『高知グランプリ(仮)』──予め告げられた波乱/高知遠征20日目
その後のウララの仕上がりは順調だった。皇帝塾で繰り返したゼロヨンは、ウララに加速と、トップスピードを維持する為のスタミナ強化という課題を与えた。サーキットトレーニングを何セットもこなし、毎回のクリアタイムでレベル向上を判定したのだが、ウララは上限値を見事に伸ばし、弱点を確実に克服しつつあった。
またあの日以降も、折を見ては皇帝塾に出向き、グランシュヴァリエの並走相手を務めたことも大きくプラスとなったに違いない。スプリントの技術についてはビゼンニシキが直々に指導し、近くウララが