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スガミズムと漢方の共通点

先日、「素髪ケア」の施術を受けてきました。
それ以来、髪が軽くなったのを実感しています。

「スガミズム」はヘアサロン フォルムオリジナルの言葉で、髪に付着した余分なコーティングを取り除き、髪や頭皮を健やかにするという考え方です。

後からあれこれと加えていくのではなく、素髪ケアによって髪や頭皮本来の持つ力を育てていくというアプローチは、漢方の考え方とも重なる部分があります。

なぜなら、漢方もまた、あれこれと対症療法的なことをするのではなく、その人自身の身体のベースをととのえて本来の免疫力、自然治癒力を活かすことが大切だという考え方だからです。
 
漢方の基本的な考え方に「扶正祛邪(ふせいきょじゃ)」という言葉があります。

「扶」=たすける
「正」=健やかな状態
「祛」=取り去る
「邪」=体調不良の原因となるもの

つまり、「健やかな状態を保てるようにし、悪いものを取り除く」ということです。
この「扶正祛邪」が実践できていれば、身体のベースがととのって、仮に気候や環境の変化などでトラブルが起こっても立て直しやすいということになります。

……と、言うのは簡単ですが、日々様々なストレスにさらされ、気候変動や環境問題も見過ごせない現代に生きる私たち。長年の食生活や自身を取り巻く環境など、色々なものが積み重なっているため、複合的な要因による体調不良が起こっている方が多いのが現状です。

漢方のカウンセリングでは、いま現在気になっている不調だけを見るのではなく、一見、「それって関係あるの?」ということまでヒアリングしたり、顔色や舌を見たりしながら、その方の身体の状態全体を知ることによってその不調がどこからくるものなのか? 何が不足しているのか、あるいは何が滞っているのか、を導き出します。
そして足りない部分は補い、滞っている部分は巡らせる、というように、根本的な問題を解決するというアプローチをとります。

そうやって「扶正祛邪」を実践していくわけですが、これは単純に漢方薬を飲めば良いというのではなく、お食事面でも身体をととのえ(薬膳)、適度な運動、規則正しい生活などを心がけることにより、余分な薬やサプリメントを摂らずとも、ベースがととのい、多少のトラブルがあっても立て直しやすい状態を保てるかと思います。

「素髪ケア」で髪の状態を健やかにしてその方自身の持つ髪の美しさを活かせていけるのと同様に、身体本来の力を活かせるように漢方の考え方を取り入れるのも、ライフスタイルの一つの選択肢として捉えて頂けると良いなと思っております。

この記事を書いてくれた人:古橋 智子(漢方・薬膳・保存食講師)
漢方上級スタイリスト、養生薬膳アドバイザー、中国茶アドバイザー、かんぶつマエストロ。薬日本堂漢方スクール、長谷園 東京店 igamonoなどで講座を担当。20代より保存食作りに親しみ、数々のレシピを考案。素材の旬だけでなく、一人ひとりの体質や体調に合った保存食を提案したいという思いから漢方、薬膳を学ぶ。

インスタグラム
https://www.instagram.com/yakuzen_everyday/


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