見出し画像

サーキットブレーカー(ロックダウン的なやつ)直後に引越した思い出を語ってみる

自宅勤務・パジャマ勤務可。

わけのわからないウィルスをシンガポールが公に気にかけ始めたのは2月のこと。以来、私の会社は基本在宅勤務になった。物流部門は止められないので出勤だけど、私のようにPCとインターネットさえあれば働けるような仕事は、なるべく自宅で仕事するようにお達しが出た。

その頃、私はまだシンガポールのアイコニックなHDBと呼ばれる団地で3人とハウスシェアしていた。6畳にも満たないような小さな部屋で仕事なんてできない…リビングに移動して仕事するようになった。そのうち家のオーナーが自宅勤務になった。リビングルームは彼のもの。私は小さな部屋で役に立たないイヤホンしながら…、オーナーはでかい声でZoomミーティング…あぁ…もう飛び降りるかもしれない…私…

実はコロナが騒がれ始めた頃に、アパート探しを始めた。もともと海外でいろんな人と家をシェアして住んできた経験もあり、ハウスシェアというスタイルが大好きだった。友達もできるし、何気ない会話とか、みんなで食卓を囲む、ゲームをする…とか。けどさすがにアラフォーともなると、バスルームやキッチンを共同で使うことにちょっと辛さを覚えはじめ、さらに、めちゃくちゃ狭い部屋にいる自分もすごく切なくなった。

しかし…シンガポールの不動産事情となると…一人暮らし用の家は圧倒的に少ないし、家賃も軽く倍になる。シェアしていた部屋は、シンガポールの中心地ではあったけど、家賃10万ごえ。一人暮らし用の部屋は、中心地に住む場合、最低でも$2,000SGD(16万円くらい)以上。現地採用の私には家賃補助などもないから、マジで悩んだ。(住居にお金かけるより、貯金したかったから…w)

東京だってそんなしないよ…

代々木上原だって月10万で住めたよ…

とはいえ、自由を得るには、どうしたって1人で暮らすしかないのだ。こまかなストレスに我慢するか、それとも倍の家賃を払って快適さと自由を取るか…

悩んだ挙句、一人暮らしをすることに決めた

で、2月に素敵なアパート(現在の住処)を見つけたのだけど、契約上、引越は4月まで待たなければならなかった。

そこで突如、始まってしまったサーキットブレーカー

仕事は在宅勤務、スーパーマーケット以外の店は全てクローズ、食糧の買い出しのみ外出はOK、娯楽施設・バーは基本クローズ、飲食店・ホーカーセンターはテイクアウトのみ営業化。シンガポール版ロックダウン、サーキットブレーカー。

サーキットブレーカーは4月7日からはじまる。引越し日は10日…。まず引越し出来るのか?というのが心配だった。大家や当時のテナントと交渉したけど、結果的に10日をずらすことはできず、まぁ、荷物もスーツケース +αだからなんとかなるだろ…と諦めた。

サーキットブレーカーが宣言されたのは4月3日・金曜日

サーキットブレーカーは何もかもが閉まる。スーパーマーケットと飲食店のテイクアウト以外は閉まる。すべて。

その週末引越しの荷造りをはじめなきゃなぁ…なんて思ってたけど、よくよく考えたら引越し先には何もないことに気がついた

いままでシェアの部屋に住んでいたから、家具も食器もすべて用意がされてて、スーツケースひとつで引越し完了。その日の夜から料理だって出来た。

ただ今回は、一人暮らしなので、一応冷蔵庫・洗濯機・ベッドはあるけど、あと何もない…ってことに5日・日曜日の夜9時ごろに気が付いた…遅い…

げ!やばい!時間がない!と、6日・月曜日に突如最低限必要なものの買い出し!そしたら2月からの制限で、店にモノがない!シーツを買いに行ったお店は中国から商品が入ってこない、だからサイズがないといわれ、常にずらっとすばらしい品揃えを誇ったあのダイソーでさえ、空っぽの棚が広がるばかり…

でもシンガポールの店は、すべて、明日閉まる!!!

最終的にIKEAに飛び込んで、なんとか最低限の食器や寝具を揃えた(最初からそうすりゃ良かった…と思い知った。IKEAすばらしい。)

まぁ…あとでそういえばオンラインショッピングという手があったな…と気がついたんだけど…(ただ、当時はオンラインショッピングしたところで、いつ手元に注文したものが届くかは皆無。オンラインスーパーマーケットなどはみんなエリアごとに注文が規制されていた)

画像2

テナントが去ったばかりの部屋は、サーキットブレーカーのせいで業者の清掃も入らず…最初はとにかく掃除ばかりしていたこの部屋も、あっという間に引っ越してから半年以上経ってしまった。

最近やっと、家具や植木を買った…

サーキットブレーカーが開けたシンガポールは現在フェーズ2という段階にあって、いろいろな制限はあるけれど、行動はできる。マスクさえつけてれば。

オフィスにも出社は可能になった。だけど、ピーク時に出社はNG、毎日出社はNG、なるべくオフィスに来るな…というのが会社の方針。最近はボスにお願いして週2・3日くらい出社してるけど。じゃないと人と喋らない日が続くんだよね…

家賃は倍になったけど、思い切って、結果的に一人暮らしを選んでよかった。たまに寂しくなることもあるけど、ストレスからは解放。

自宅勤務の時は、パジャマでも、パンイチでも仕事できる!YO!

快適万歳…


さて、本日のランチ。

画像1

シンガポールで間違いなく、イチバン美味しい!アップルパイ!!

昨日行ったチョンバルにあるローカルのお菓子屋さん。ローカルスイーツももちろん美味しいのだけど、このお店のアップルパイは食べると幸せになる…ほんとに。口に入れた瞬間、りんごの酸味でニッコリ…というかニヤッとしてしまう。コレコレ!って。

チョンバルで仕事をしていた頃、ランチはチョンバルマーケットに行くのだけど、夜遅くまで働く場合開いてるお店はオサレなバーとレストランだけになってしまう。カフェすらも閉まるので、今日は遅くなりそうだなぁ…という日の夕方には、ここのスポンジケーキやシュークリームを買って食べる。

これも今では良い思い出。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?