見出し画像

国によって異なる色彩感覚のはなし

健康的な色といえば?と聞かれるとみなさんは何色をイメージしますか?
私がパッと思い浮かんだ色は緑・オレンジなどですが…実はこれは日本人の感覚で、世界で見ると色の印象はかなり変わってくるのです。
普段、海外向けにデザインする機会はあまりないですが、当たり前だと思っているイメージが他国では思わぬ印象を与えていたりすることもあるかもしれませんよね。さらにグローバル化が進む今、色彩感覚の違いを理解しておくことはとても重要なことですね。

そもそも、その違いはなぜ生まれるのでしょうか。文化や気候、遺伝的な要因など影響はいろいろあるようです。
それではその違いについて、いくつかの色を紹介したいと思います!


画像4

赤は多くの国で「情熱」や「活発」といったイメージを持たれます。人間が生まれてきて最初に認識できる色と言われており、非常に目立つ色なので信号の色としても世界共通で使われますね。
日本ではその他に「怒り」「愛」「生命力」また、女性を色で表すときも赤を使う傾向があります。
中国では春節に「祝賀」として使われ、東洋でも「幸福」を意味します。一方で南アフリカでは「喪」死を連想する色として捉えられていて、全く逆のイメージになります。

また、太陽光の波長によって色の見え方が変化するため、赤道が近いほど赤みが強い・離れるほど青みが強く見えるという特性もあります。
これは日本でも北海道と沖縄を比べると、好まれる色の傾向は結構変わってくるのではないでしょうか。


画像4

日本では「自然・新鮮」のほか「平和・癒やし」など穏やかなイメージです。「未熟・若さ」といった初々しさを表したりもしますね。
欧米では「活気・若い」など日本人と似た感覚がある一方、「嫉妬・不気味」「毒・怪物」などの印象を受けるそうです。毒といえば日本では紫のイメージがありますよね、この違いは菜食文化と肉食文化の違いから連想するイメージが異なるからだとか。
その他にもヒンドゥー教では「愛」を意味する一方、中国では「不貞」を意味するなど、国によっては真逆ですね。。


画像4

世界中で好まれる色です。世界共通で「安全・安心」を表します。信号の色としても共通で使われますね。
青は「冷静」で「知的」なイメージがあるため企業サイトなど、信頼感や落ち着いた印象として取り入れられることが多いですが、その反面「孤独」「寂しさ」を感じる色でもあります。または身体や気分の不調を表すのにも顔色が青い・青ざめる・青あざ・ブルーな気持ちなど言ったりしますね。
なお欧米ではいかがわしい色として考えられることもあるそうなので、要注意ですね。ちなみに世界で見てもそうですが、とくに欧米では青が好まれるようで、前述のような意味合いもあるなか少し不思議な感じはしました。青の中でもいろんな青がありますし、場面によってきちんと使い分けがされているのかもしれませんね。


画像4

元気なイメージといえば黄色を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。「希望・豊かさ」「好奇心・向上心」「活発」といったポジティブでアクティブな印象が強い色ですが、警告色としても使われます。信号の黄色や踏切の遮断機、車の標識などにも黄色は多く使われていますよね。
欧米・西洋などキリスト教の世界では「裏切り」や「臆病」「嫉妬」などの意味もあります。これはイエスを裏切ったユダの服が黄色で描かれていることからそのようなイメージがついたそうです。
また神経や感覚が敏感になっているときは黄色に意識がいきやすく、疲れていたりイライラするときに黄色をみると、さらに感情が増幅してしまう傾向もあるそうですよ。疲れていると大事なことを見落としてしまうことがありますよね、だからしっかり認識してもらうために警告色として使われているのかもしれません。


いかがでしたでしょうか。
赤・青・黄は信号の色として世界共通ですし、そこまで違いはないだろうと考えていたのですが、ここまで違うとは思ってもみませんでした。文化や言葉が異なるのと同じで、見えている色のイメージも人それぞれということですね。
個人的にとても興味深かったのが赤色なのですが、赤色は見ているだけで暖かく感じるため体感温度も2〜3℃上がるそうなのです。赤の光が交感神経を刺激して、血流をよくする効果があるのだとか。(一方青色にも体温、血圧を下げ、リラックスした状態にさせる効果があるそうです)
寒い冬は赤いものを身につけてみると温まるかもしれませんね!

それではまた〜!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?