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注文の話

店員さんが私の注文を間違えて聞き取った時に訂正できない。

私は絶望的に声が通らないらしく、お店では基本オーダーが伝わらない。
だから必ずメニューを指さして視覚にも訴えかけるようにしているのだが、それでも注文を間違えられる時がある。
飲食店は基本聞いて貰えないし、美容師とかにもよく聞き返される。

ちょうど今日ランチで、エビとカマンベールチーズのサンドを頼んだつもりだったのだがカルビサンドを渡された。
ミラノに行きたかったのに韓国に来てしまった。
ドトールのメニューだからまだ良かったけど、これが旅行会社の手配間違えだったら大事だと思う。

めちゃくちゃミラノサンドBを指さして言ったつもりなのに、店員さんはカルビサンドと認識したらしい。
厨房への呼び掛けの時点で「カルビサンド、ハラペーニョ増しでお願いしまーす」と言っていた。
これ、私の注文かな。前の人の注文だよね、きっと。
そんな他人事のように思っていたが、やっぱり渡されたのはハラペーニョ増し増しのカルビサンドだった。誰がハラペーニョ増し増しやねん。

うちの母親は人が間違えたら容赦なく訂正するし、間違えてなくても訂正する時がある。(なんで?)
母親から見たら「そんなのすぐ店員さんに言えばいいじゃん」のひと言で片付くらしいが、私にはそれがとんでもなくストレスなのだ。
まずレジのオーダーをやり直さなきゃいけないし、会計終わってたらなんかクレジット処理もやり直さなきゃいけないし、厨房で作り始めてたらその食材は破棄になるかもしれない。
そして聞こえづらい話し方をした私にも非はあるし、店員さんが自分の事責めて落ち込んじゃうかもしれない。
そういう事を考えるとめちゃくちゃお腹が痛くなる。

だったら私が、ミラノに行きたかったんじゃなくて韓国に行きたかったって、こっちのマインドを変えればいいジャン!!と自分に言い聞かせる。
これだけで事は丸く収まるのだ。
ただ、ミラノ行きのチケットが韓国行きのより高かった時はめちゃくちゃムカつくし、もうそんなドトールには行かない。

でも訂正しないはしないで、もし店員さん側が途中でオーダーミスに気づいたのに私が何も言わず受け取ってそのままカルビサンド食べてるのを見て「え?あの人、数分前に自分がオーダーしたものも分かってないの?やばくね?」みたいにバックヤードでひそひそ話されたらそれもそれでストレスだ。
結果的にもうあのドトールには行けない。

あと普通に会社の人との会話とかで、向こうが間違って認識しても訂正できない。
先日旅行に行ったのでお土産を配っていたら、あまり話した事ない他部署の方から「仙台のご出身なんですか?うちの弟も仙台に居るんです〜」と話しかけらた。
すぐに「いえ、旅行で行きました。」と言えばよかったものを、なんかもう咄嗟に「アッはい、そうです」って言っちゃったから仙台出身になってしまった。

全然関係ないけど人の後ろとか通る時に気づいてもらえず、びっくりされる。
だから「通りますよ〜」という意味を込めてわざと足音鳴らして歩く。
仕事できないのに米倉涼子みたいな歩き方になってしまう。

人の間違いに気づくくせに目の前で指摘せず陰でぐちぐちノートに書き込む、そんな自分を省みてはいつも病んでいる。
そんな人生。

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