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新社会人・大学生必読!! 毎日リサーチし続けているリサーチャーが使っている ㊙リサーチテクニック

こんにちは、テレビ番組のリサーチ会社株式会社フォーミュレーションのnote編集部です。

私たちはテレビ番組のリサーチを手掛けており、日々、インターネットや新聞、書籍などから必要な情報を収集しています。その過程で、番組にとって面白く、新しく、正確な情報を見つけ出し、各番組に提案しています。
情報源は専門的なデータベースだけでなく、一般に公開されているオープンソースからの提案も多いです。

担当する番組に応じて様々な調査方法がありますが、今回は特に大学生や新社会人、春からリサーチャーになる方々に向けて、役立つテクニックを紹介します。



■X(旧Twitter)で検索演算子を活用しよう

X(旧Twitter)はリアルタイム情報収集に役立つツールです。多様な世代や専門知識を持つユーザーからの情報や反響を調べることが可能です。目的に応じてキーワード検索を行いますが、検索演算子を組み合わせることで、より精度の高い情報を得ることができます。

例えば以下のような演算子をリサーチに使っています。

$$
\begin{array}{|c|c|} \hline
演算子 & 検索条件 \\ \hline
\text{from:[userID]}  & @userID の投稿したツイート \\ \hline
\text{min\_faves:100}  & 「いいね」が100以上あるツイート \\ \hline
\text{min\_retweets:100} & リツイートが100以上あるツイート \\ \hline
\text{filter:images} & 画像つきツイート \\ \hline
\text{filter:videos} & 動画つきツイート \\ \hline
\text{filter:verified} & 認証済みアカウントのツイート \\ \hline
\end{array}
$$

特定のユーザーや芸能人の過去の投稿を調べるには「from:~(アカウントID)」を用いることで、キーワードと合わせて、そのユーザーの投稿のみから探すことができます。

画像付きでいいね数が100以上の投稿を探す際には
「filter:images min_faves:100」
といった演算子が有効です。
その時バズっている画像や動画など、面白いコンテンツを探したい場合や、話題になっている記事などをヒントにすることもあります。

■Google検索演算子を使おう

何かを調べる時、とりあえずGoogleで検索してみます。
(Z世代の人達はTikTokやInstagramから調べる という話も聞くようになって久しいですが…)

Google検索は膨大な情報を提供しますが、必要な情報を見極めることが重要です。Wikipediaは情報源として頼りになることが多いものの、リサーチを重ねていくと、その情報の正確性に疑問を持つこともあります。情報の信頼性を見極めながら正確な情報を探すことが不可欠です。

Googleで単純に単語を並べるだけでなく、演算子を使うことで、より狙った情報にたどり着きやすくなります。

以下、リサーチ業務で私がよく使うGoogle検索演算子となります。

特に、この中でも私がよく使っているのは「filetype:pdf」

これを使用すると、PDF形式の資料を検索対象にでき、信頼性の高い情報源(例えば、政府機関、自治体、大学、企業の研究文書)からの詳細な情報を得ることが可能です。

また、site:~を使ったサイト内検索では、面白い記事を見つけたサイト内で、他にも面白い記事がないかなど、探すときに有効です。

また、最近では海外の研究論文など、英語や他の外国語のPDF文書を扱うことが増えています。これらの文書はGoogle翻訳だけでは処理できない場合がありますが、Googleレンズを使うと、PDFや画像データからテキスト情報を読み取り、翻訳することが可能です。これはOCR(Optical Character Recognition)機能によるもので、画像データ内のテキストを文字データに変換します。

さまざまなサイトで右クリックを押した際、
「Googleで画像を検索」を指定すれば、サイト内の画像から文字を認識し、
外国語も翻訳可能です。
ChatGPTに英語で説明させた文を、Googleレンズで文字認識させ、翻訳させてみた。

このOCRの機能を使えば、書籍から文章を書き起こしたり、写真の中の読めない外国語から単語を抽出して検索などをすることもできますね。

■ChatGPTにアシストしてもらおう

近年、ChatGPTがあらゆる質問に答えるという話をよく耳にします。しかし、誤情報を提供したり、もっともらしいが根拠のない回答(ハルシネーション)をすることがあります。
ChatGPTでは文章を作ることが重視され、自然な文章を作る過程で、情報の内容がおかしくなってしまうという状態です。

最近ではBingの機能が加わり、検索の精度も日々進歩していると思いますが、やはり本当かどうか確かめる必要があります。

そんな中でも、リサーチでChatGPTを活用する方法はないかと日々実験していますが、お勧めしたいのは、「キーワード提案」です。

新人の頃、新しいネタを探す際に、意識するように言われていたのは、検索キーワードの引き出し・バリエーションをいかに増やすか、ということでした。

例えば、「レスキュー隊が救助をした事例」を探す際、どんなキーワードを使って調べますか?
以下はChatGPTに聞いてみた内容です。

ChatGPTに聞いてみたところ、リサーチの方針を示してくれました。

また、さらに具体的なキーワードを聞いてみました。

具体的なシチュエーションを例示してくれました。

もちろん、提案されたキーワードがリサーチに有効かなどは確かめながら、アシストしてもらうことが可能となります。

■URLを活用しよう

普段、インターネットで調べる際、URLを選択して特定のサイト開くこともあると思います。
あまり意識せずに使っているURLも、リサーチにおいてはヒントの塊です。

https://www.city.osaka.lg.jp/shobo/cmsfiles/contents/0000619/619376/p12-21.pdf

例えばこのURLは、大阪の消防局の出版している「大阪消防」誌のURLです。
このURLでまず気になる部分は、最後の「p12-21」の部分ですね。
こちらは、実際のリンク先を見ても、12ページから21ページの内容となっています。
つまり、他のページがある可能性が考えられますね。

この誌面は、以下の大阪市のサイト内で見ることができます。
つまり、先ほどご紹介したサイト内検索で、他の情報を探すこともできます。

このURLの構造を使えば、以下のようにドメインを指定して、アスタリスクを使うことで、各自治体のHPを横断して検索することもできるようになります。

「イベント site:pref.*.jp OR site:city.*.jp OR site:town.*.jp」

この時の「*(アスタリスク)」は、ワイルドカード文字とも呼ばれ、様々な文字列が補完されて検索が行われます。今回は、各地名が補完され、全国の自治体ホームページ内を検索することができます。

このほかにも、具体的な数値がわからない場合に、「*m」などと記載して検索すると、目的のデータにヒットしやすくなります。

エッフェル塔の高さは何度か変わっているようですね。

■サイトのHTMLソースコードを見てみよう

リサーチをしている中で、「このページっていつ書かれたの?」というサイトを見たことがある人も多いと思います。
新聞やニュースサイトでは、記事を執筆した日時などが書かれていることが多いですが、企業のHPの記事や個人サイトなどでは、執筆時期が明確に記載されていないこともあります。

そんな時に一度確認したいのが、HTMLソースコードです。
ソースコードは、ホームページやプログラムなどを特定の言語で記述したテキストデータです。

イメージ

Google Chromeでは、「Ctrl+U」のショートカットキーなどで表示できます。
このソースコードの中身はサイトによって異なりますが、サイト内で表示させている情報のほかにも、記事内の画像へのリンクや非表示になっている文章なども見ることができます。

この画像ファイルなどに、日付などが含まれたファイル名がついていることが多く、記事の作成日時を推定することも可能です。

以前、ある番組のリサーチで、この方法を使って、企業も紛失していた昔のプレゼンテーション資料を発掘して、放送されたことがあります。

ちなみに、グルメ口コミサイト「食べログ」さんのHPのソースコードには、大きくロゴが描かれています。このようなメッセージを隠しているサイトもいくつか見られます。

出典:https://tabelog.com/

■最後に

いかがでしたでしょうか?
今回ご紹介したのは、すぐにでも使えるテクニックとして、ごくごく一例です。
リサーチャーはそれぞれの得意分野や好きなジャンルなど、様々な情報を集めるために、様々な方法を駆使しています。
新社会人の方々や、学生の方々も何かを調べるときに、まずは「調べ方」から改めて意識してみてはいかがでしょうか?

個人的にはGoogle Cromeの拡張機能など、まだまだ紹介したいことは尽きませんが、今回はここまでとさせていただきます。

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