見出し画像

「本の値段」を考える

フォレスト出版編集部の寺崎です。

みなさん、本って高いと思いますか?
安いと思いますか?

ビジネス書の場合、四六判と呼ばれる判型(128×188mmもしくは130×188mm)が主流ですが、だいたい1200円から1800円ぐらいがボリュームゾーンでしょうか。

ところが最近はかなり分厚くて、値段も3000円以上のベストセラーが目立ってきました。

たとえば8万5000部を超えるベストセラーとなったこの本。
本文はなんと832ページ!

ひと昔前だったら考えられない世界です。

本の価格設定は、製造にかかる原価、部数で判断されます。大きな部数を刷る場合は価格抑えめにできます。一方、少ない部数で必要最低限の読者に届けるような書籍は価格は高めに必然的になります。

書籍1冊をつくるのにかかる費用はなにがあるでしょうか。

①著者印税
②校正費用
③DTP(組版)コスト
④デザイン料
⑤イラスト料
⑥印刷・製本費用

このなかでいちばんお金がかかるのが「①印税」「⑥印刷・製本費用」です。最近では「印税はゼロでいいから、その分を販促費用に回してほしい」と申し出てくださる著者も多く、こういう場合はとても助かります。発売と同時にWEB広告を回して、Amazonで初速が出たタイミングを狙って新聞広告を打つ→重版・・・と好循環をうまく回せるケースも。

ところで「⑥印刷・製本費用」でもっともコストがかかるものは何だと思いますか?

答えは・・・・・・本文用紙です。

とにかく「紙」って高いんですよね・・・。

最近は「軽くて厚手の本文用紙」がバリエーション豊かに用意されていて、この点は助かっています。

軽い紙が編集者に喜ばれる理由は「紙の値段は重さで決まる」からです。もちろん銘柄によって値段はピンキリですが、書籍の本文に使う用紙はだいたい定番品と呼ばれるものが多く、銘柄による大きな価格差はありません。

ひと昔前は「ちょっとページ数かさんじゃったから、ワンランク薄い紙にするか・・・」なんてやっちゃったときに、裏映りしてしまった(印刷したインキが裏のページにも透けて見える)なんてことも。

でも、今では「軽くて厚手の本文用紙」の銘柄が多く出そろっているので、こういうことはほぼなくなりました。

とまあ、なにが言いたいかと言うと。

紙の本って、つくるのにそこそこお金がかかるわけで、編集者はそのバランスの調整に苦慮しているのです。読者の立場からすると「安ければ安いほどいい」。一方、作り手としては「価格付けはここまでが限界」というポイントがあります。

ところで、紙の本で世界一高いのは「古書」でしょう。

史上もっとも高額な書籍は、レオナルド・ダ・ヴィンチの「レスター手稿(Codex Leicester)」だそうです。1994年にビル・ゲイツが購入した「レスター手稿」の金額はなんと3080万ドル。2021年5月現在のレートで換算すると33億4488万円です。

▼レスター手稿の紙面(wikipediaより)

画像1

出版は1510年。29 × 22 cmの36枚の紙からなり、皮で綴じられているそうです。36枚の紙ということは・・・たった72ページ!

本文72ページの書籍の本体価格が38億円(笑)。

そういえば私も、さすがに38億円ではないですが、書籍にしては驚愕の「5万円の本」をつくったことがあります。

『マインド・プロファイリング豪華書籍版【DVD付】』の書籍は、中世の聖書を意識して作り込みました。革張り装丁+金の箔押し+空押しの文様で、とても所有欲を満たす造本に仕上がったかと思います。

ただ・・・造本からパッケージまで凝りに凝ったため、めちゃくちゃお金がかかってしまいました。通常、原価率は35~40%くらいに収めるのがヨシとされていますが、この商品は余裕で原価率50パーを超えてしまったような気がしないでもないです(小声)。

本商品ですが、昨年【限定500セット】で発売して2週間で完売してしまったため、このたび【200セット限定】再販売する運びとなりました。5月8日現在、残り50セットを切っていますので、ドクター苫米地ファンの方々におかれまして、お早目にチェックいただくことをおすすめいたします!

▼詳しくはこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?