくてはいけないことに触れておきます。
定性分析無き定量分析の情報は片手落ちである
投資の分析面において、数字を扱うとあたかもしっかりと分析した気になりがちです。
ただ投資で一番大事なことは、“今後どうなるか”です。
定性分析無くして定量分析の情報だけが独り歩きしている場合、それはあてにならない情報であることを覚えておいてください。
また最後に大事なことをお伝えいたします。
投資で運用益を出そうとすることは、現在の常識を持ちつつも、次の常識を探し出すことに他なりません。
それであれば過去の数字ばかりをこね繰り返す定量分析以上に、"未来はどうなるか”の仮説立てがより重要になります。
あなたは定量分析を効果的に行う意味でも、その前提となる定性分析はできていますでしょうか。
これは盲点であるからこそ、最後に強調して本稿を締めくくりたいと思います。
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