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「野菜と果物は健康にいい」はウソ!?

ふるさと納税で申し込んだ博多若杉のもつ鍋セットが週末届き、昨晩はゴボウとキャベツを大量にぶっこんだもつ鍋を食べて、ふだん不足しがちな食物繊維がモリモリ摂れたフォレスト出版編集部の寺崎です。

故・藤田紘一郎先生の著書『人生100年時代の老いない食事』によれば、キャベツは野菜のなかでもダントツに繊維質の含有量が多い野菜なので、意識して摂取することをおすすめします。

一方のゴボウはといえば、もう見た目からして「食物繊維」です。ごっそり腸を掃除してくれそうなイメージですが、血糖値に問題を抱える人にとってはちょっとだけ注意が必要です。

いったい、どういうことなのか。

『血糖値を自力で下げるやり方大全』(市原由美江・著)からポイントをお伝えします。

どんどん食べて良い野菜と、糖質が多い「要注意な野菜」

 糖尿病専門医としては、「糖質制限」には賛成できませんが、日々の食事で糖質の量を意識することは大切だと思っています。ただ、食事で「糖質」をコントロールしようと思うと、みなさん、どうしても主食である米や小麦などに目が向きがち。
 でも、糖質が多い「要注意な野菜」に無頓着ではありませんか? 
 糖質が多い野菜といえば、イモやニンジン、ゴボウなど、土に埋まって育った根菜。例えばジャガイモは100g当たり16・1g。イモはでんぷんだから、糖質が多いのも納得だと思います。
 でも、ニンジンはβカロテン、ゴボウは食物繊維が豊富で、ヘルシーなイメージがありますから、糖質の多い要注意野菜と言われるのは意外かもしれませんね。きんぴらごぼうなんて、実は糖質が1人前(約80g)に、約12gほど含まれているんですよ。だからと言ってきんぴらを食べるなと言うわけではありません。「きんぴらはダイエットにいいから生活習慣病の味方、たくさん食べよう」なんて思っていると、血糖値が上がってしまいますよということです。きんぴらを食べるなら、量は控えめにすることをオススメします。
 タマネギ、レンコン、サトイモなども根菜で、糖質は高めです。そのほか、どんな野菜に注意が必要でしょう? カボチャは一見、糖質が多そうですが、実は100g当たり2・8gと控えめです。でも、煮物にするとき、砂糖を加えたら元も子もありません。甘く煮るときは代用甘味料を使いましょう。トウモロコシは甘いだけあって、100g当たり13・8gもあります。
 逆に、糖質が少ないのは、キャベツやレタス、ほうれん草などの葉物野菜です。それから、エダマメやスナップエンドウ、キヌサヤ、グリーンピースなどの豆類。食事のとき、糖質の少ないものを先に食べると糖質の吸収速度が緩やかになります。糖質の高い要注意野菜を食べるなら、その前に葉物野菜や海藻料理を食べるようにしましょう。

『血糖値を自力で下げるやり方大全』より

健康な人であれば、まったく問題ないのですが、血糖値が高い方にとっては「糖質が多い根菜類」は注意したほうがよさそうです。

逆にキャベツは糖質が少ないということで、キャベツは偉大ですね!糖質が少なく、食物繊維が豊富。千切りキャベツは食べ過ぎると、おなかにも溜まるのでダイエットの味方になりそうです。

「野菜は健康にいい!」ということは事実ですが、ものによっては注意が必要という話でした。

ところで、フルーツ(果物)も健康にいいイメージがあります。私は母親によく「朝のフルーツは金、昼のフルーツは銀、夜のフルーツは銅」なんて繰り返し聞かされていて、とにかく朝食べるフルーツは体にいいものだという刷り込みがあります。

ただし、こちらも条件があります。
「健康体」であることです。

これまた血糖値が高い人にとって、フルーツはNGだそうです。

油断大敵!フルーツ血糖とのキケンな関係

 糖尿病、糖尿病予備軍のみなさん。「フルーツはビタミン豊富で、自然の甘さだから体に良い」という間違った「フルーツ信仰」は、今すぐ、捨ててください。
 私の患者さんでも、ヘモグロビンA1cがぴょこっと上がっている方に尋ねると、「桃の季節だから」「柿をたくさんもらって」「バナナがお通じにいいと聞いて」など、フルーツを理由にするフルーツ信者さんたちがいっぱい。旬のフルーツが美味しいのは事実ですが、フルーツが血糖コントロールに悪いのも事実なんです。
「フルーツは、血糖値はたいして上げないでしょ?」なんていう甘~い考えは、すぐに捨ててください。もう一度、言わせてもらいます。フルーツは、血糖値を爆上げします! その証拠に、私が低血糖になったときに飲むのは、100%果汁のジュース。しっかり血糖値を上げてくれますよ~。(編注:著者の市原先生は1型糖尿病です)
 フルーツが体に良いと言えるのは、「健康な人がフルーツを適量食べる」場合です。糖尿病の人や血糖値に不安がある人は、フルーツの食べ過ぎで血糖値は上がり、血糖コントロールは悪化します。確実に。
 たとえば、みんなが大好きなバナナ1本の糖質は、約20g。リンゴ1個の糖質は約40gです。ごはん軽く1杯(150g)の糖質が約50gなので、それに迫るいきおいです。ハッキリ言ってしまえば、バランスのとれた食事をしていれば、フルーツを積極的に摂るべき理由はないんです。フルーツに含まれるブドウ糖は、直接、血糖値を上げますし、果糖は中性脂肪を増やしやすいので、太るし脂肪肝の原因となり、結果、インスリン抵抗性を引き起こして血糖値を上げてしまうのです。
 でも、食後のフルーツは欠かせないという人、多いですよね。そこで、最大限の妥協策を考えました。糖質量の多いバナナは1本弱、リンゴは半分、柿は1個弱でガマン! 糖質量の少ない、イチゴやサクランボ、メロンは、「適量」であればOKです。「1日1回、片手に乗せておさまるくらいの量」なら、血糖値をはね上げる危険性は抑えられるはずなので。

『血糖値を自力で下げるやり方大全』より

・・・フルーツ好きの方にとっては残念なお知らせとなってしまいました。

ちなみに「フルーツを食べることで酵素が摂れる」というのも一種の神話(フードファディズム)だそうです。

ただし、上記は「血糖値が高めの糖尿病予備軍」「糖尿病」の方に限ります。健康な人は根菜類もフルーツもどんどん取り入れてオッケーです!

気になる方はぜひ『血糖値を自力で下げるやり方大全』を手に取って見てみてください!


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