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それでも、ファッションの魔法にかかりたい。

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2017年、「誰がアパレルを殺すのか」というタイトルの書籍が話題になったように現在のアパレル業界は 「沈む船」と表現されるような現状。91年には15兆円あった市場規模は17年には…
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#ファッション

君は君の好きな服を選ぶべきだし、その時にこそ"ファッション"が楽しめる。

お洒落は難しいと思われがち。「お洒落になる方法」や「コーデの組み方」などと行った方法論は山のように溢れている。それも誰かの救いになっているなら否定はしない、ただ僕は参考にすることはない。「お前は服のプロだろ!」と言われたらそうだけど昔からそうだよ。そして服を提供する側である僕からしてみれば「そんなもの気にせず好きな服を着っチャイナ!」である。(これは個人の意見です) もちろん「自分が自分で似合わないと思ってしまう」と感じてしまうこともあるだろう。それは確かにどうしようもない

【お知らせ】 初の著書『すこやかな服』 9/1よりweb予約はじまりました 【冒頭公開】

私、マールコウサカが本を書きました(まじ大変だったけど出来上がり超感動しました) タイトルは『すこやかな服』です。 そして早速9/1からweb予約が始まりました。 foufouのこれまで、そしてこれからのこと、僕がファッションメーカーをやる上でずっと大切にしていてこれからも変わらない姿勢の話を書きました。 こちら全国の書店さんでの販売もございます。9/29頃から店頭で販売開始です(お取り扱いについては直接お店へお問い合わせください) 『すこやかな服』についてこの本はビ

【お知らせ】生産管理を経て未来のブランドマネージャーへ。【ステイトオブマインド求人】

現在、株式会社ステイト・オブ・マインドでは、teshioniの生産管理を担当し、将来的にはブランドマネージャーという立場でteshioniブランドの成長を職人、デザイナーと共に担っていただける方を正社員で募集しております。 募集内容はこちらをご覧ください。 アパレルの商慣習にとらわれない teshioniの『生産管理』募集!! 求人職種:生産管理 業務内容詳細: 生産管理(当社規定職位2等級「コントローラー」)業務。生産スケジュールの設定と調整実務、資材のリストアップと発

ファストファッションは本当に「悪者」だったのか

かつて一世を風靡したファストファッションブランドが大量閉店をしたことで「ファストファッション時代は終わり」「消費者は質を求めている」というニュースを見かけるが、日本でのGU(ユニクロ)や韓国セレクト系D2Cの伸びや勢いを見るとそうとは思えない。 国内でユニクロはGUも含め8000億以上も売っている。ユニクロのお店を見れば、品質は悪くなく「ベター」。接客も陳列の丁寧さも「ベター」。それに加えて確実にコスパがよく在庫をしっかり積んで「行けばある安心感」があるのだからまさに「最高

「服で"ファッション"しなくてもいい」時代に、「服で"ファッション"したい」と思わせるブランドでありたい

もう「 服 = ファッション 」ではないと思う。まるでSNSはストリート。自分の個性をかつてのストリートファッションのようにインターネット上で表現できる。きっとみんな心当たりがあると思う。絵が描ける人、歌が唄える人、喋りが上手い人、動画の編集ができる人、これまではある程度、誰かに見てもらうためには時間がかかった自分の特技を簡単に自分の知らない、でも自分と近しい価値観を持つ人に知ってもらうことができる。(良くも悪くもではある) SNSだけじゃない。ソーシャルゲームに課金をすれ

「ファッション業界は華やかに見えるけど、現実は厳しい」って言いたがる。

大学生の時の就職活動で行った某大手アパレルメーカーの説明会の会場は都心の派手なホールだった。 「私服でお越しください」と書かれた案内状に当日まで戸惑いながら、少し頑張ってジャケットを羽織って普段はそんなことしないのに、髪型をセットして向かった。 受付では綺麗なお姉さんたちが綺麗な洋服を纏い出迎えてくれ、髭を生やしたダンディなお兄さんたちが席まで案内してくれた。 その時点でもう「ここには入れなそうだな」と思ってしまった。 説明会が始まると、「社員紹介」的なおしゃれなムービ

これは魔法なんかじゃない

先日、foufouの服の縫製をしていただいているアイバソーイングさんに見学に行った。 (その様子をIGTVにあげているので、ぜひ5回みてみてください!) 大阪の下町にあるアイバソーイングさんは、ご家族4人で縫製工場をやっている。昔はパートの方々がたくさんいて賑やかだったという現場は少し寂しげだった。 恥ずかしながら、細かい工場での行程など全く無知だったので非常に勉強になったしなにより「ちゃんとやらなきゃ」と感じた。 つくり手と向き合うということ繊細なことだ。僕にはまだま

ギャルソンにもオーラリーにもユニクロにもなれない

僕はfoufouというブランドをやっている。 大学卒業後に文化服装学院の夜間部に入りなおして、その在学中にはじめた。元々、ブランドをやりたくて学校に入ったわけではなく「アパレルの内勤になりたかった」という大卒就活の道に迷い入りなおした。 ユニクロになれない 大卒で総合職に就いて販売から始めるよりは夜間の学校に通いながら生産の流れがわかるバイトをしたほうが現場力がつくと考えたわけだ。一見、しっかりしているように聞こえるが、当時の僕は就活がしんどく未来も真っ暗でやりたいことが

デザイナーかぶれのコウサカよ!今じゃミシンも触らず、なにが"デザイン"じゃ!初心を忘れず、ハンドメイドでワンピース1着作ってみろー!

LINE@の登録者が1万人を超えました。(拍手) 本当に、いつもありがとうございます。 僕は、昔からよく「マスを掴まなくても1万人に物が売れるようになりたいよね」と口ぐせのように言ってるんですが現実になりました。感慨深い。もちろんInstagramやnoteやTwitterもフォローいただけると嬉しいけど、LINE@はわざわざ「買いたい」と思った方が登録してくれることのほうが多いはずなので嬉しい。 もちろんこれからも「世界一小さくて、世界一大きい」ファッションブランドを目指

健康的な消費のため "の"

「閉ざされていくインターネット」 先日インターネット界隈(Twitter)で有名なインフルエンサーの方がいわゆる炎上をしていた。Twitterを開けばその話題がでてくるのでまるで世の中のみんなが知っている出来事のようだがInstagramでは誰もそんな話はしていなかった。 少し前だが、Youtubeで大御所のYoutuberの方がグループ内(というか社内?)でモメて大炎上していた。Youtubeでは毎日それについての動画があがっていたがyoutubeを見てない友人からしたら

ここがヘンだよ!D2C!

去年はfoufouとして一番露出が多い年だった。WWD JAPAN、繊研新聞、日本経済新聞、日本テレビ シューイチともはやアパレルの枠を超えて取り上げていただくことがあった。もちろんそれはfoufouが注目されているわけではなく、世間的に「D2C」というものが注目されているということ。 僕がハンドメイド(そういえばハンドメイドもD2Cじゃね?)でfoufouを始めた2015年は欧米ではいわゆる「D2C」という言葉が使われていたが日本ではあまり見かけなかった。しかし2019年現

明るい機会損失

foufouはいわゆる「機会損失」ばかりしている。 そもそも新作は月に平均3型しかでない。 基本的には注文したらすぐに届いてほしいので在庫販売(送料無料)、約100着作って、販売日に売るとその時点で8割は売れる。THE DRESSシリーズ(黒いワンピース)など人気になりそうなものは事前に「予約注文」の枠も設けている。合計で200近くになるときもある。 それでも多くは1週間前後でなくなってしまう。 そして次の新作や再販売があるまではオンラインのお店になにもない。まともなMDさ

ユニクロってもう消費者にとって最適解!!ぼ、ぼくはファッションデザイナー…

あぁユニクロ最高。真っ向勝負では当然勝てない(当たり前だ) そんなことを僕は消費者として店頭に行くたびに感じてしまいます。 (一応私は個人でファッションブランドをやっているのにだ!) シンプルなデザイン、価格に見合ったほどよい品質(それもどんどんよくなってる)、無駄な接客トークもなく、行けばなにかあるという、お店としての設計がちゃんとしている。柳井さんの哲学がしっかりと反映されたブランド。マジハンパないって。週末によくやってる「感謝祭」でめっちゃレジ並んでるもん、服屋で今の

"優しい消費"を考える

安いものも、高いものも、 誰かから譲り受けたものも、 そのモノへの捉え方、扱われ方で、 "いいもの"にも、"よくないもの"にも変わる。 例えそれが大量生産された安価な、 最高品質と言えないものでも、 "ちゃんと"使いたい人が使えば "ちゃんと"使い果たされていく。 "量より質"という言葉だけが独り歩きして、 「質の良いもの=価格が高い」ように思われているけれど、 一概にそうではなく、よいわるいは "使われ方"が大きく関わっているはずだ。 しかし、ちゃんと使ってもらうには