Z世代の見られ方

Z世代なるものへのバッシング

Z世代という名称はいつから使われるようになったか、そこには相入れない奇妙な集団という侮蔑的なニュアンスが含まれることが多い。Z世代はプライベート優先で仕事のクオリティが低いとか、こういう非常識な輩が増えると世の中無秩序になるからけしからんとか。
一体この言葉が具体的に何歳くらいまでを指すのか、それはそれで気になるが、まあ若者総称で使われているのだろう。会社とかで言えば、私のような30に迫ろうとする20代後半もギリギリZ世代か。より若い会社なら、私くらいの歳の人間が、新人をZ世代と呼ぶのか。
何れにせよ世代間での価値観の違いをラベリングして、相入れない「彼ら」を定義する試みに違いないだろう。
まあ、この手の話題になった時の保守的で、ホモソーシャルな空気というのは、とてつもなく醜悪なものとなる。思い出すだけでも気分が悪いが、「最近の若者は・・・」という常套句が本当に常套句になる世界があるのだ。

彼らがZ世代になる理由

彼らというより我々という方がしっくりくるのだが、Z世代になるのには、必ず前世代的なものへの呆れや嫌悪感があると考えている。
Z世代的ムーブメントの典型とも言える、ダンピン族や静かな退職には、前時代的カルチャーに与さないという強いメッセージがあるし、Z世代一般も根っこは同じで、裏返しの「中年」世代への失望がある。
「彼ら」はつまらない保守的な常識に固執し、享受されるべき自由を押し込める。どっぷり資本主義的な価値観での成功が大衆に煌びやかに映っていた時代を生きてきた彼らは、今の時代の環境や文化に敵対的で、ともすれば過去の栄華を取り戻そうと抑圧的な前時代へと逆行しようとする。
つまり、お互い見方は一緒なのだ。理解し得ないところをお互いに非難しあっている。
時折、Z世代が昭和の働き方を称揚し、管理職世代の内に入り込み、「彼ら」となったZ世代を叩くというう現象もあり、もちろんどのカルチャーを表彰するかでその境は越えることができ、これも前時代的な名誉男性のような戦略的な権威の受容も度々見られる。
Z世代は社内管理職という権威からの逃避であり、またそこに対する抵抗である。もはや現代には、王様もいなければ貴族もいない(はず)、かつて彼らに起こっていた抵抗、反乱の歴史を考えると、Z世代も同じようなもので、歴史に繰り返されるう現象が現代的に表象されたものかもしれない。
私はZ世代的価値観が好きだし、そのカルチャーが押し込めないほどに膨らむことを願っている。

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