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いってきます。また来いよ

前回は礼文島まで何時間?を紹介しました。
今回はなぜ礼文島へ島入りするなら稚内発の一便のフェリーをお勧めするのかを紹介します。

稚内から2時間。
短いようで長い時間を経て到着と同時に観光開始と行きたいところですが!ちょっとまった。
せっかくです自分が乗ってきたフェリーを見送ってみませんか?
新しく島へやってくる旅人もいれば、島を去っていく旅人もいる。その旅人の思いが交差するのがフェリーターミナルだと思います。
わくわくしながらやってくるそんな旅人たちを向かい入れる仲間がいれば、旅立ちに寂しさを抱く旅人を送り出す仲間もいます。
そんな彼らの姿を目にしてからでも遅くありません。むしろそんな光景も礼文島の魅力の一つなのです。

年に一度の再会もあれば数年ぶりの再会もあります。けれどまず交わされる言葉は「ただいま」そして「おかえりなさい」です。
聞きなれないというか意外な言葉に私も初めは驚いたものです。そして別れの言葉も。
出航までのわずかな時間。乗船を済ませた旅人は甲板へ向かいます。その旅人を見上げるようにフェリーわきに人が集まり始めます。フェリーの目の前まで足を運べるのがいいですね。

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礼文島の宿のスタッフや泊まり合わせた仲間たちが島を離れる旅人を見送りにくるのです。その中にはさっき島入りしたばかりの旅人の姿を見ることができます。そんな彼らは礼文島をよく知る旅人なのでしょう。これから何が始まるか楽しみにしているのだと思います。
普段静かなフェリーターミナルに人が集まるこの光景を見ることができるのは一便出航時のみです。

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それぞれの見送りを見ることができる

「いってきます」と手を振って「いってらっしゃい」と声に出す。「さよなら」という言葉を聞くことはありません。また会いたい。また島に戻ってくるという思いが込められているのです。最北の島で出逢い、同じ時間を過ごした仲間を見送る姿は感動しますね。

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歌って踊って、いってらっしゃい

さらに盛り上げるのは桃岩ユースホステルのメンバーによる踊って歌ってのお見送りです。
ずっと昔から礼文島で行われてきている伝統の見送りです。
船が見えなくなるまでその見送りは続きます。
「いってきます」「いってらっしゃい」に加えて

また会いたい。また島に戻ってこいという思いを込めて。

「またこいよー」

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船に向かって叫び続けます。
手を振りながら
声が聞こえなくなるまで

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船が見えなくなるまで
なんどでも、いつまでも

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礼文島に来るなら見送りたい見送られたい人また帰ってきたい場所を見つけてほしいと思います。

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また見送ってあげたいと思うのなら一便でなくても構わないと思います。
二便以降のフェリーターミナルはとても静かです。

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一便のような盛大な見送りをほかの便で見ることはできませんが、一便以外で島を去っていく旅人もいます。
もし島で出逢った旅人がそのように島を出ようとしていたなら、時間が許すのであれば見送ってあげてはいかがでしょうか?

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いってらっしゃい。その一言

見送ってくれる人がいるというのはとてもうれしいものです。思い出に残ります。
私もそうでした。
しばらくその光景が焼き付いてはなれなかったのを覚えています。
ですからまた礼文島に戻ってきたいと思ってくれるのではないでしょうか。
礼文島にはたくさんの見所がありますが、その中で思わず見落としがちなのが昔から受け継がれているお見送りの旅文化。
礼文島のフェリーターミナルは礼文島の魅力を一番最初に見られる玄関口でもあるのです。
※2020,2021年と桃岩ユースホステルは閉所の判断をしているため、残念ながらフェリーターミナルで見送りの光景を目にすることはできません。来年こそ営業が再開されることを待ち望んでいます。

礼文島についたらちょっと足を止めてみませんか?見送りの風景を目に焼き付けてから出発してみるのもいいものです。一言、去っていくフェリーにいってらっしゃいとつぶやくのもいいかもしれません。
次回は礼文島南端にある北のカナリアパークを紹介します。景色が一番ですが、そこに建てられている小学校には懐かしいものがたくさんありました。
また目を通していただけると幸いです。
以上、お読みいただきありがとうございました。

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