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『40代からは「稼ぎ口」を2つにしなさい――年収アップと自由が手に入る働き方』 (坂下仁著)

本業以外の副収入を得て、セミリタイアを支援するお金のソムリエ協会会長・坂下仁氏による著書。坂下氏はメガバンクに25年以上勤務し、個人の資産形成と数千件の法人融資に関わってきたお金のプロ。坂下氏自身も銀行員時代に副業で始めたセミナーが成功して独立した実践者でもある。

著者は、現代の会社員は苦役を強いられていると唱える。

歴史の授業で「四公六民」を学びました。米の収穫高の4割が年貢で、6割が農民の取り分という、江戸時代の厳しい年貢制度のことです。国民負担率6割の私たちは「六公四民」なので、江戸時代の農民より私たちのほうがよっぽど貧乏です。
当時は人口の85%が百姓だったそうですが、これは今の日本のサラリーマン比率と全く同じ。違う点は1つだけ。昔の農民と違って、現代のサラリーマンは一揆を起こさないということ。物言わぬサラリーマンは、国にとっては格好の標的のようです。
私たち人類の歴史は、自由獲得のための戦いでもありました。サラリーマンとはせっかく獲得した自由と引き換えにお金をもらう稼業ですが、稼げるライフワークを始めれば、失った自由を取り戻すことができる。

会社員は、お金と引き換えに自由を奪われている。その自由を取り戻すためにも、全ての会社員は副業をすべきであると著者は述べている。中小企業庁の調査によると、副業を始めた人の約7割が、それを本業として事業を営む起業家に移行しているという(2019年版「小規模企業白書」)。また、アメリカではすでに、全労働人口の36%の5900万人がフリーランスです。2028年までに9010万人を超えて55%に達すると予想されている(FinancesOnline)。

著者は、会社員が副業をする場合、基本的に3つのビジネスしか成功しないという。

3つのビジネスとは、「物販ビジネス」「賃貸ビジネス」「情報ビジネス」
「超高難度のビジネス」「ハイリスクビジネス」「労働集約型ビジネス」を消去法で消し去ると、選択肢は一気に半分の約50ジャンルに絞られます。

著書は、副業として成功の確率が高いジャンルを「物販ビジネス」「賃貸ビジネス」「情報ビジネス」と絞り込み、その中から自分の強み(持ち駒)を活かせるジャンルで勝負すべきという。

稼げるライフワークのようなスモールビジネスは、オンリーワンとの相性が抜群です。生活資金程度なら、オンリーワンレベルで十分に稼げるからです。そして、オンリーワンのサービスや商品を提供するのに一番適した形態が、フリーランスやフリーエージェント。つまり、「副業」や「1人社長ないし、個人事業主としての独立」です。
持ち駒が、あなたの副業をオンリーワンの副業へと発展させる切り札となります。持ち駒とは、趣味や3年以上従事した仕事で得たスキル・信用、本で得た知識などのことを指します。
持ち駒として、最も手っ取り早く活用できるのが、「3年以上従事した仕事で得たスキル・信用」です。「1万時間の法則」をご存じでしょうか。どんな才能や技量も、1万時間練習を続ければ〝本物〟になるという仮説です。1日10時間を3年続ければ単純計算で1万時間になります。

上記の通り、著者は、自分の強み(持ち駒)を生かして副業を始めることを進めている。本書の中には、会社にばれない副業の始め方、節税対策、プライベートカンパニーの作り方など、実務的なアドバイスも多数掲載されている。著者のアドバイスに従って副業を始めた人たちは、平均3年(最短1年、長くても5年)程度で軌道にのるという。

最後に、著者からのメッセージで本記事を締めたいと思う。

判断ではありません。決断です。

独立してスモールビジネスを営もうと考えている方には必読の書である。


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