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フリーランスに向いている性格、向いていない性格

先週、フリーランスの新しいビジネスモデルを解説する新刊『フリーランスになって、「こんなはずじゃなかった!」と思ったら読む本』(北野哲正)の「まえがき」を掲載しました。

私も、将来的にはフリーランスにならざるをえないと考えていますが、払拭しがたい不安を抱えています。私のような事務作業が苦手で(苦手というか面倒くさい)、スケジュールを守れず、人付き合いをおろそかにする人間に務まるのか、と。
やはり、フリーランスに向いている性格、向いていない性格があると思うのです。
前掲書から、そんな問いに対して解説している箇所を、以下に一部抜粋して掲載します。

私はたくさんのフリーランスの方とお仕事をさせていただいていますし、その中には業界で大活躍している人や「金持ちフリーランス」といえる人もいます。以下を読むと、確かにかれらの人物像に当てはまることが多いと感じる一方で、自身と照らし合わせると半分くらいは当てはまらないので焦ります。みなさんはいかがでしょうか?


フリーランスに向いている性格とは?

 さて、ここまでお読みいただいて気づいているかと思いますが、私は会社勤めしているサラリーマンが、いきなり本業フリーランスとして独立するのではなく、まずは副業としてフリーランスを始めることを前提に語っています。
 なぜなら、会社員を辞めていきなり本業フリーランスになるのはリスクが高すぎるから。
 本当に自分がフリーランスとして働いていけるのか、会社員時代と同じくらいかそれ以上に稼ぐことはできるか、スキルや人脈を持てるかどうかなど、実際に働いてみなければ明確なイメージをつかむことはできません。まずは、リスクヘッジとして会社員という立場があるうえで、副業フリーランスを試して、本当に自分に向いている働き方なのかどうかを多角的に判断すべきなのです。
 その判断材料の1つとして、性格の向き不向きがあります。
 もちろん、誰でもフリーランスになることはできます。しかし、ある程度性格が向いていないとフリーランスとして働き続けるには厳しいものがあるのです。
 フリーランスとしてバリバリ稼ぐために何が必要かと問われたら、多くの方は「その人にはものすごい実績があるのでは?」とか、「人とは違う優れたスキルの持ち主なのでは?」と考えるでしょう。
 ところが、実績もスキルも最終的には獲得したいものではありますが、フリーランスとして成功するには、実は初めから持っていなければならないわけではありません。むしろ「フリーランスに向いている性格」を持っているか否かのほうが、独立してから数年間にとって重要なのです。
 裏を返せば、性格が向いていれば副業フリーランスから本業フリーランスにステップアップできるだけの実績やスキルを身につけることができ、フリーランスとしての価値を上げることができるというわけです。

向上心が強い―フリーランスに向いている性格①

 フリーランスの仕事は基本的に自分のスキルや知識を金銭的価値に変えるため、持っている専門性や独自性が高まれば高まるほど、報酬の「単価が高くなる」傾向にあります。
 ですから、専門性を常にアップデートしつづける向上心がなければ時代の変化についていけず、数年でフリーランスとしての価値が下落するでしょう。実際、医師や弁護士に代表される士業として第一線で活躍している人々は、最新の技術や知識の習得に貪欲です。
 自分のスキルの高さが収入に直結するため、絶えず自分を成長させ続けようとする向上心がある人のほうが、収入もある程度までは右肩上がりに伸ばすことができます。

相手の立場になって考えられる―フリーランスに向いている性格②

 フリーランスはクライアントから業務を請け負い、その要望を叶えることが本領です。しかし、いくら能力が高くてもクライアントが言葉に出さない「期待」を読み取れなければ、先方から「気が利かない」「仕事がやりづらい」と判断され、次回も声をかけてもらえる可能性はぐっと低くなってしまいます。
 このことについては、後ほどまた詳しく説明しましょう(⇔40ページ)。

仲間とのつながりを大事にする―フリーランスに向いている性格③

 フリーランスにとって、同業者は自分に仕事を回してくれたり、自分の仕事を助けてくれたりする貴重な存在なので、仲間とのつながりが大切です。同業者との横のつながりを大切にできる人は、相手から自分の仕事に関する感想や意見をもらうこともできるので、自分の仕事のクオリティを改善することもできます。また、急病などで大切な仕事に穴を空けてしまいそうなとき、同業者と親しくしていればピンチヒッターを頼むこともできます。
 またフリーランスは職種によってはずっと1人で仕事をすることになるため、仕事上の悩みを抱えた場合に会社員のように上司や同僚に相談できません。しかし仲の良い同業者がいれば愚痴ぐらいは聞いてもらえるので、孤立感や孤独感を感じずにすみます。
「同業者=貴重な仕事を奪い合うライバル」と考えて邪険にするよりも、横のつながりを大事にできる人のほうが息の長いフリーランスになれますし、のちに説明しますが「オーナーフリーランス」になるためのトレーニングにもなります。

インプットを重んじる―フリーランスに向いている性格④

 特にクリエイティブ型のフリーランスの場合、自分の中にあるものを絶え間なくアウトプットしていくため、「資源」が枯渇しないように、いつか自分の仕事に役立つさまざまな情報をインプットしておく必要があります。漫画の神様・手塚治虫も、どんなに多忙でも1日1本映画を鑑賞したそうです。
 博物館や美術館での芸術鑑賞に限りません。話題の本を読んだり、人に会って話を聞いたり、食事に行ったり、旅行をしたり。そういったフットワークの軽さや、どこにでも行っていろんなものを吸収しようという好奇心の強さが、フリーランスにとって必要なのです。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(編集部 い しく"ろ )

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