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セレクトした写真が評価につながる

こんにちは。写真の先生をしてます大野朋美です。

日頃ブログやSNSに投稿する写真を気軽に選んでアップしていませんか? でも写真選びは、あなたのセンスが問われる大事なプロセスです。今回は、セレクトは撮影と同じくらいよく考えて、慎重に行った方がいいという話をします。さらに、この写真を選ばなきゃよかったと後悔しないための、セレクトのコツについても話します。

公開する写真を気軽に選んでませんか?

コンテストに出すとか、写真展に出品するなど、作品として発表する場合なら誰でも、どの写真がいいのかと慎重に選ぶものです。でも日頃SNSやブログに載せる写真であっても、写真選びは同じくらい慎重に、撮影と同じくらい気を遣った方がいいのです。

写真(作品)づくりには、3つのプロセスがあります。それは、「撮影」、「セレクト」、「現像」、です。

この3つは、どれがいちばん大事かではなく、それぞれ同じくらい大事なプロセスなんです。ひとつひとつに、真剣に向き合っていくことが求められるんですね。

そうはいっても、セレクトは他の2つに比べてそれほど重要なことかなと、疑問に思われるかもしれません。でも私は写真を選ぶときも、かなり神経を尖らせています。

写真を撮った時点では、まだ他人から評価されていません。イマイチな写真は、人に見せなきゃいいわけですから。でも写真を選ぶことはどうでしょう。この写真が良いと選んで公開したことに言い訳はできません。当然ですが私たちプロはそうです。

写真を公開するというのは、世界に向けて自分のセンスを表明することになります。だから撮ることよりも選んだことの方でセンスは評価される、といっても過言ではないでしょう。

写真を見た人は、「あなたはこの写真が良いと思っているのですね」、「そういうセンスの人なのですね」と、そう評価するでしょう。だからこそセレクトは大事な段階で、慎重になった方がいいのです。

センスが問われるセレクトのコツ

ではここから写真をセレクトする段階で知っておいた方がいいことをお伝えします。

写真セレクトで知っておいた方がいいポイントは、少なくとも撮影した日や、そこから数日以内にセレクトした写真を最終決定にしないことです。とくに初心者はその方が得策です。なぜなら撮影した日や、まだその時の記憶が鮮明な頃に、自分の写真を客観的に見るのが難しいからです。

写したときにすごく楽しい気持ちだったとか、苦労してようやく写すことのできた1枚だったりすると、そういう主観が入ってきやすいのです。色眼鏡で見てしまいがちだってことです。たとえば昔から言われていることで、夜に書いた手紙を翌朝ふたたび読み返してみると赤面してしまうなんて話がありますが、それと似たようなことです。冷静になるまで待った方がいいのです。

冷静になるまで待った方がいい理由はまだあって、ちょっとしたミスを見落としがちにもなるからです。きれいに咲いている花を、構図も露出もバッチリに写して、私って才能あるかも!なんて思っていても、よく見ると花の背後に枯れてボロボロになった花が写っていた、なんてことに気付かなかったりしがちです。雰囲気を壊すような「立ち入り禁止」の看板が写っていたなんてこととか。写した当日だと、きれいな花にばかり目が向いてしまって、こういうことを見落としがちになるんです。

いったん気付いてみれば、なんで今まで気付かなかったんだろう? って不思議に思ったり、自分に呆れたりするんですけどね。すごく良い写真が撮れて、早く誰かに見せたいと思ったときほど、逆に慎重になった方がいいでしょう。

また、評価が甘くなりがちってこともあります。枯れた花や看板が入っていることに気づいたとしても、せっかく主役の花が上手く撮れたのだから、ちょっとくらいはいいだろうと思ってしまうのです。

そういうわけで、写真を選ぶなら可能な限り撮影してから少し日を置いて、冷静になってからの方がいいのです。もしどうしても、撮影したその日に公開したいなら、写真をちゃんと指摘してくれる人に見せるなどした方が賢明でしょう。

センスが磨かれるセレクト術

とはいえ写した写真をすぐに公開する予定のない場合も、とりあえずセレクトしておくことをお勧めします。冷静になるまで待ちましょうと言ったばかりで、反対のことを言っているようですが、これには別の意味があるんです。人に見せるためではなく自分の写真を見る眼を磨くため、センスを磨くためなのです。

セレクトの方法ですが、写真編集ソフトや閲覧ソフトには、たいてい星マークや番号を付けることができますので、そこにチェックを入れておく、ただそれだけです。そして1週間後とか、1ヶ月後、1年後に再び見返してみるのです。おそらく、全て同じ写真にチェックを入れることにはならないでしょう。人のセンスって、変わらないようでいて変わるものです。

そのとき、「なぜこの写真にチェックを入れたのか」、「いま良いと思ったこの写真を、そのときはなぜ評価しなかったのか」など、よく自分を見つめながら考えてみるのです。すっかり忘れていた頃に見返してみると、いろいろな発見があります。

自分と向き合い、自分の変化を知ることにも繋がりますので、やってみることをお勧めします。

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