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エリートは逃げる努力をしている?

こんにちは。
フォレスト出版 編集部の美馬です。

突然ですが、「自分はデキるやつだ」「自分はエリートだ」と思っている人は世の中にどれくらいいると思いますか?

『全米トップ校が教える自己肯定感の育て方』(星友啓/朝日新聞出版)によると、

仮にこれを”自己肯定感”としたときに、例えば、「自分に価値があると感じるか」という質問に、アメリカや中国では約8割がイエスと答えるのに対して、日本は2割にも満たないと言います。慎ましい日本人特有の価値観によるものとはいえ、あまりの低さに驚きます。

では、自己肯定感が低いとどのような問題が生じるのでしょうか。

星友啓氏によると、

「今度こんな悪いことが起きたら立ち向かえない」という思いから、不安症の発症につながりやすい。それから、お金や地位など、何かを得ることで自分の評価を高める間違った自己肯定感も、長期的にはうつ病や不安症のリスクをあげてしまいます。お金や地位などで短期的にはやる気や自己肯定感が上がっても、長期的には悪影響なことが明らかにされてきました。そして、満足できなくなるとストレスが溜まってイライラしてくる。恋愛も友人関係もうまく続かず、離婚率が高くなるという報告もあります。心の隙間を埋めるために、タバコやお酒、ドラックなどの薬物に依存する傾向が出てくることも今までの研究でわかっています。

といった具合に、メンタル疾患、依存症にまで影響するというので、日本人の自己肯定感の低さは、言うまでもなく非常に深刻な問題となりそうです。

さて、冒頭の話に戻りますが、「自分はデキないやつだ」「自分はエリートではない」と思っている人に朗報です。ある”ズルい努力”をすることで約1万人近くの人がセミリタイアに成功したという話があるのです。巷ではこれを、『悪魔の法則』と呼んでいるのだとかなんとか。

それがこちらの『「社会人1年目クビ」からたった5年で「セミリタイア」を果たした僕のやっている ズルい努力』(やまもとりゅうけん/SBクリエイティブ)で解説されています。

著者のやまもとりゅうけんさんについては、本書の”はじめに”から一部抜粋してご紹介させていただきます。

 こんにちは。
 やまもとりゅうけんです。
 僕はオンラインサロン「人生逃げ切りサロン」を主宰しています。
 会員数はおよそ5000人。ビジネスオンラインサロンとしては規模・実績ともにナンバーワンです。また、YouTube、Twitter、TikTok、Instagramなど、SNSの総フォロワー数は約30万人にもなっています。
 収入も相応の額面になり、物欲もないのでもはやお金に困ることはありません。早くもセミリタイアを果たしました。今では組織にも時間にも縛られず、自由な生き方が実現できています。仕事はしていますが、趣味の延長のようなものです。

「それは、やまもとさんがもともとエリートだったからでしょ?」
と思われるかもしれませんが、とんでもありません。
 もともとエリートだったかというと、まったくそうではありませんでした。

 まず、スタートが貧乏でした。
 
幼い頃、父が事業に失敗して多額の借金を背負うことに。それからの我が家は、貧乏生活がデフォルトでした。
 運よく中小企業の経営者だった祖父の援助があり、大学に進学できました。比較的お金のかからない国立大学とはいえ、もちろん奨学金制度もフル活用です。
 人生を逆転しようと新卒で就職した会社では、なんと手取り17万円
 そのあまりの収入の少なさに愕然として副業を始めますが、これが会社にバレて入社11カ月でクビになってしまいました。
 それでは終わりません。安定した職を失ったうえ、その失った原因である副業にも失敗。借金400万円を背負うことになりました。これにさらに、奨学金返済がありました。

「なんでこんなにがんばっているのに、報われないんだろう」
「エリートではない自分は、成功などできないのだろうか」
 当時の僕はそう思っていました。
 一方で、「なんであんな人が評価されるんだ?」と思う人もたくさんいました。悔しい……しかし、分析することにしてみました。彼らは普通の人と何が違うんだろうと。

『「社会人1年目クビ」からたった5年で「セミリタイア」を果たした僕のやっている ズルい努力』(やまもとりゅうけん/SBクリエイティブ)

かなり壮絶な経歴をお持ちの方のようですが……。
私は、自分が出版業界に入るまで、「ビジネス書を出版できるような人は、順風満帆に輝かしい実績を積み上げている、いわゆる典型的なエリートなのでは?」と思っていましたが、意外に皆さん”失敗”していることが多いんですよね。そして大体の方が自分のことを”凡人”だと言っているような気がします。

本書の著者であるやまもとりゅうけんさんも、例のごとく自分のことを”凡人”だと話しています。では、そんな著者が「実力主義」から抜け出し、”ズルい努力”でセミリタイアに成功した方法は何でしょうか。


著者曰く、世の中で成功している人は、正攻法では戦っていないのだと言います。ゲームにも裏ルールがあるように、社会というステージにも抜け道となる裏ルールがあるとのこと。今回は、この裏ルールの1つ、『”逃げる”ことこそ最高の努力』をご紹介します。

一度何かをはじめたとき、どんなにつらい状況に陥ってもそこから逃げないことが美徳になり、それを乗り越えると美談として語られるようになります。社会の雰囲気的にも、根性論でどうにかなるような時代でもないですし、”逃げない”という選択肢は、時に思考を停止しているとみなされることがあると言います。

著者はこの思考停止の状態から逃げる努力を重ねたことで、それまでの経験と新しい経験を重ね合わせ、自分の中に眠る希少性を生み出したとのことです。

会社員として、おそらく大部分の方が受注側からスタートすることと思います。しかし、本当の幸せを手に入れるためには、受注する側から発注する側に移行することが本書では推奨されており、それを実現するのが「戦略的に逃げる」ということ。1つのことに固執せず、偏差値60くらいまで極めて、それ以上成果が見込めなければ別のことに注力する。これを繰り返すことで、さまざまな経験と質の高いスキルを獲得することができ、これらが掛け合わさって生まれた希少性は、知らず知らずのうちに自分の武器となると言います。

このルールは、仕事に限らず、勉強や人間関係にも通じるところが多そうです。苦手な勉強から逃げても良いし、苦手な人から逃げても良い。無理して立ち向かってメンタルブレイクするよりも、いろいろなことに一旦は挑戦してみた、という事実それ自体が、自分を良い方向に導いてくれそうな気がします。そう考えると少しは気持ちが楽になると思いませんか?

また、「こうあるべきから逃げる」ことも必要だと著者は言います。

「プログラミングの仕事はこうあるべきだ」
「動画編集ならこういう技術を持っていない人は認めない」
「デザインをするなら、美大かデザイン専門学校を出ていないとダメだ」
「現場で実務を5年やってなかったら一人前ではない」

『「社会人1年目クビ」からたった5年で「セミリタイア」を果たした僕のやっている ズルい努力』(やまもとりゅうけん/SBクリエイティブ)

世の中には、誰が決めたかわからない「こうあるべき」が蔓延っています。「こうあるべき」からあえてズレた市場をつくることで、自由な発想ができる。例えば、新たに事業を展開するとき、すでにその界隈で「こうあるべき」というルールができあがっているのなら、「偏差値60の新参者」ということを強みにすることで、その市場は、独裁的なものから、誰もが興味を持ってくれる民主的なものに変わるとのこと。

つまり、型にハマった考え方は非常に生産性の悪い考え方と言えます。そして押しつけがましくつまらないものです。

クリエイティブな仕事をしていると、自分の企画に対する他者の意見を含め、いろいろな人の企画や意見に触れることになります。もちろん意見は三者三葉、意見が正反対になることもあります。はじめのうちは、先輩の意見がすべて正解のように思いましたし、自分の意見なんて頭の中にないようなものでした。「先輩の意見に従うべきだ」という思考になっていたのだと思います。そうなるとだんだん企画も、意見も思いつかなくなって行き詰ってしまうんですよね……。

新人のうちは前に倣えをしておくべきかもしれませんが、間違っていても自分の意見をとりあえず言ってみることは大切かもしれない、と感じる今日この頃です。「こうあるべきから逃げる」ことでのびのびとした新たな発想と、自己の成長、悩みの尽きない不健康な生活から解放されるのではないでしょうか。


ぜひ皆さんも”逃げる努力”をしてみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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