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5日間インターンシップ

2022年8月、静岡市女性会館へ5日間、社会教育実習に来てくれた大学生の体験記です。女性会館主催講座「Z世代のための生理フェス」の準備・運営に携わってくれました。

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1日目

初日は女性会館で相談員をされている職員さんから指定管理制度、企業とNPOの違いや、施設の説明をしていただきました。


女性会館はジェンダーや人権という分野に視点を置き、男女共同参画を目的とした施設であり、静岡市では唯一の拠点です。


そんな素晴らしいミッション(使命)をもっている施設でインターンをさせていただけてとても光栄です!

ここ女性会館では、音楽室やステージ、フィットネススペースやアトリエ、食工房などさまざまな分野で利用できる部屋が常設されていました。ステージなどは収容人数も多く、小さなコンサートや近隣の学校の発表会などで多く利用されているそうです。


このように自分の興味のあることに熱中できるスペースや設備があることは、生涯学習につながってくると感じました。さらに、発表スペースがあることで目標設定ができたり、活動への意欲が変わってくると感じました。


「学び」にはいろいろな種類がありますが、講座で聞くだけの学習は「学び」にはならないと感じていて、体験や意見交換など多くのツールを使うことで「学び」になると考えています。

ここのアイセル21ではそのようなツールがたくさんあるため、利用者にとってはとても多き学びになると考えました。

次に今回お手伝いさせていただく「Z世代のための生理フェス」について学びました。

コロナ禍で「生理の貧困」という言葉が注目され始めましたが、経済的な要因だけでなく生理によって女性のさまざまな機会が奪われているのではという視点もあります。

今まで私は生理についてしっかりと考えたことがなく、また生理についてはあまり触れてはいけないタブーのようなイメージを持っていました。
しかし今までの人生を振り返ってみると、生理による影響が意外とあったような気がしました。同じように何かモヤモヤを感じているようなZ世代に少しでも学びになるような講座にしたいと感じました。
今回は生理を持つ人と限定していましたが、今後は生理がある人のパートナーも学べるような機会があったらいいなと感じました。


2日目

本日は図書コーナーの概要説明と仕事体験をさせていただきました。

女性会館の職員さんは本当に多くの視点を持っているため、利用者さんの目線になって、時には運営側の目線となって互いによりよい環境になる工夫が図書コーナーあちらこちらにちりばめられていました。
一番感心したのは、本の帯を捨てずに貸出用の本へつけて本の魅力をアピールしていたことです。
職員さん曰く、本の帯は出版社の方が本を売るために作られたものであるため、それを利用しない手はない!ということで、女性会館図書コーナーではその帯を使い本の宣伝を行っていました。
また、以前から本の予約はカウンターとネットの併用で行っていたそうですがネットからの予約は、予約数が少なくネットの活用が出来ていない状況でした。

そこで職員さんが考えたのは、貸出カードの裏と返却期限カードにQRコードを付けることでした。利用者が必ず目にするものにネット予約の方法を乗せることで、ネット予約利用を増加させることに成功しました。
図書コーナー体験を通して、広い視野を持つ大切さ、現状では満足しないという大切さを学びました。


午後は「Z世代のための生理フェス」の講座準備を行いました。
他のインターン生2人と資料準備をしたり、当日の流れや会場視察を行いました。
3人のインターン生と分業をしながら資料を組み立てたり、講座で必要な色紙、名札などの用意を行いましたが、息を合わせてスムーズに終わらせることが出来ました。
後半の打ち合わせでは、高校の先生をされてる研修中の方と一緒に当日の流れを確認し、疑問点があればすぐに解決をしていきました。
少人数の講座ではありますが、勉強のために来て下さるお客様に感謝の気持ちを忘れず、少しでも学びになって帰ってくれたらうれしいです。そのためにも丁寧な案内、作業を心掛けたいです。

3日目

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ついに本日「Z世代のための生理フェス」本番を迎えました!

たくさんのZ世代の学生たち、そしてその保護者が参加してくれました。

スタッフ側としての参加でしたが、一参加者としてとても学びになる講座でした。

ワークショップではファシリテーターを務めましたが、あまり喋りだせずにいる子やつまらなそうにしている子になかなか話を回せずとても悔しい気持ちです。

ただ中には、積極的に意見を言ってくれたり、他の人を気遣う発言の仕方をしたりと学生たちの学びの姿勢にとても感心しました。

2部では生理と政治を一緒に考えるということで、新しい考え方ではありましたが、納得する部分が多くありました。

経済的な理由で衛生的な生活をできない生理の貧困、生理により女性の機会が損失されていることや、社会でも生理がタブー視されていること。

また、「個人的なことは政治的なこと」という講師の方の言葉が印象に残り、次世代を支える若者の心に刻んでほしいと感じました。

3部での生理グッズ紹介では、学生も保護者も一緒になって学んでいる様子が見て取れため、一生懸命準備をした甲斐があったと感じ嬉しくなりました。


4日目

本日は「Z世代のための生理フェス」の参加者に記入していただいた、参加者アンケートの集計を行いました。

アンケートの集計を行うことで、参加者の傾向や講座の改善点が少しずつ見えてきました。

対象者の再検討が必要だったのではないか、また別方向からのアプローチが必要だったのではないか。などなど…

講座の準備も大変でしたが、集計作業から振り返りはとても重要な役割を持っていると感じました。

講座の振り返りをすることで、次の講座企画の際に改善をしながら計画を立てていく、つまりPDACサイクルの大切さを学びました。

午後には実際に講座企画を行ってみました。

企画のステップとして、課題発見、目的・目標設定、ターゲットなどがあります。

私は生理フェスの講座を通して生理がない人にも生理の事を学んでほしいという気持ちが強くなり、講座を企画しようと考えています。

しかし考えているなかでだんだんと頭の中がごちゃごちゃしてしまったり、的がずれてしまったり。。。講座企画の難しさを痛感しています。

自分が大切にしたい思いをしっかりと講座に込められるように、どんどんブラッシュアップしていきたいと思います。


5日目

本日はついに講座企画の発表があります…!

午前中と、午後の前半をその準備時間として使わせていただきました。

私は生理フェスの男性版をイメージして講座を企画しました。

現在パートナーがいる方もいない方も今後必ず女性とかかわりを持って生きていきます。そのため女性の体について正しい知識を得てもらい、女子のつらさを知ってほしいと考えました。

現在義務教育の中で、生理や性に関する授業は2回ほどで終わってしまいます。しかもその時間を休んだとしても何もフォローがありません。

学校では学びきれない部分も多くあるため、その辺りを講座に盛り込めることが出来たらいいなと思います。

私が考えた講座は、「その不機嫌、僕たちでとめられる」と名付けました。

第1部では男性が生理になったらというテーマで書かれたマンガの朗読劇を行います。

それにより、生理のつらさをより身近に捉え自分事として感じてもらいたいと考えました。

第2部では生理の2択クイズを行い、生理用品が女性にとって必需品であることを学んでもらいたいと考えました。ここでは女性のクイズ回答結果を開示し女性と男性の知識・価値観のギャップを感じてもらいたいと考えています。

この後には発表が待っているので、とても緊張しますが、

他のインターン生の発表からもいろいろ学びたいと思います。

今回のインターンで学んだ事は、女性の問題は女性だけの問題ではないということ、そして一番印象に残った言葉は「個人的なことは政治的なこと」という言葉です。

生活する中で、感じる矛盾やモヤモヤが個人で完結させるにはもったいなく、それを多くの人と共有し共感しあい社会的なものへと推し進めていくことが大切だと感じました。

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