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【社員インタビュー:前編】「時代の道しるべをつくる」プリンシパル林佳奈が描く、ヒューマンキャピタリストの未来

タレントエージェンシー本部で、採用コンサルティングディビジョンのシニアマネージャーを務める、プリンシパルの林 佳奈。

「ヒューマンキャピタリスト」という職業の可能性、AI時代における人材業界の未来について語りました。


ヒューマンキャピタリストの価値とは

──現在は、日々の業務ではどんなことをされているんですか?

採用コンサルティングディビジョンのシニアマネージャーとして、プロジェクトの進捗管理をしています。各プロジェクトの課題を洗い出し、その解決策を考えます。時には現場に出て、クライアント企業の声を直接聞くこともありますね。

ここ数年は、ヒューマンキャピタリストとしての業務に加え、スタートアップ関連のカンファレンスに登壇したり、大学で講演することもあります。私の場合、ヒューマンキャピタリストという仕事の魅力や、スタートアップで働くことの意義を少しでも多くの人に伝えたいという想いから、お話をする機会をいただいたら積極的にお引き受けしています。先日も、日本版「WIRED」のYouTubeチャンネル 「Tech Support」に出演させていただきました。

このような活動ができるようになったのは、自分自身も入社から長らくヒューマンキャピタリストとして様々な企業を支援してきた経験があるからこそです。

──ヒューマンキャピタリストという仕事において、大切にしていることはありますか?

ヒューマンキャピタリストは、企業とも候補者とも向き合う両面型の動き方を守り続けているのですが、あえて「分業しないこと」はすごく大切だと思っています。スタートアップのリアルを伝えたいと思った時に、伝言ゲームのように人づてで集めた情報では価値が薄れてしまうと思っているからです。だから、自らの目で見て、耳で聞いて、できるだけ一次情報に近い形で伝えたい。そこにこだわっています。

いまや、ChatGPTのようなチャット型AIに質問すれば数秒で答えが出てきます。最近の高校生は恋愛相談をAIにするという話も耳にしました。そうなると、今後、人生を左右するような、転職やキャリアの相談をAIにする人が出てくるかもしれない。なので、「ヒューマンキャピタリストの競合はChatGPTである」とすらも思っているんです。誰でも簡単にテクノロジーに触れられる便利な時代だからこそ、ヒューマンキャピタリストは、WebやAIでも保有していない一次情報を自ら取得し、付加価値としてアウトプットする必要があると感じています。

そして、ヒューマンキャピタリストの役目であり、AIやテクノロジーではまだ成し得ないこと、それは「未来を描いて、未来に意志を持つ」ことだと思っています。ヒューマンキャピタリストは心を動かし、背中を押して挑戦を促します。人から人へ伝え、相手の感情を動かすことは、「人」にしかできない領域だと思っています。

私は常に「価値は希少性から生まれる」と考えているので、社会がテクノロジー化、情報化していく中で、人と人の対話にこだわるヒューマンキャピタリストという仕事は、まさに時代に逆張りして価値を高めていく仕事の一つだと捉えています。この考え方はずっと大切にしていることで、私が新卒でスタートアップを選んだ理由でもあります。多くの人が大企業に行く社会だからこそ、自分にしかない希少性を作りたかったんですよね。

──確かに感情に訴えかけるなど、人と人の間では論理を飛び越える瞬間がありますよね。

その通りです。そういった論理を超えたところにも影響を与えるのが、人が介在することの価値ですし、ヒューマンキャピタリストの仕事の醍醐味だと思います。スタートアップに挑戦するという意思決定は、条件や情報が揃うだけでは不十分で、情熱と覚悟がなければできません。その方の人生を左右するくらい大きな決断に立ち会わせていただくので、私もいつも本気で向き合っています。

新しいテクノロジーによって世界が目まぐるしく変わる中で、みんな先が分からなくて不安になっていく。そんな時こそ、未来を作っていくことに意志を込めて、人々を導く存在が必要なんです。「この方向へ進んでいこう」という標識を立てられたら、未来が創られていくスピードが上がるんじゃないかと思います。そうやって、より良い未来に向かう方向性を示せる存在になりたいですね。それが正しいかどうかは10年後、20年後にならないと分かりませんが、覚悟を持って道しるべになれる存在でありたいんです。

私にとってのヒューマンキャピタリストとは、そんな「時代の道しるべ」となる存在であることなんです。

クライアント企業と共に成長する

──これまでの成長につながった、印象深い経験があれば教えてください。

私たちは、ミッションに 「(共に)進化の中心へ」を掲げているのですが、私たちの仕事は、クライアント企業と一緒に成長するような側面があります。

担当している企業の一つで、社名も決まっていない産声を上げたばかりの頃から伴走している企業があります。事業があっという間に拡大したり、ご支援した方が活躍して数年で役員職へ駆け上がったりと、組織がどんどん大きくなっていく過程をずっと見てきました。進化し続けていく方々に囲まれているからこそ、支援する私自身も真剣に向き合わなければと日々鼓舞されています。

「共に」と掲げるからこそ、時には相手にとって盲点となっている部分を伴走する立場でアドバイスすることもありますが、私自身も起業家の方々から色々とアドバイスをいただくこともあります。社外から見守られている環境でもあることに気づいてからは、より一層期待に応えるべく、もっと成長しなければと思うようになりました。このように、お互いにフィードバックし、共に成長しあえる関係性は本当に貴重です。

プリンシパルには「獣道をつくる」役割がある

──2023年3月にヒューマンキャピタリストの最高職位である「プリンシパル※」に就任されました。林さんにとって、どういう役割だと意識していますか。

「プリンシパル」という職位は、型もマニュアルもあるわけではなく、むしろ自分自身でその道を切り拓いていくものだと考えています。言い換えると、「獣道をつくる」ようなもの。後に続く仲間たちのためにレールを敷いて、彼ら彼女らがより拡張していけるようにすることも私の役割です。

社外の方からすると、当社はスタートアップコミュニティの中で実績があり、上場もして、組織も大きくなったので、ある程度は完成したように見えるかもしれません。

しかし、長い歴史で見ると、ヒューマンキャピタリストという新しい職業を作ろうというところから始まったばかりなんです。私もそこにすごくロマンを感じてこの仕事を選んでいます。まだまだ、道半ばという思いで日々活動しています。

この仕事自体のブランディングをしたり、ヒューマンキャピタリストとして価値提供できることを増やしていくのも、プリンシパルの重要な仕事の一つだと思っています。

(取材・文:長谷川賢人)

後編へつづく

ご自身の仕事への向き合い方を語ってもらった前編。後編ではチームを牽引し、リーダーシップを発揮するに至った経緯に迫ります。

注釈

※プリンシパルについて
一定の実績を上げると「シニアヒューマンキャピタリスト」に昇格し、さらに実績を積み重ねると最高職位「プリンシパル」となる。

※日本版「WIRED」のYouTubeチャンネル「Tech Support」動画

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