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アメリカの大学の専攻について

日本では大学受験時、または遅くとも入学と同時に専攻を決めることが当たり前になっているので、米国では入学後しばらくは専攻決定しなくても良いと聞いて驚く人がいるかもしれません。

これは「学部では幅広い教養を身につけ、専門教育は大学院レベルで」という米国の教育方針が根底にあるためです。

事実米国では、四年制大学の卒業時に受け取る学位は専攻が何であってもBacholor of ScienceまたはBachelor of Artsのどちらかに区別されます。そして、この区別があるのは総合大学の場合であって、リベラルアーツカレッジと呼ばれている小規模の大学になるとBA(Bachelor of Arts)のみです。それだけ専攻に対する考え方が学部段階では大まかです。

(1)専攻を決定する時期
米国では二年生の春学期までに専攻を決めるというのが普通で、余裕を持って専攻を考えることができます。ただし、化学やエンジニアリングなど理系専攻を希望する学生はカリキュラムの構成が複雑なため、入学後できるだけ早く専攻を決める必要があります。決心するのが遅すぎたため全ての必修科目を四年感でこなすことができなくなるということになりかねないので注意が必要です。
専攻科目選択に多少融通が効く文系専攻科目では、三年生の秋学期まで専攻の変更が可能な場合もあります。ただし、可能であれば入学時からある程度の見通しを立てて早い時期に専攻を決めることです。特に四年感で確実に卒業しようと考えている場合は、専攻を早めに決定することで、早くから専攻科目を多く履修し、専攻に必要のない科目の履修を抑えることができます。


(2)専攻選び
このように米国大学は科目選択の拘束が少なく専攻選びがかなり自由です。人気があるのは、大学院で法律や医学を専攻するための準備コースです。これは検事、弁護士、医者などになれば高い社会的地位と高収入を得ることができると考えられているからです。また、現在ではコンピューターサイエンスなどプログラミングなどのスキルを身につけることのできる専攻が人気です。将来、エンジニアやITに関わる仕事をしたいと考えている学生に多いです。
さらに、バイオ、バイオケミストリー、ビジネス、エンジニアリングも人気の高い専攻です。

学科によっては、その学科を専攻するのにスクリーニング(選考)があるものもあります。代表的なものとしては、アスレティックトレーニング、作業療法、医学、映画学などがあります。スクリーニングの内容は大学、学科によっても様々ですが、履修クラス、GPAの最低基準、必修科目数、履修時期など、内容、レベルともに多岐にわたっています。

(3)専攻の設定方法
①ダブルメジャー
タブルメジャーと言われるのは、同時に二つを専攻するものです。もちろんその分履修必須科目が増えるので大変ですが、挑戦する学生は珍しくありません。どちらの専攻のも興味があって一つに決められないという場合、あるいは確固たる目標があってどちらの専攻も将来必要と考える場合などにこの選択をすると良いと思います。ただし、履修科目の増加により、卒業までに時間がかかる可能性があります。

②副専攻(Minor)
専攻以外に学んでみたい学科がある場合や、専攻に密接する学科を一定レベルまで専門的に学んでみたい場合に、副専攻として選択することができます。専攻学科ほど必修科目は多くありませんが、副専攻として登録するために必要な履修単位数を満たさなければなりません。

(4)その他のスペシャルプログラム
大学入学と同時に専攻を申請する学生に対して、Sophomore Standingを与えるシステムがある大学もあります。学士号以上に学位を目指す学生にとって耳寄りなこのシステムは、入学時から専攻を明確にすることによってより早く専攻必修科目を履修することができるため、三年生までに通常四年間の学部課程を修了して学士号を取得、そして四年目には同専攻の修士課程をも修了できるという超スピードコースです。また、学部の四年次に大学院レベルの科目を履修し始め、5年間で修士号まで取得するというプログラムもあります。
何れにせよ、米国大学は専攻に関してとても柔軟な考え方をしており、課程途中d絵変更も可能です。

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