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ベースプレートコンパスを"ガンガン"使おう!_楽しい登山への第一歩⑪

前回の記事では、お山で使うコンパスをベースプレートコンパス(以下、BPCと略称)にスイッチし、それによるナビゲーションついて書きました。

ベースプレートコンパスを使おう!_楽しい登山への第一歩⑩

今回は、単なる進行方向以外の、私が経験から感じた超重要な活用方法について書きたいと思います。

☆地図に磁北線を引こう☆

磁北というのは、コンパスが指し示す北、になります。
「え、針が北を向くからそっちが北なんじゃないの?」
という疑問を持たれるかもですが、微妙に違います。
(^^;

磁北と真北は微妙に違います。地球の磁力の影響で、コンパスは真北から微妙に傾いた方向を指し示しています。これは地球上の地域によって程度は違いますが、山と高原地図など主要な地図には、当該エリアでの傾きの程度が記載されているので、それを参考にするといいかも知れません。

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私が持っている奥多摩エリアの山と高原地図では、上図のように書かれています。西に7°16の傾きです。

で、これを把握したうえでどうするかというハナシですが、お山の読図でカプセルを回すとき、北方角をその数値を加味したうえで微調整します。
具体的なやり方としては、2通りあるかなと思います。

1.地図に直接磁北線を引き、カプセルの北をそれに合わせる。
⇒カプセル内に、南北の平行線が何本も引かれているので、地図に引いた磁北線と平行に合わせるのはそんなに難しくはないと思います。

2.地図に磁北線は引かず、真北にまずセットした後、数値分だけ傾ける。
⇒カプセルのフチに、2°刻みで目盛りが設けられているので、それでおおよそ傾きは調整できると思います。

因みに私は線を引くのが面倒くさく、2の方法を採択していますw

※ 地図の印刷時に磁北線を付記させる方法を教えていただきましたので、こちらに追記させていただきます↓

地理院地図の地図画面 > ツール > その他 > 磁北線

こうすることで画面上に磁北線が表示され、印刷時にも付記されます。

☆目印の特定にBPCを使おう!☆

私がBPCを使って読図登山をするとき、最高に楽しい瞬間のひとつがコレです!むしろこのためにBPCを使っていると言っても過言ではありません。これを効率的に行うことで、読図の制度は飛躍的に向上します。

具体的に何をするのか?まず端的に結論から書きます。
山を歩いている時、そこが尾根筋であれ谷筋であれ、中腹のトラバースであれ、周辺には支尾根や支沢が見えていますよね。その支尾根や支沢に向かってBPCをかざします

以下、具体的に述べます。
これまでの記事で、ルート上の特徴的な地形を見出し、それを現在地把握の目印とする的に書いてきました。

読図登山に出掛ける準備の補足_楽しい登山への第一歩 Extra04

で、ここで問題なのが、
「実際にその場所に到着した...ハズ。一応こっちの方向から支尾根が合流する予定になっていて、実際ココの場所がそういうポイントになっているし」
例えばこういう状況、これまでの練習中に経験しませんでしたか?

つまり、いま目の前に見えている特徴的な地形が、ホントに地図上で予定していたソレなのか確信が持てない、というケースです。

この状況でBPCを使えば、かなり高い確率で正否を判断できます。

具体例を用いて、更に述べたいと思います。

無題 - コピー

上図は、過去の記事で使っていたものをそのまま持ってきました。
東京の景信山への登山道ですね。例えばオレンジのポイントに到着した時、ホントにそこかの確認方法として...

仮に「東から伸びている尾根に合流している」という確認方法をとるとした場合、まず前回記事で紹介したように、from toで尾根が走ってきている東の方へ向けてBPCをセッティングします。
そしてかざした先、矢印がその尾根の走ってきている方を指し示せば、確かに見立てていた通りの地形であり、従って現在地も見立て通りの場所だ、という結論を導くことが出来ます。

これは逆の手法をとってもいいと思います。つまり、到着した段階で先にコンパスを実際の尾根の走ってきている方に向かってかざし、その状態で次にカプセルの北を針が示している北に合わせます。そして最後に地図上でfrom toでコンパスをあてがい、磁北分コンパスを傾かせる...その結果コンパスが地図上で尾根の走ってきている方を指し示していれば、同様に見立て通りの場所だ、という結論に至れます。

... ... ...

上記事例では、登山の全行程での大きな中間点のみでの確認でした。が、これをもっと細かく、それこそ穴があくほど目を凝らして沢山特徴を拾い、現地でその都度確認を実施すれば、それに比例して現在地把握の精度は上がっていきます。

なので掲題にかいた"ガンガン"とは、この作業をガンガンやって現在地把握の精度を向上させよう!という意味ですw

※ 勿論理屈通りにいかないこともありますが、そのギャップを埋めるための肉付け的な方法論を、次回以降の記事で集中して書いていきたいと思います。
(^O^)

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