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『#キミ傷』を読んで地味にびっくりしたことベスト3

夏休みには苦い思い出があります。
高校2年生のときです。
8月頭の花火大会のときにクラスで集まったのですが、その場のノリに流されて女子たちに……(以下略)。

翌日、冷静さを取り戻して以降、1カ月弱の間「オレはなんてことをしてしまったんだ……!」と後悔し、限界集落のポツンと一軒家の中で、学校に行くのが怖くて怖くて震えて過ごしました。せっかくの休みなのに、ホント地獄でしたね。

さて、方向性はそれぞれ異なるでしょうが、10代のときにドキドキするような冒険をした人は多いはず。
それが「青春」の一言で片付けられるようなものであれば良い思い出になるでしょうが、イキった結果、警察のご厄介になったという人もいることでしょう。
政府の指摘のとおり、10代の子にとって開放感がある夏休みは非行に走ったり、犯罪被害者になりやすいものです。とくに今年は数年溜まったコロナの鬱憤が弾けそうです。

そもそも、思春期爆走中の10代の心は不安定そのもの。私のように劣情と理性のバランスが崩れたり、ちょっぴり大人に憧れたことで、逸脱行為に走ったりするものです。
そしてそんな少年少女とその保護者の方に読んでいただきたいのが、7月の新刊で早くも重版が決まった『もしキミが、人を傷つけたなら、傷つけられたなら』(通称#キミ傷)です。

著者のかなえ先生が本書に書かれたことは驚くことばかりだったのですが、ここでは私が「地味に驚いた」ことを3つ、ランキング形式でご紹介したいと思います。「本当に驚いたこと」をネタバレするのはもったいないので、ぜひ手にとってお確かめいただければと思います。


第3位 女性の結婚可能年齢が16歳から18歳に引き上げ

今年の4月からだそうです。本書を編集するまで気づきませんでした。

私は中学生のときに保健体育か何かの授業で「女子のほうが身体の発育が早いぶん、男子よりも2歳早く結婚できる」と聞いて、「そういうもんなのか……」と思いつつも、「いや、冷静に考えてホントにそうか?」という疑念も頭をもたげ、モヤモヤしたものです。
女優の三船美佳さんが16歳のときに24歳年上のThe虎舞竜の高橋ジョージさんと結婚を発表したときなんかは(のちに離婚)、当時19歳くらいの自分はこの事象をどう解釈し、自分のなかでどう落とし前をつけるべきか、無駄に悩んでしまいました。
当時は映画をよく見ていたのですが、『七人の侍』の菊千代(三船敏郎)を見て、娘の結婚をこのオヤジが知ったらどう思うだろう……などと、これまた無駄に心配しました。

第2位 虐待に気づいたら通報するのは日本国民の義務

これについては、以前書いた次の記事をご覧いただければと思います。

日本人の三代義務(教育の義務、勤労の義務、納税の義務)の他にも、「虐待を見て見ぬふりせず、それを通報しなければならない」という大切な義務があるというのは、日本国民全員が覚えておくべきですね。
私は恥ずかしながら知りませんでしたので、地味に驚きました。

第1位 性交同意年齢は13歳

これは「地味」どころじゃないかも。ちょっと衝撃でした。あまりにも年齢が低すぎるので。

刑法が制定されたのは1907(明治40)年のことで、当時の日本は今よりもはるかに結婚年齢が低かったようです。それゆえに、13 歳未満の性的な搾取を防止し、13 歳未満を保護するために、日本において性交同意年齢が「13 歳」に設定されたと考えられています。
ただし、この性交同意年齢については、現在も「これでいいのか」と議論が続いており、今後見直される可能性もあります。米国では州によって16 歳~18 歳、英国では16歳と設定されており、隣国の韓国でも2020 年に性犯罪が厳罰化されたことで性交同意年齢の見直しがなされ、13 歳から16 歳に引き上げられました。このことから日本の性交同意年齢は低すぎるとの声が出ています。

『もしキミが、人を傷つけたなら、傷つけられたなら』

では、「13歳同士で性交するのは問題ないのか」「成人と13歳が性交するのは違法ではないのか」と素朴な疑問が次々に湧いてきます。
そうした微妙なところについても、本書では法律や犯罪学をベースに解説していきます。


以上のように、ふだんなかなか学ぶ機会はないけど、社会生活をおくるうえで大切なことが、本書にはたくさん書かれています。
ぜひ、手にとってみてください。

(編集部 いしぐろ)

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