初夏に涼しげな色で咲く「ギボウシ」の名は?
白い木の花が咲き終わる頃、ギボウシが花の咲く前に葉を蓄えます。
ツヤツヤとして、青海波のように並ぶ葉、それだけで存在感はあります。(3〜11月)
擬宝珠(ぎぼし)には二つの意味があります。橋の欄干(らんかん)や神社の手すりといえば思いあたります。
その先の形に花のつぼみが似ている…と言う理由です。
ぎぼし
【擬宝珠】
1.
手すりや橋のらんかんに飾りとしてつける、ネギの花の形をしたもの。
2.
ゆり科の多年生植物。葉は、長い楕円(だえん)形で先端がとがる。夏、長い花茎を出し、細長い筒状の花を総状につける。花の色は、白・紫・淡紫など。ギボウシ。
山菜の「ウルイ」と庭の観賞用「ギボウシ」が同じ植物とは知らない人も多い。
ウルイ(オオバギボウシ)は山菜として売っている地方もあります。cookpadにもレシピが出ています。
ただし、バイケイソウなどのギボウシ類によく似た有毒な植物をウルイと誤って食べたことによる食中毒も起きています。
『牧野植物大図鑑』によると
オオバギボウシ、ギボウシ、スジギボウシ、ミズギボウシ、イワギボウシ、と5つの美しい精密画が並んでいる。
葉の大きさ、形、模様、花の付き方などの違いが説明されている。
しかし、擬宝珠の説明はない。
明治・大正・昭和という三つの時代を植物ひとすじに生きた人。
想像するに擬宝珠などことさら説明など必要ではなかった時代。
ギボウシはさらに、昭和・平成・令和と何事もなく毎年楽しませてくれます。
ムラサキツユクサも毎朝咲き、昼頃には枯れます。ギボウシの花も下から順序よく咲いて一日で枯れます。
全体で、一番綺麗な時はいつ?
続く蕾が全開することはない。一つづつ…
梅雨の最中に咲く花は紫陽花を思い浮かべます。
ピンク〜ブルー〜ムラサキ
白い花の後、夏のヒマワリの黄色の前の一時を潤すギボウシの花と葉は、地味ですが季節を繋いでくれる。
花が枯れて切り取ると葉は秋まで頑張っています。まとめて切り取るとまた来年!とねぎらう。
近くで見かけた時は思いだして!『ギボウシ』の事を…