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【エッセイ】寂しがり屋の戯言

 今思えば……このメモを書いたのは、人生の岐路とも言える日でした。自暴自棄になる2歩手前くらいまできていたと思います。雨に濡れて、お酒を飲んで、それでも気持ちが収まらなくて書いた文章です。

 記事として書き起こすにあたって読み直していますが、暗いです。重いって表現の方が近いかもしれません。



精神的に弱った時、あなたはどうしていますか?

 私はまず、落ちるところまで落ちます。
 とことん沈んで自分の感情と向き合うんです。なぜ、どうして、これからどうする、どうしたい……自問自答を繰り返します。ある程度で答えが出るなら、それは大したダメージにはなっていなかったということ。

 答えが出ない時はリフレッシュ方法を試します。
 音楽を聴いたり、小説を読んだり、推しに満たされたり。たまに散歩をしたり、雨に濡れたり、日常的ではないこともします。

 それでもダメな時は吐き出します。
 
独り言でもいい、こうやって文章にするでもいい。とにかく自分の中に留めないようにするんです。個人的には人に聞いてもらうのが1番だったりします。
 真剣に聞いて相談に乗ってくれる人がいる。くだらないと笑ってくれる人がいる。自分の代わりに怒ってくれる人がいる。
 自分からは生まれない感情って結構プラスな刺激をくれるんですよ。

Are You OK?



人生の岐路は突然に

研修期間の終わり

 梅雨の某日、日付が変わる少し前。今日のお酒は『ほろよい ライムジントニック』。おつまみには駄菓子(カルパスとビッグカツ)を添えて。
 本当だったら祝い酒になっていたはずなのに……それ以上に精神的にクるものがあって、ヤケ酒というか慰めの酒になっている。

 会社に入って一定期間が経って、試用期間が終わったわけだ。
 私は無事、正式に採用して頂くことになった。しかし、同期の子は採用にならず、そのまま辞めることになってしまった。

 正直、そんな予感がなかったと言ったら嘘になる。

 私自身も、今やっている仕事に向いているかと聞かれると、はっきり「イエス」って答えられる自信はない。でも、それ以上に向いてなさそうだった。どのような経緯でこの業界に来たのか、不思議なくらいだった(野暮だと思って聞かなかったが……)。

 同期4人のうち、1人は姉妹会社的なところに引き抜かれ、1人は会社を辞め、残ったのは2人だけ。しかも、残った1人は他社へ出向中な訳で……事務所には先輩や上司や社長などの偉い人しかいないのだ。
 気まずいし、何より寂しい。
 大大都会とか大大自然に放り込まれた気分。泣きたい。

雨と涙と酔い

 低気圧の影響もあってか、今日は特にセンチメンタルな気持ちになっちゃって……。傘も差さずに雨の中を歩いた。
 嗚咽を漏らしながら、俯いて歩いた。涙は思うように出てこなくて、1人じゃ泣けないんだって感じた。

 酔いが回るのが早いな。とても眠い。すんごく眠い。でも、これだけは言いたいから……頑張る。

 同じ道を歩く人がいる。
 これがどれだけ有難いことで、心強いことで、稀有なことなのかを痛感した。
 こんなことさえ、当たり前じゃないんだから……同じ目標を持って、同じモチベーションで頑張れる人に出会えるのは、本当に奇跡のようなことなんだ。運命的なことなんだ。
 これからクリエイターとして活動していこうと考えているのだから、今日の出来事や気持ちを肝に銘じておかなければならない。忘れちゃいけないし、乗り越えなくてはいけない。

明日の私へ

 明日は友人と映画館。
 ちょっとだけ……ちょっとだけ弱いところを見せてしまおう。この気持ちは、1人じゃ消化しきれない。思ったよりも、重かったみたいだ。

 おやすみ。頑張れ私。
 どんなに辛いこと、苦しいことがあっても、夢や目標、野望を忘れないで。


後日談

 何度読んでも、この日は相当落ち込んでいたんだなって思います。翌日の自分にメッセージを残すくらいですから、かなり重症です。

 文章にある通り、その翌日に友人と映画を観に行きました。
 映画は面白かったし、内容も興味深いものでした。私も友人も、作品について感想や考察などをとことん語るタイプです。終わってすぐ喫茶店へ行き、思いつくまま意見交換をしました。
 語り合うのはすごく楽しいです。自分とは違う観点から情報を得られるので、視野が広がっていく感触があります。
 私は多分、それが好きなんだと思います。

 映画の語り合いが終わって……私は弱さを見せました。
 友人は静かに聞いてくれました。私が言葉にできなかったことを代わりに言ってくれました。優しく慰めてくれました。
 自分1人じゃどうにもならなかった感情が、不思議なくらい綺麗になくなったんです。
 人に話す。意見してもらう。
 自分以外の言葉の大切さや有り難さ、強さを感じました。友人には本当に感謝しています。

 あの日の弱さがあったから、私は今をしっかり歩いているんだと思っています。
 弱さと向き合うのは正直苦しいです。辛いです。重いです。でも、先を見据えるためには必要なことだと感じています。

 私は決して強い人間じゃありません。
 しかし、本当に弱くなった時を知っています。そこから学んでいます。頼ることを覚えています。

見栄を張らないで、等身大で生きてみる。

 この記事を読んだ人が、少しでもこんな考え方をできるように。縁が結ばれた、誰かの力になることを願って。
 私は言葉を紡ぎます。

/ Foルて

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