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A子の結婚【ナカタ先生の襲来ふたたび】

ナカタ先生のキャラが強すぎてA子の陰がすっかり薄くなっていたけど、

時を戻そう。。。

披露宴の入場の衣装は色打掛にチェンジしていたA子。
神前式のときは角隠しがあったせいか、そこまで気にならなかったが、入場の際、私たちが着席している真横を歩くA子を見て、
「おや?なんかちょっと、白すぎないか?」と、若干の違和感を感じつつも写真を撮りながらだったので、あまり本人を凝視していなかったのだけど、まぁ、着物を着る時は着物に負けないメイクをするのが基本ではあるしな・・と、無理やり自分を納得させるようにしていた

そこにはなんだか開けてはいけないパンドラの箱があるような気がして、あえて見て見ぬふりをしたといえなくもないけども・・・

最強の刺客ナカタ先生の登場により、すっかりナカタ色に染まってしまっていた私。。

そんなナカタ推しの私も、A子が洋装に着替えて再入場してきたときについに目を逸らすことができなくなってしまった・・

あの日、皆の意見をおもいっきり覆して選んだ
真っ赤なドレスを着て入場してきたA子。。。

顔が・・・・・・・・白い!!!
とにかく白い!!!
ライトアップされているが故に、いつもより余計に玉を回したくなるほど顔が白い!!!

ファンデーションの色が肌の色と違いすぎて、
顔面と、首から下の色がグラデーション化。。。

口紅の色がまた浮き上がるくらいキツメの赤。
私の記憶の中に残るのは真っ白な顔に真っ赤な口紅だったので、さすがにそれは、私の勘違いだったかも、と、当時の写真を見返してみたが
・・・やはり白かった
写真だと余計に首から上と、首から下のカラーの違いが浮き上がっていた・・・

これは間違いなく、ヤツの仕業だと思った

私とB子にブスメイクを施した、例のアノヒトがヤったに違いないことは、目に見えて明らかだった・・・

でも、このとき私はそこに留まっているヒマはなかった!
新婦が再入場したあとには私たち親族の余興の時間が近づいており、親族一同が会場外にスタンバイしなければならなかったのだ

私の父が予め会場に用意をしてもらっていたカラオケセットで「まつり」を歌い始めるのを合図に、
DIYした纒やうちわなどを持ち、チンドン屋のように練り歩きながら、高砂の新郎新婦のもとへ。
そこで、新郎新婦へサプライズのプレゼントを渡して終了。
正直、内輪受け感が否めなかったが、恥を忍んでよく頑張った!

だがしかし!!

時代はもはやナカタ先生だった。。。

ナカタ先生が、「まつり」を気持ちよく歌いあげた父を見て、いてもたってもいられなくなったらしく、歌いたいと立ち上がりナカタ先生が歌を歌うことになった
ナカタオンステージがはじまったのである・・・!

ナカタ先生が歌った歌はよく覚えていないが
会場内の空気感はすっかり老人会の慰安旅行のような雰囲気に・・
さらに、ナカタ先生はムーブメントを起こしてしまった

うちの父に続き(これは事前申請していた余興)
ナカタ先生の歌のオンステージだったのだが(完全な飛び入り)

ついに、
我らがナカタ先生は、新郎側出席者をも突き動かしてしまったのである!!

新郎がこの日招待していた会社役員(女性)が、
自分も歌いたいと名乗り出たのである!!

その曲のチョイスに驚いたからか、この曲は忘れられない

テレサ・テン「時の流れに身をまかせ」

平成でいうところの「Can you celebrate?」のようなものだったのだろうか、いまだになぜ結婚披露宴でこの歌だったのか謎。

会社役員オンステージ、まさかの2曲目にいくか!?という雰囲気に終止符を打ったのは
やはり、進行係の司会者。

実のところ私はブライダル業界の裏をそこそこ知っていた
10代後半から20代前半にかけて、ホテルの結婚式や宴会専門のコンパニオンを経て、ホテルスタッフとして働き、食事を運ぶサービススタッフから、新郎新婦の誘導をするなど、がっつりと運営側として仕事をしてきていたのである

なので、ここまで自由度の高い披露宴が司会者にとってどれほどの負担になるかもわかっていたし、担当者もさぞやハラハラしただろうと想像していた

でも、そのホテルは私の想像のナナメ上をいっていた
通常ひとつの結婚式にウェディングプランナーひとりがつくのだが、この日、A子夫婦の担当者が、まさかの掛け持ちをしていたのである!

そもそも、ここのホテルは同じ日にいくつかの結婚式、結婚披露宴をするのは周知の事実。
なのでそこについてはダブルブッキングでも、トリプルブッキングでも、A子夫妻も了承していたのだろう

でもまさか、ひとりの担当者が同日の同時間帯にふたつを掛け持ちするとは思っていなかったとのこと(後日談)

でもこんなにイレギュラーなことが起きる一族の披露宴、良い意味でお互い様のオトシドコロができていたのではないかと、私は思っていた・・・