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「ハイブリッドFP研究会」の趣旨④(なぜ、ハイブリッドFPが必要なのか?前編)

こんにちは。FPオフィス「あしたば」の安藤です。

今回をハイブリッドFP研究会の趣旨シリーズ最終回にしたいと思います。

テーマはズバリ、なぜうハイブリッドFPが必要なのか?です。

多くの生活者に寄り添い続けるサポートができる、唯一のスタイルだから

これまでの記事で解説したように、FPを名乗る事業者には「セールス型FP」と「フィーオンリー型FP」がいます。

両者の問題点の詳細はシリーズの②③に記しましたが、どう問題なのかを一言でいえば、「多くの生活者に寄り添うサポートができないスタイル」ということです。

ハイブリッドFPはこの逆で、「多くの生活者に寄り添い続けるサポート」が可能なスタイルです。

生活者が求めていること(ニーズ)

では、多くの生活者はどのようなサポートを求めているのでしょうか?

  1. 安心して相談でき、相談者の将来への希望や不安を深く理解し、その想い・気持ちに寄り添った提案をしてもらえる(顕在・潜在ともに)

  2. 安心してセミナーや研修を受講でき、お金についてリテラシー・経験値に応じて必要な知識・情報を分かりやすく教えてもらえる

  3. 具体的な金融商品を検討する際に、FP・売り手側の手数料収入を優先せず、相談者側のニーズに沿ったものを提案してもらえる

  4. 具体的な金融商品の申込・買付をする際に、手続きが完結するまで実務的なサポートをキッチリしてもらえる

  5. 「何回か相談した」「商品を購入した」で疎遠になるのではなく、信頼のおける人にその後の継続的なフォローをしてもらえる

これらのニーズに全て答えることができれば、それが「寄り添い続ける」存在と言えます。

多くのセールス型FPはニーズ①②③に応えていない

セールス型FPは、まず①に応えることができません。

商品販売を前提としている時点で「いつ売り込みにこられるか」と相談者は警戒しながらしか話せないので、「安心して」相談できないものです。

また、彼らは商品のプロではありますが、コンサルタント・カウンセラー的なスキルは低く丁寧なヒアリングを実施しない傾向があり、結果として相談者の「将来への希望や不安を深く理解できない(しようとしない)」「その想いにも寄り添っていない」ケースが多々あるように感じます。
(私たちのところに相談に来られる生活者から聞く限り、大半ののセールス型FPが当てはまります)

ニーズ②についても①と同様に、「結局は商品を売られる」という警戒感から安心して受講することができないため、応えることは難しいでしょう。

そもそも、セールス型FPは一定レベルの講師スキルを持つ人もいますが、あくまで得意なのは「商品販売に繋げるためのプレゼン」ですから、「お金の教育のプロ」と言える人はほとんどいないのが現状です。(これも僕が知りうる限りですが)

ニーズ③については、本当に悲しいかな、応えていないセールス型FPが多いですね( ;  ; )

これまでの記事にも書きましたが、「収入源が保険販売の手数料だけ」「売れば売るほど業界内で賞賛される文化」などの要因で、多くのセールス型FPは自らの手数料収入が多くなるように提案・販売する傾向にあります。

誤解ないように今回もお断りしておきますが、決して全員がそうではなく、真っ当に顧客本位なコンサルティング&セールスをされる人もいます。

しかし残念ながら、それは多数派ではないのです。

以上のニーズ①②③に加え、⑤も応えず、「売ったら売りっぱなし」の人もいます。

かつ、金融機関に勤めるセールス型FPの場合は、少なくとも2〜3年に一度は転勤・担当変更がありますから、仕組み上、寄り添い続けるサポートは不可能です。

うーん、セールス型FPは本当に顧客に寄り添い続けるマインドもないし体制も整っていない!
これが紛れもないFP業界(金融業界)の現状であると考えています。

ほとんどのファーオンリーFPはニーズ④⑤に応えていない

さて、ようやく次に行けます。(セールス型、問題多すぎ汗)

フィーオンリー型FPは、ニーズ①②③には応えられるでしょう。

人によって得手不得手はあって当然ですが、

「丁寧なヒアリングをもとに相談者の考え・気持ちに寄り添ったアドバイス」
「受講者のレベルに応じた分かりやすい金融教育」

これができなければ相談も講師依頼も継続的に来るわけがなく、フィーオンリー型FPでは食べていけません。

(ニーズ③はそもそも商品を販売しないので非該当)

ではニーズ④⑤はどうかというと、ほとんどのフィーオンリー型FPが応えていない現状です。

これまでの記事に書いた通り、商品を販売しないため手続きなどの実務スキルが低いのは当たり前で、一部の豊富な実務経験を積んだ直後の人や本当に貪欲に実務家から情報収集をしている稀有な人を除いて、

具体的な金融商品の手続きの完結までサポートしてくれる人は、ほぼほぼ存在しないと言って良いでしょう。

なので、フィーオンリー型FPに相談した人は、NISAや iDeCoを始める時などに「あとは自分でやってね」となってしまい、「どうすればいいの?」途方に暮れてしまうケースも多いのです。

ニーズ⑤については一概には言えませんが、多くのフィーオンリー型FPは「寄り添い続ける」ところまでサポートしていない、と個人的には感じます。

1回ないし数回相談に乗って、商品と同様「あとは自分で改善策を実行してね」となりがちです。

フィーオンリー型FPは1回の相談に対して●万円といった報酬体系の人がほとんどなので、相談をどんどんこなしていかないと収益を確保できません。

なので1人の相談者への対応はキリの良いところで終わり、継続的にフォローするケースは稀です。

顧客側からまた相談に来てもらえれば当然対応しますが、あくまで受身型で、いわゆる「プッシュ型」のフォローはしない傾向にあります。

生活者からすると「信頼できる人に何らかの形で継続的に繋がっていたい」と思うもので、ここは応えられていないケースが多いと言えるでしょう。

ただ、一部のフィーオンリー型FPは「顧問契約」的なサービスで継続フォローを実施しています。

このタイプのフィーオンリー型FPは、顧客に寄り添い続ける意思のあるFPだと思います。

さてここからハイブリッドFPが必要な理由を!というつもりでしたが、結局長くなってしまったので次回に続きます。

最後までまたお読みいただき、ありがとうございました。

安藤 宏和