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会議やプレゼンで自分の意見を通すための心理技術

フォレスト出版編集部の寺崎です。

先日、Voicyで「【出版の裏側】企画会議で心がけていること」というテーマでフリートークをしたのですが、そのときにある担当書籍を思い出しました。

ビジネス心理研究家・神岡真司さんの『思い通りに人をあやつる心理テクニック101』という書籍です。この本に「会議で主導権を握って相手を丸め込む説得の技法」というテクニックが紹介されていたのです。

今日はそれがどのようなテクニックなのか、本書から引用してご紹介したいと思います。

会議で主導権を握って自分の意見を通す方法

 会議で主導権を握るのに効果的なのは、あらかじめ根回しを行って、賛同してくれる人を多く作っておくことです。すると、会議の場では、同調効果がはたらいて、合意が得られやすくなるでしょう。

神岡真司『思い通りに人をあやつる心理テクニック101』より

あらかじめ根回ししておく・・・たしかに、それができればうまくいくでしょう。しかし、いつでも事前に根回ししておけるわけではありません。

ときには「自分以外に賛同者が一人しかいない」なんて状況もありえます。その場合、どうしたらいいか。


 自分の意見に賛同してくれている人が、たった一人しかいない場合は、どうしたらよいのでしょうか。そんな時には、まず、自分の座る席の真っ正面の位置の席に、賛同者に座ってくれるよう頼んでおくことです。会議で、反対意見を言おうと待ち構えている人は、たいてい意見発表者の真っ正面に座る傾向があるからです。
 
これは、米国の心理学者スティンザーが実験で得た会議の法則「スティンザーの3原則」に基づく方法論です。
 スティンザーによれば、次のような3つの原則が挙げられています。

【スティンザーの3原則による「会議の法則」】
① 会議の時、正面に座る人は、過去に激しくやりあった人、反対意見の人が多い。
② 会議の時、ある発言が終わったあとに発言する人は、反対者であることが多い。
③ 議長の主導権が弱いと、正面に座る人同士で私語し、強い時には隣同士が私語する傾向がある

 
 そして、自分の意見のすぐあとに、賛同者にすぐ「賛成です」と言ってもらいます。反対意見の人が、すぐあとに意見を述べようと待ち構えているのを封じるためです。こうすることで、自分の意見の賛同者をふやしやすい環境がつくれるのです。

神岡真司『思い通りに人をあやつる心理テクニック101』より

人が他人の意見に流されやすいのはなぜか?

また、会議などのシーンでよく見られる現象が次の二つではないでしょうか。

①最初に発言した数名の意見に流される
②声の大きい人の意見が通ってしまう

これについても心理学の世界では「同調行動」「バンドワゴン効果」と名付けられています。

 日本人は、集団主義の呪縛に弱いとされています。
 一人だけ、みんなと違った行動をするには抵抗があるのです。
「仲間外れ」を恐れる心理は、共同作業が欠かせなかった、長い農耕文化にその理由があるのかもしれません。心理学では「同調行動」と呼びますが、効果もバツグンなのです。

同僚A
「斉藤も鈴木も工藤も、すでに賛成してくれたけど、きみはどうなんだい?」
同僚B
「えっ? あ、もちろん(汗)、ぼ、ぼくも、その意見には賛成するよ」

神岡真司『思い通りに人をあやつる心理テクニック101』より

これって、小学生ぐらいの子どももよくやる心理テクニックですね。

子ども「ねえねえ、パパ。スマホ買って」
父親「スマホ?なんで必要なの?」
子ども「だって、クラスの子、みんな持ってるもん」
父親「ほお、みんなって誰と誰?」
子ども「ええっと・・・みほちゃんとゆうりちゃんと……(モゴモゴ)」

さすがに小学生の心理テクニックにだまされる大人はいませんが。

 同調には、見せかけだけの「表面的同調」と、本心からの「内面的同調」があります。
 同調行動は、「バンドワゴン効果」という名で知られます。
 バンドワゴンとは、パレードの先頭で音を鳴らす楽隊車のことを意味し、多勢に与する・時流におもねる・勝ち馬に乗る――といった行動を指しています。
 会議の前に根回しをして多数派を形成しておくと合意が得られやすくなります。
 流行の製品や人気のあるサービスには、多くの人が群がります。
 また、選挙で自分の票を生かしたい人は、優勢が伝えられる候補に投票します。
 ちなみに、多数の支持があることを嫌い、別のモノを支持するのを「スノッブ効果」、高価で高級品であるほど支持を集める現象を「ウェブレン効果」と言います。
 バンドワゴン効果の逆は、判官びいきで劣勢を支持する「アンダードッグ効果」です。

神岡真司『思い通りに人をあやつる心理テクニック101』より

こうした心理テクニックにしてやられる側ではなく、こちらから仕掛けて優勢になる方法論をぜひ見につけたいものです。


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