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ジェンダー×インターン

インターンシップ初日


今日から女性会館さんでのインターンシップが始まりました。
1日目から、想像していたはるか数倍の男女共同参画を取り巻く問題と向き合うことになり、たくさんの学びがあり、充実した1日になりました。

追いつくことに必死で消化するのに時間がかかりましたが、自分の中で感じたこと、考えたことを綴ろうと思います。


女性と防災

インターンが始まる前、女性会館のホームページで防災と女性についてのイベントが行われているのを目にしました。そのとき、「防災」と「女性」という2つのワードが一緒に並べられていることに疑問をもちました。


「防災とジェンダーの問題が深くかかわっている」
私はテレビで放送されている表面上の問題にばかりとらわれて、その後ろの後ろに潜んでいる大きな問題が見えていませんでした。

テレビで放送されている事柄の背景では必ず苦しんでいる人たちの存在があるということ。そして彼らが、本当に必要としていることは何か。物事の「背景を考えてみる」ことはとても大切だと思いました。本当に考えなければいけない問題は何なのかということを考えられるようになりたいと思いました。


魅惑の図書コーナー

今回のインターンシップが決まり、私は初めてこの施設に足を運びました。職員の方々に施設を案内していただき、女性会館のことを知る中で、この施設に私はどんどん魅了されていきました。

館内の設備としては、複数の集会室はもちろん、趣のある中庭が素敵な和室、設備十分な職工房、アトリエ、大きなホール、フィットネスルームなど、見て回るだけでとてもワクワクしました。

そして、私のお気に入りは何といっても図書スペースです。

女性会館のこの図書スペースは男女共同参画に関係のある図書がずらりと並ぶ専門図書館です。1コーナーに並ぶ本たちが目を引かれるようなタイトルばかりで、本当に本当に魅力的でした。選ばれし本たちが堂々輝いている!そんな印象を受けました。

さらに、図書コーナーでは月ごとに決められているテーマにあった図書が紹介されていたり、おすすめ図書や貸し出し数の多い図書をピックアップして並べたりなど、たくさんの工夫がされています。こんなにも魅力ある施設の存在をもっともっと多くの人に知ってほしいと思いました。

今日一日を通して、本当にたくさんのことを教えていただき、たった1日でも、私が見えていなかった世界が見えたような感じがしました。大学で学ばなかったことは、自分から知ろうとしなければ無関心で終わってしまうのを実感しました。これからはもっと自分から行動して、たくさんのことを経験して、知っていきたいです。

インターンシップ2日目

今日は丹羽麻子さんの丹羽さんが東日本大震災での経験を語る防災講座の動画を見て防災について学びました。

「防災は日常から」
災害時には日常時には見えにくかった諸問題が浮き彫りになるという現状があります。

それは例えば、人目があるから洗濯物(下着)が干せなかったり、シャワーや入浴があまりできなかったり、トイレの数が足りなかったり、ちょっとした困りごとが募って家庭不和が起きたり、かんたんに性暴力被害が起こったり。

このように、避難所がいかにプライバシーのない世界であるかということ、どれだけ大変でみんな我慢して過ごしているのかということを私はわかっていませんでした。

また、災害時に乳幼児用品や生理用品が足りないときに誰にも助けを求められなかったり、男の人が急に寝ている布団へ入ってきても声を上げられず、周りの女性でさえ「みんな寂しいんだから仕方がないよ」といってみて見ぬふりをされたり、そんな現状があるのです。

日本はジェンダー縛りが非常にきつい国です。

男女格差、男女差別が今も根強く残っています。このようなジェンダーの縛りにより不当な扱いをされること、声をあげられないという状況は改善していかなければなりません。

「日頃の生活の差がこういった非常時に生命の差になる」ということを多くの人に知ってほしいと感じました。
「世間が忘れてもまだ戦っている人たちがいる」
テレビでよく目にした仮設住宅のこと。

震災後、仮設住宅に住んでいた人たちは今どうしているのだろうかという疑問を持ったことがあります。丹羽さんが見せてくれた写真には仮設住宅に住んでいる人はほとんどいませんでした。

ほとんどの人が仮設住宅を出ていってしまう一方、独り身の高齢者の方、どこにいくあてもないホームレスの方、家族を失って行き場のない方、このような力のない人たちはそこに残され、行き場を失い孤立してしまうという現状にとても驚きました。

また、被災者が避難所から離れ、散らばっていけば、これまであった人目がなくなり、DVが多発するという負の連鎖が起きています。もとのうちに戻れても災害で受けた心の傷は深く、なかなか元の生活に戻れることはありません。復興して何十年たった今も苦しんでいる人がいるということ、世間が忘れてもまだ戦っている人たちがいるということを忘れてはいけないと感じました。

「ジェンダー格差是正が防災につながる」
今まで経験してきた防災に関する学びを振り返ってみると、地域の防災に参加して、避難経路の確認、炊き出し、放水などを行ったり、学校の体育館で寝泊まりするなどの経験はたくさんしてきましたが、ジェンダーの視点から防災について考えられていませんでした。

今回、丹羽さんのお話を通して、小学校の時から地域や学校で教わってきた災害時にどう対応するのかのノウハウに加えて、どうやってリスクを軽減するのかについて学ぶことができました。私は被災した経験もないし、大きな災害に合った経験もありません。だから、避難所での生活の苦しさをわかっていませんでした。

今日は、防災について新しい視点を学ぶことができました。また、これまでの男性中心の防災活動に、男女共同参画の視点を取り入れ、共助の機能を高めながら災害時にみんなで助け合える環境をつくっていくことが、災害に強い地域づくりを実現するために、必要であるということを教えていただきました。

インターンシップ3日目

今日は「BTCダンスを踊ろう」という企画の宣伝について考えました。主にインスタグラムのハッシュタグの内容の考案を任されました。最初は、力になりたい!と思って一生懸命考え始めたのですが、どれもパッとしなくて、正解がわかりませんでした。考えてみると、そもそも私自身ハッシュタグをつけて投稿することが少なく、ハッシュタグを誰かに見てほしいと思って真剣に考えたことがないことに気づきました。

「私だったらどんなタグに惹かれるだろう」

「どうやって普段検索していたっけ?」

そんなことを考えてみても、正直SNSにあまり熱心ではない私はあまりピンとこないのです。それっぽい言葉をつければいいわけではなく、すごく悩みました。

例えば今回投稿する内容は「BTCダンスを踊ろう」という企画です。

BTCダンスというのは、「Break The Chain」という世界各地で踊られている女性への暴力防止啓発運動です。

毎年女性会館では11月に開催するパープルリボンダンスフェスで踊られています。このようなジェンダーやフェミニズムに関するキーワードと、ダンスに関するキーワードを入れることが重要になってきます。みんなに興味をもってもらいたいということを考えると、ストレートな言葉よりも、親近感のわくような言葉を選ぶ必要があり、これが本当に難しかったです。誰かを不快にさせたり傷つけたりしないのはもちろん、それでいて、多くの人にとって親近感があり、多くの人に情報を届けられるような言葉を選ぶのは、本当に大変だと思いました

企画の考案から、情報発信まで、毎回これだけ手をかけて企画を開催しているということがどれだけすごいことかということを実感しました。

ハッシュタグを検索したり調べたりする中で、多くの企業がSNSアカウントをつくって自分たちの活動を投稿しているのを目にして、SNSでの活動がものすごく広がっているということ、そしてその情報の伝染力を実感しました。

また、大学生が中心となって活動しており、政治や社会に関する情報を発信している一般社団法人no youth no japanさんや、#kutoo、#withyellow、#MeToo、#フラワーデモなど、世界で巻き起こる様々なジェンダー運動について知る機会になりました。

何億、何千個の投稿を見て、被害者になった「私」だけの問題にせず、「すべての人」の問題にするために、多くの人が必死に声をあげて戦っているということに気づきました。

それは本当に声なき声の一部であり、他にもたくさんの人が苦しんでいて、、一時的な問題で終わらせてはいけないと感じました。

インターンシップ4日目

今日のメインは企画作りでした。
この5日間を通して私は1つ企画を考えることになっています。今回私は「防災とジェンダー」をテーマに企画をつくることにしました。

テーマ「防災とジェンダー」

このインターンシップに来る前、防災と女性という言葉に疑問を抱いたことがきっかけで、私は防災とジェンダー格差の問題に興味を持ちました。災害時には平時に見えにくかったジェンダー格差が浮き彫りになるということ、避難所ではプライバシーのない空間で生活を強いられるけれども、辛くても苦しくても声を上げられずみんな我慢しているということ、これらのことを職員の方に教えていただき、防災と女性の関係を理解した時、この問題に向き合いたいと強く思いました。

「企画を考える」

これまでにも、大学の授業で企画を考案するという課題が出されたことはありました。しかし、いつも、これで考える内容は正しいのだろうかと思いながら、何を書いているのかわからず作成していました。何から考えればいいのか、何を中心に作っていけばいいのか、よくわからないまま作業して課題を提出していました。

今回のインターンシップでは、企画の立て方からパワーポイントの作り方まで本当に丁寧に教えていただきました。

まず課題を見つけること、その次に目的を明確にすること、そしてターゲットをしぼり、達成目標を設定し、日時や場所など細かい内容を考えていくというのが企画作りの手順として教えていただきました。

また、文章を多くしすぎないこと、文章区切り目はわかりやすいか、フォントは見やすいか、色の使い方など、パワーポイントについてもたくさんアドバイスをいただきました。

「一番困っている人は誰かを考えること」

職員の方に言われた言葉ですが、誰のために行われる講座なのか、何のために行われる講座なのかということをしっかり決めることが大切だと教えていただきました。

この言葉を聴いたとき、これまで私は「どうしたら人が来てくれるか」に焦点を当てすぎてしまっているということに気づきました。

「困っている人を救いたい」、そんな前向きな姿勢で講座を行っていくことが大事だとわかりました。
残り1日ですが、いただいたアドバイスを参考に、企画をよりよいものにしていきたいと思います!

インターンシップ最終日

今日は企画発表の日でした。この5日間「防災とジェンダー」をテーマに考えてきた企画を発表しました。

「大学生が考える防災講座」

タイトルは、「大学生が考える大学生のための防災講座」です。

そしてテーマは「防災とジェンダー」です。

避難所では日常のジェンダー格差が表面化し、さまざまな問題が起きています。その一方、私自身を含め、多くの人がメディアで取り上げられるそれが、根強く残るジェンダー格差から来ていることに気づいていません。当事者ですら、仕方がないと我慢して、声もあげられない状況があります。

「SDGsの課題の中で日本が取り組むべきだと考えている課題」に関するアンケートのトップが「ジェンダー平等」でした。SHIBUYA109lab.アンケート調査〔WEB調査調査期間:2020年7月/対象者条件:15~24歳 男女/有効回答数:N=800(高校生・大学生各400/男女各400)〕

ここから、多くの若い世代の子どもたちがジェンダー問題に関心を持っていることがわかります。しかし、このような社会的課題に対する現状を問うアンケートでは、関心はあってもアクションにつながっていない人が多いことがわかってきました。

また、このような社会的課題を知るきっかけは何かというアンケートでは「学校の授業」を回答した人が一番多かったです。でも学校の授業を思い返してみると、教科書に出てきて、少し触れただけで終わってしまうから、それがどう問題になっているかまでは教えてもらえなかったように感じました。

①私たちは避難所で表面化するジェンダー問題に向き合えていないこと

➁子どもたちはジェンダー問題に関心はあるが、知るきっかけとなった学校現場に、子どもたちにジェンダーの問題を伝える大人の存在が少ないこと

➂1人暮らしの大学生の防災力が低いことを課題として考えました。

そこで、ターゲットには、「1人暮らしの大学生」「教育分野の仕事に関わりたい大学生」「ジェンダーに関心のある大学生」をあげました。

そして、この企画の目的を

①災害時のリスクを軽減する方法を学ぶこと

②将来の教育者としてジェンダー視点を養うこと

③大学生の防災力強化の3点にしました。

企画内容は、夏休み連続講座とし、3日間3本立てで考えました。

第1回「防災は日常から~ジェンダー視点から防災を学ぶ~」
防災にジェンダー視点を持ち活動されている講師の方をお呼びして、防災の中にジェンダーの視点を取り入れるとはどういうことなのかを考えてもらいます。また、被災地でジェンダー格差を感じた経験や、被災地でボランティア活動をしたときのお話をお聞きしたいと思います。また、女性講師と男性講師をお呼びして、複数の視点からこれからの防災に必要なことを語っていただきます。

第2回「災害に強い地域づくりを考えよう。ジェンダー視点を取り入れたHUGゲーム体験」
この回では、実際に避難所運営を体験してもらいます。第1回で学んだことをいいかして、避難所運営でのジェンダー視点の必要性を考えてもらいたいと思います。学校は避難所になりやすいです。将来教育分野の仕事を考えている大学生は、避難所で起きている問題を知り、ジェンダー格差と防災のつながりを子どもたちに教えられるよう、知識を得てもらいたいです。

第3回「始めよう!1人暮らしの防災対策。0円からのマイ防災グッズリストをつくろう」
第1、2回では主に共助を中心に学んでいくため、第3回では、自助の対策について考えることにしました。今回の企画のターゲットに含まれる10代、20代の女の子たちというのは、避難所に逃げてきても、対応を後回しにされてしまう現状があります。だからこそ、災害が起きる前の対策は自分の命を守るために本当に大切であり、それは男の子も一緒で、若さだけで後回しにされること、本当に困ったときに助けてもらえないかもしれないことを認識する機会にしたいです。

3回の講座を通して達成したい目標は、「平時のジェンダー格差是正と防災のつながりがわかること。」「避難所におけるジェンダー視点の必要性がわかること。」「共助の重要性をふまえて、自分の生活環境を見直し、自助の力を高めること。」にしました。

企画を考えるのはとても難しかったですが、最後まで企画の考案にアドバイスをしてくれた職員の方々のおかげで完成することができました。発表はとても緊張しましたが、無事最後まで発表ができました。優しく見守っていてくださり、たくさんコメントをいただけてうれしかったです!

震災から何年たっても苦しんでいる人、戦い続けている人たちがいること。みんな大変な思いをしているから、いろんなことを我慢しないといけないということ。

インターンシップに来て、防災とジェンダーについて学び、避難所の現実は本当に過酷なものであることがわかりました。今、世の中にはいろいろな問題が転がっていて、それは当事者でなければわからないことかもしれない。だけど、表面上の問題だけにとらわれず、その根本にある問題を知ろうとすることでもっと変えられることがあるということを5日間を通して学ぶことができました。

また、このインターンシップにきて、ジェンダー平等の実現に一生懸命声を挙げている人たちの存在を目にしました。

「自分らしく生きること」

「これが私なんだ」

と堂々と自分を魅せる人たちから本当に生きる勇気をもらいました。すごくすごく充実した時間を用意していただき、本当にありがとうございました!

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