「まずはこれ食べて」著者/原田ひ香 読書感想
マメイケダのHPより
主に画業。
1992年島根県出雲市に生まれた。
高校卒業後、惣菜調理の仕事を3年勤めたのち、絵を描きに大阪に引っ越す。現在も大阪在住。
書籍の装画などのイラストレーションや展覧会での発表などを中心に活動。
2016年HBファイルコンペVol.27 仲條正義賞を受賞。
好きな食べ物は卵。
『ゲラは一気に読んだ。
出てくる料理を5点くらい描いてみて、目玉焼きご飯が装画に使われた。
裏表紙のだし巻き卵はちょっと焼き目がついてるやつで、と思い出して大阪・能勢にあるそば屋さんのだし巻きを参考にさせてもらって描いた。』
表紙のイラストの黄身の"光"加減が画像より妙にリアルで本を手に取ったのが始まりです。
マメイケダさんの好きな食べ物は卵だそうで納得した。
なんとも美味そうで目玉焼きも別の目で見えてくる。
季節が進むと外仕事が増えて、活字から離れてしまいます。オッといけないと座る時間を作る。
人物名が頻繁に出てくる割に、ストーリーのある料理本かと思いながら進むと、二転三転の展開でサスペンスを思い浮かべた。
就職氷河期世代と幻の「第3次ベビーブーム」
第三次ベビーブームは非常に分散して、長い時期に広がってしまって現象としては起きなかった。
第二次ベビーブーム ... 1971年から1974年までの子供と仮定する(実際には起きなかった)世代の子供の人生観と捉えても"生きる"はそう簡単には変わらず、どの世代も同じだけドラマはあると複雑な心境。
とは言え、優等生の雛形のない世代は大変興味深い。
育てた世代、育った世代、先達のサンプルも仰ぎ見、なかなかだった…気がする。
多様性(ダイバーシティ/diversity)のある人間…といわれて久しい。
人種や国籍、性別、年齢、障がいの有無、宗教、性的指向、価値観などの多様性
キャリアや経験、職歴、働き方といった職業生活における多様性まで幅広いジャンル。
日本においても現在話題の性別に於ける多様性が、果たして広く捉えてられているかと言えば、悩み苦しむ人も多くいる。
言葉では容易ですが、当事者とそうでない人と同じ苦しみに添えるわけではない…気がする。
戦後教育(古い言葉です)の学校での付け焼き刃では、すでに全員が右を向かない。
長い世代に渡り家庭で育む北欧社会に習うところは多い(暮らしてみて思った)
作家は1970年生まれ。第二ベビーブーム世代です。確かに多種多様に社会を「たすき掛け」で見つめる能力(経験なのか)は別の作品からも素晴らしいと感じる。
少数派の私にはアクロバティックに映る。
マメイケダさんの学歴・経歴にとらわれない素直な画風が好い。
「サンネンカン」の惣菜調理の後の画風に味わった事のない魅力がある。教育は単一ではなくなった。
民藝・工芸・クラフトと長々と生きてきた爺さん、婆さんも参考になる。
作家のクールながら食や自然に親しむ感性に自らが忘れていたものを思い出させてもらった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?