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病院薬剤師が語る大河ドラマ「麒麟がくる」の魅力


こんにちわ。病院薬剤師だまさんと申します。

このブログは、もし薬学の道を選ばなかったら日本史の先生になりたかった病院薬剤師による、大河ドラマ「麒麟がくる」の魅力を語るブログです。



「見る見ない」が分かれる理由

私の日本史好きの理由は多分に両親にあります。

両親は大の大河ドラマ好き(というよりもNHKしか見ない人!?)だったので,私も物心がついた頃からその魅力に取りつかれるようになりました。

しかし、近年では完全に「All-or-Nothing」。

つまり、最終回まで見るか、逆に全然見ないかのどちらかなのです。

理由は、NHKの番組作りが視聴率を意識し過ぎているから。

昔から歴史物で視聴率が取れるのは、「太閤記」(戦国~安土桃山)・「忠臣蔵」(元禄)・「新撰組」(幕末)の時代と相場が決まっています。

※そこから外れると、ほぼ「記録的な低視聴率」をはじき出します(笑)。

×2000年 葵 徳川三代 津川雅彦(徳川家康)
●2001年 北条時宗 和泉元彌(北条時宗)
×2002年 利家とまつ 唐沢寿明(前田利家)・松嶋菜々子(まつ)
×2003年 武蔵 MUSASHI 市川新之助(宮本武蔵)
×2004年 新選組! 香取慎吾(近藤勇)

×2005年 義経 滝沢秀明(源義経)
×2006年 功名が辻 仲間由紀恵(千代)・上川隆也(山内一豊)
×2007年 風林火山 内野聖陽(山本勘助)
×2008年 篤姫 宮﨑あおい(篤姫)

×2009年 天地人 妻夫木 聡(直江兼続)
×2010年 龍馬伝 福山雅治(坂本龍馬)
×2011年 江~姫たちの戦国~ 上野樹里(江)

●2012年 平清盛 松山ケンイチ(平清盛)
×2013年 八重の桜 綾瀬はるか(新島八重)
×2014年 軍師官兵衛 岡田准一(黒田官兵衛)
×2015年 花燃ゆ 井上真央(杉文)
●2016年 真田丸 堺 雅人(真田信繁)
●2017年 おんな城主 直虎 柴咲コウ(井伊直虎)
×2018年 西郷どん 鈴木亮平(西郷隆盛)

×2019年 いだてん 中村勘九郎(金栗四三)・阿部サダヲ(田畑政治)
2020年 麒麟(きりん)がくる 長谷川博己(明智光秀)

2000年以降の21作品中、これに該当する(太字)のは実に17作品!

当てはまらないのは、「北条時宗(鎌倉)」(2001年)・「義経(平安)」(2005年)・「平清盛(平安)」(2012年)・「いだてん(昭和)」(2019年)のたった4作品(平清盛は傑作だったのに酷評されましたね)。

いくらなんでも食傷気味になってくるというものです。

先程のリストで●印を付けているのが、私が最後まで見た作品。

何と10年間見ていない期間もありますね(どこが大河好きなんだか)。


そう来たか!歴史好きが「麒麟がくる」にハマる理由

では現在放映中の「麒麟がくる」はどうなのかと言うと、こんなブログを立ち上げる訳ですから、気に入ってない訳がありません(笑)。

しかし、当初この作品に私は懐疑的な意見を持っていました。

そう、「明智光秀なんかが主役で一年持つの?」という意見です。

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光秀を演じる長谷川博己だって、私自身あまり知りませんでしたし、(失礼ながら※ファンの方ゴメンなさい)華のある俳優さんとは思えません。

しかし、1話、2話と見ていくうちに不思議とハマっていったのです。

その理由を自分なりに分析してみました。

理由1:主役俳優が無名だから
大河ドラマを見なかった2002~2010年の「空白の10年間」は、俳優がわかった時点で見るのを止めていました。先述の通り、NHKの視聴率優先主義に嫌気がさしていたからです。ところか今回の主演は、どちらかと言えば無名で地味な俳優。このことが逆に好感を持てました(あまのじゃくですか?)。

※個人的には、最初から有名俳優を起用するのではなく、無名俳優が大河ドラマを「出世作」にしてのし上がっていくパターンを望みます。

理由2:これまであまり描かれていなかった時代だから
大河ドラマで幾度となく描かれてきた「信長・秀吉・家康」の時代ですが、盲点がありました。信長が登場する前後はあまり取り上げられて来なかったのです。現時点(4/26)で家康はまだ子供ですし、秀吉は信長の家来にすらなっていません。しかし、この時代でも魅力的な人物は沢山活躍していたのです(下記参照)。光秀ならそれらの人物とも絡められる。なるほど!

・斉藤道三(本木雅弘)・高政(伊藤英明)※親子で殺し合い
・帰蝶(沢尻エリカ→川口春奈)※蝮の娘・信長の正室
・細川晴元・三好長慶・松永弾正(吉田鋼太郎)※下剋上コンビ
・足利義輝(向井理)※剣豪将軍・非業の死
・足利義昭(滝藤賢一)※室町幕府最後の将軍・信長の傀儡
・細川幽斎(眞島秀和)※光秀の生涯の盟友
・今川義元(片岡愛之助)※当代きっての有力武将
・太原雪斎(伊吹吾郎)※今川義元の軍師・家康の師

理由3:光秀の視点から描いた歴史群像劇だから
以上を総合すると、本作品での光秀の役割は、数々の群像劇を眺めていくこと。つまり、主役は光秀自身ではなく彼に関わる人物(モッくんなんか主役を喰ってました)という訳です。それに気付いた時、「そう来たか!」と思いましたね。そして最後の最後に光秀自身も主役に上り詰めます。そう、「敵は本能寺にあり」です。

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「ここまで」と「これから」の見どころ

現時点(第15回)で物語はまだ序盤ですが、「ここまで」も見どころは幾つかありました。

・帰蝶の輿入れ(第9話):織田との同盟
・竹千代の人質交換(第10話):今川の脅威増大
・信秀の死(第12話):信長が家督相続
・頼芸の追放(第13話):道三が美濃掌握
・聖徳寺の会見(第14話):道三と信長の絆強化
・暗殺祭り(第15話):織田は統一・斎藤は分裂

さて、次回(第16話)はいよいよ道三と高政の決戦、長良川の戦いです。

これまでの「でっぷり」道三像を見事に塗り替えたモッくんの死にざまを見届けようではありませんか。

「これから」の見どころも予告しておこうと思います。

・桶狭間の戦い(1560年):奇襲で今川義元を討ち取る
・松平元康(家康)との再会(1562年):尾張・三河の同盟
・三好氏による義輝暗殺(1565年):将軍親政の終焉
・稲葉山城の戦い(1567年):道三の仇討ち
・上洛(1568年):足利義昭を傀儡化
・姉川の戦い(1570年):浅井・朝倉連合軍に苦境
・比叡山焼き討ち(1571年):武田信玄が激怒
・三方ヶ原の戦い(1572年):信玄の侵攻・急死
・足利義昭追放(1573年):室町幕府の滅亡
・長篠の戦い(1575年):鉄砲隊で武田勝頼を圧倒
・安土城築城(1576年):天下布武
・松永弾正爆死(1577年):名品「平蜘蛛の釜」と共に
・松平信康自刃(1579年):家康の嫡男と妻を排除
・本能寺の変(1582年):光秀の謀反・信長自害
・山崎の戦い(1582年):秀吉が中国大返しで仇討ち

いや~、こうして並べるとあり過ぎでしょう、見どころ(特に太字)。

それぞれがどんな描写をされるのか、今から楽しみです。

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まとめ動画をつくりました。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

では、またの機会にお目にかかりましょう(了)。


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