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悩みに答えを出すノート術⑤~自由のためのノート術

心の内を書き切ったときに、もうひとりの私の声が聞こえてくる。その私から逃げず、さらに向き合っていった先に、悩みやわだかまりの本当の正体が見えてくる。それが分かれば、縛られていた感情や考えから解放されるのです。前回はそんな話をしました。

明日の私は今日の私と違うから

一口に悩みや怒りといっても、いろいろあります。駅で並んでいたら、いきなり割り込まれてきてイラっとした、なんてことから、恋人と喧嘩をしたこと、家族との長年に及ぶわだかまりまで。
長いあいだずっと悩み続けていたことなら、ノートに書き綴ったとしても、答えが出ないなんてことも、たしかに起こり得ます。

だからこそ、ときには1日かけて、ノートに向かわなければならないこともあるでしょう。1日掛けてもがいてみても、答えにたどり着けないことだってあります。そういう時も落ち込まないでください。そして気を取り直して、翌日もまたノートに向かってみるといいのです。
すると、昨日どんなに考えても出なかった悩みの答えが、次の日あっさり出てくるなんてことが起こります。それは決して珍しいことではありません。なぜなら、一晩寝て起きたら、脳のエネルギーも充填されているから…ではなくて、そうではなく、今日の私と明日の私が同じじゃないからです。

いえ、もちろん全くの別人格だと言っているのではありません。

昨日できなかったことや、考えても答えの出なかったことに、翌日あっさり答えが出たなんて経験があると思います。ノートを書いていると、そのことが実感としてよく分かるようになるでしょう。
昨日書いたことと同じことについて翌日も書いてみると、決して同じ文章にはならないし、思考の行き着く先も、多かれ少なかれ、変わってくるのです。だから、どうしても納得のいく答えに辿り着かなかったからといって諦めず、翌日もノートに向き合ってみてください。

ひとつポイントがあります。それは、昨日はここまで書いたのだからと、その続きを書こうとしたり、別のことを書こうとしないこと。昨日ノートに書いたことはいったん忘れ、いちから書いてください。

今日の私と明日の私は違っている、と言ったのは、明日の私は今日の続きではないということです。今日の延長線上に明日の私がいるのではありません。これはもちろん内面の話であって、なにもオカルト的な話をしているのではないのです。

このことは、たとえば写真を撮るのが好きで毎日スナップを撮り歩いている人なら分かってもらえるででしょう。どういうことか説明します。
スナップ写真が好きな人は、日常的にカメラを持ち歩いてることが多いんです。どこか遠くではなく、近所へ出かけるときでさえ、鞄にカメラを忍ばせています。何か特別なハプニングを期待してというのではありません。それはそれで歓迎だとは思いますけど。そうではなくて、見慣れた風景にさえもレンズを向けるものなんですね。なぜだと思いますか?

「季節や天候が違うから。」それもあるでしょう。「納得のいく写真が撮れないので再挑戦している。」そういう場合もあるでしょう。「とにかくシャッターを切るのが楽しいから。」そういう人もいるでしょうね。でももうひとつあります。

それは、同じ風景を眺めていても、それを感じる自分が変わっているからです。同じ道を歩いても、意図せず昨日とは違う写真を撮っているものなんです。
目が向かう先が、昨日と全く同じなんてことにはならないでしょう。これって当たりまえのことに思えるかもしれませんが、よく考えると不思議だと思いませんか?
もし同じものにレンズを向けたとしても、同じ写真は撮らないでしょう。違う写真を撮っていても、撮っている本人は、日々のこういった変化に気づいていないことの方が多いでしょうけどね。

話を戻します。だから、ノートに書いてみて、何らかの結論やアイディアに行きつかなかったとしたら、次の日またノートを開き、ペンを取ってみてください。ノートを通して、新しい私に向き合ってください。

それでもどうしても辿り着けなかったら? さらに次の日、また向き合ってみればいいのです。明日の私と明後日の私もまた違うでしょうから。大丈夫です。真剣に、そして誠実に自分の内面と向き合っていけば、きっと自分にとってのベストな答えが、自分自身によってもたらされるでしょう。

さて、悩みに答えを出すノート術はここまでです。これまで引きずってきた思いから、いいかげん解放されたい! そういう強い気持ちがあれば、必ず何らかの答えが導き出されるときがきます。あきらめないで頑張ってください。

ではまた次回。


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