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ごみの学校)プラスチック編まとめ

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2月26日にマシンガンズ滝沢さんをゲストにお招きしてごみの学校のプラスチック編を開催しました!

チケットは何と426枚申込頂き、大変盛り上がりを見せました!

その中で参加者の方からも多くのご質問を頂き、なんとかかんとか質問に回答してみましたので、よければのぞいてみてください!

■質問一覧

①いろんなリサイクル方法がありましたが、それぞれの環境負荷がどの程度のものなのか、教えていただきたいです。

環境負荷=Co2だと想定した場合の負荷算定する際には、リサイクルした場合の負荷とリサイクルしなかった場合の負荷を比較して、効果があるか判断するのですが、一番効果が大きいのは天然ガスの代替として活用するケミカルリサイクルでした。焼却処理も、何かしらの資源の代替として使われているので、一概に環境負荷が高いといえない場合もありますね!
■参考
【日本】「廃プラ・リサイクルはエネルギー回収が最適」日本の工業界見解。だがLCA手法には疑念も | Sustainable Japan | 世界のサステナビリティ・ESG投資・SDGs

②ある程度発火性の高いプラスチックが混在しているほうが、施設の可燃ごみの焼却効率が上がる部分もあるのでしょうか?

おっしゃる通りです。プラスチックは可燃性なので、食品など水分量が高いモノばかりだと、燃料火力が足らず、重油などの補助燃料を入れないといけないケースもありますね。自治体によっては、プラは燃料代わりになるという理由で燃えるゴミ扱いにしているところもあるのです。

③今後、家庭用プラスチック用粉砕機が普及する事はあるのでしょうか?

粉砕機を導入すると家庭でのごみの保管量が圧縮されて楽になるというメリットはありますが、日本は割と頻度が多く定期回収をしているので、粉砕機入れてまで保管したい!というケースは少なそうな気もします。

④ゴミ分別分類の多さと、ゴミ排出量の減は比例しますか?

分別の手間が増えると、めんどうでごみを出さない!ってなってくれたらいいですね!実際に比例するケースもある一方で、ごみの分別の手間が増えると不法投棄などにつながるリスクもあるので、そこも注意が必要かもです。

⑤プラスチック製品をなるべく回避し、紙やびんのものを買える時は買うようにしていますが、初めのアクションとしては適切でしょうか?

適切だと思います!プラスチックが必ず悪というわけでもないのですが、環境負荷の低いものから買っていくというのは良い選択だと思います。一番はモノを買わないことなのですが。なかなか難しいですよね~。

⑥プラスチック再利用時の高品位/低品位はなにを基準に判断しているのでしょうか?

厳密には品位が明確にあるわけではないのですが、不純物が混ざっている割合などによるかな~という感じですね。例えばペットボトルなどは同じ品質のものがきれいに回収できるので高品質なモノが多くなりますね!

⑦輸出可否にかかるプラスチックの汚さ加減はどう判断しているのでしょうか?

港の通関などで日本及び外国で検閲されていきますね。汚いものは、シップバックといって、外国の港で追い返される場合もあります。
■参考)フィリピン、不法ゴミをカナダに返送
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45505410R30C19A5000000/

⑧ごみのプロでいらっしゃる寺井さん、滝沢さんのご家庭のごみ箱周りがどうなっているのか、とても興味があります!効率的な分け方だったり、子どもがわかりやすい分別だったり、お店のリサイクルBOXにもっていくものがわけてあるのかしら?とか気になります。

私(寺井)の家の場合、資源ごみ(アルミ缶・ペットボトル・ビン)と燃えるゴミ・紙ごみなどで分けています。あとはコンポストぐらいですかね~
そこまで効率的な分け方をしているわけでもなく、当たり前のことやっているといった感じでしょうか笑
でも、中古品用として、服や家具をまとめているので、粗大ごみなどはあまり出ないかもしれません!

⑨飲料メーカーがペットボトルの回収を始めましたが、プラ削減に有効と思われますか?回収費用やリサイクル費用がかさんで飲料自体の値上げにつながる気がしています。そのあたりはどのように感じていらっしゃいますか?

個人的にはとても応援している取組です。この狙いはペットボトルからペットボトルをつくるために行っているのですが、すでに多くのペットボトルがリサイクルされているのですが、メーカー努力で価格維持されていますし!
■参考)サントリーペットボトルリサイクル
https://www.uniadex.co.jp/approach/mirai/map/20210728-petbottle/

⑩拡大生産者責任、している企業は税金が安くなるとか、それがなければ進んで行わないと思うのです。洗瓶工場も減ってきているので、国がお金を出してくれれば、リユースびんを普及させられると思うのです。そういう点はいかがお考えでしょうか?

「リユースびんの普及に関しては徐々に減ってきていますね。ただ、ビンのリユースを広域的に行うとなると、ペットボトルや缶に比べて重く、輸送コストがかかったり、逆に運送によるCo2が増えたりしてしまうので、必ずしもリユースびんがベストだとも考えにくいかなと思っています。どちらかといえば、飲料容器に入れて飲み物を販売するのではなく、ドリンクバーなどのように、適量必要なものを販売するモデルのほうがよいかなと思ったりしています。

⑪ごみの分別方法を全国で統一できると、もっと分別がわかりやすくなるのになと思います。統一できないのには、何か理由がなにかあるのでしょうか?

東京都と地方の島の自治体などでは、持っている設備や予算がまるで違うので、同じような分別ルールで対応できないというのが一番の課題ですね。大きな方針は決めるものの、個別のルールは自治体ごとの状況を踏まえないと、ごみ処理の運用が回っていかないということですね~

⑫聞き逃してしまっただけだったらスミマセン、プラスチックは焼却されると何になるんだろう?

プラスチックなどを含む、燃えるごみは燃やすと灰になります。最終的には焼却灰として埋め立てられることが多いですね!

焼却灰

⑬プラスチックはリサイクルごとに劣化するとの事ですが、ペットボトルなど例えば何回ぐらいリサイクルできるものでしょうか?生分解性プラスチックはコンポストできるもの以外は製造時の環境負荷が軽減される面で良いと判断すれば良いでしょうか?マイクロプラスチック化しやすいとも聞いた事があります。ごみ拾いで吸い殻がとても多く、テラサイクルという会社がリサイクルしているとネットで見ましたが窓口など見当たらず、実際には吸い殻のリサイクルは難しいのでしょうか?燃えにくい素材だと思いますので燃えるゴミに出すのも気がひけます。5年ぐらいでフィルターが分解されるようですが埋めれるところがあれば埋めた方が良いと思われますか?

ペットボトルの場合は、ペットtoペットという完全にリサイクル工程で異物や不純物を取り除く技術があるので、理論上はずっとリサイクルし続けられます。その他プラスチックは徐々に劣化していくので、最大でも2回程度ではないでしょうか。
生分解性プラスチックは、化石由来のプラスチックと比べて、製造時の環境負荷は減らせる可能性が高いですが、現状のリサイクル方法だと燃えるゴミになってしまうケースが多いので、処理時の環境負荷に変化は無いかと思います。
たばこのリサイクルも技術的には前例があるようですが、経済的に成り立つ仕組みができていないで普及していないのが現状ですね。下手に地中に埋めると土壌汚染や水質汚染の影響が考えられるので、現状たばこは燃えるゴミで出していただく方が良いかと思います。

⑭1.私の地区(文京区)はプラごみが分別ではありません。焼却してるってことですか?2.コンポストを1人でも多くのひとにしてほしいと思っています。生ごみが減ることについて回収する側の方からみたメリットを教えていただきたいです。

分別回収されていないのであれば恐らく焼却されていると思います。生ごみが減ることは、燃えるごみを処理する際のエネルギーも減りますし、メリットは大きいと思います!ただ、一方で、コンポスト化するにもお金もかかりますし、堆肥の使い道も探さないといけなません。その場合は生ごみを天日干しで乾燥させるだけでも違うので、各家庭に合わせた方法を選ばれることをお勧めします。

⑮マテリアルリサイクル率を上げるにあたり、技術の進歩以外に有効的なこととは何でしょうか。

法律的には、リサイクル材の使用率を上げるような法律を定めることかと思います。現状日本ではリサイクル材を活用できるような工場がそもそも無く、海外拠点で製造しているメーカーが多いので、そこも課題かと。あとは、市民の分別意識の向上もリサイクル率の向上に直結するので重要ですね!

⑯マテリアルリサイクルした原料で作れる製品の可能性や、使用量の拡大など、ご存じの情報があれば、教えてください。

これまでは、物流のパレットなどあまり、高価値のものは作れていませんでしたが、昨今は海洋プラスチックから買い物かごをつくっていたり、少し活用の幅が広がってきたかなと感じています。マテリアルリサイクルはそもそもそこまで高品質なプラをつくりにくいので、今後使用を拡大させていくためには、「そこまで品質の重要度が高くないプラスチック製品」に使用を拡大できるかがカギだと思います。

⑰レジ袋が有料になっているのに、例えばパン屋さんでパンを購入する際、無料で包装されたり、マクドナルドでも無料でレジ袋を付けているようです。この無料と有料の違いって何ですか??あとは、自分もゴミをポイ捨てする側の人の気持ちを知りたくて、ゴミ拾いをしたことがあります。滝沢さんや寺井さんは、なぜ人はポイ捨てすると思いますか??

レジ袋有料化は対象となる袋が決まっているため、そこが無料と有料の違いとなります。例えばパン屋さんでパンをつつむような薄めの袋は持ち手が無いためレジ袋とみなされず対象外となります。マクドナルドの場合もバイオマスプラスチック配合のレジ袋を使っているので、有償化の対象外となっていますね!
■経済産業省)プラスチック製買い物袋有料化促進サイト
https://www.meti.go.jp/policy/recycle/plasticbag/plasticbag_top.html
■マクドナルド)プラスチック製買物袋有料化制度の実施に伴う対応
https://www.mcdonalds.co.jp/company/info/2020/0501a/

そもそも、ポイ捨てをする人はそこまで、ごみを捨てることに関して罪悪感が無いからだと思います。それよりも「楽したい」「お金を節約したい」という欲求が強いからだと思っています。ポイ捨てそのものが「犯罪」として扱われず、「マナー違反」ぐらいの感覚だからこそ、軽い気持ちでポイ捨てするでしょうね。法律上は立派な犯罪であるということへの理解が足りていないのかなと。

⑱海ゴミとして拾われたプラスチックのリサイクル処理はどれほど難しいのでしょうか?また、難しい理由はどのようなものがあるのでしょうか?
資源として回収された古紙や雑紙などは、どれほどリサイクルされているのでしょうか?また、プラスチックコーティングされている古紙はどれほどあって、それらはどのように処理されているのでしょうか?

海ごみの場合は、まず、紫外線や海水の影響で、通常のプラスチックごみよりも劣化したプラスチックが非常に多いです。そのため、リサイクルしようにも通常のプラスチックよりも手間がかかり、経済的に成り立たないケースが多いです。
資源回収された古紙のリサイクル率はほ66%と言われています。段ボールなどに限れば90%を超えており世界的にも優秀な数字となっています。
一方でプラスチックコーティングされた古紙ですが、発生量は不明ですが、多くが焼却処理されています。
■古紙再生促進センター)数字で見る古紙
http://www.prpc.or.jp/recycle/number/

⑲ガシャポンカプセルのリサイクル率

2021年9月よりバンダイがカプセルの回収を始めている段階ですので、現在はほぼリサイクルできていないと考えてもよいかと思います。今後に期待です!
■バンダイプレスリリース)ガシャポンリサイクル
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000537.000033062.html

⑳焼却する場合、CO2以外にフィルターで拾いきれない有害物質も自然界に放出する可能性はありますか?指定物質のためのフィルターだと思うので、指定外であっても有害な物質があるのではと思っています。樹氷にマイクロプラスチックが確認されたことは、そのせいもあるのでしょうか?

すべての有害物質が除去できているか?と言われると確実ではないかと思いますが、特に人体への影響度が大きいダイオキシンなどはほぼ無害化水準まで落としていますので、危険性は低いと思います。また、マイクロプラスチックに関しては、タイヤなどが擦れたプラが大気に舞う可能性もあるのかなと思ったりしていますが、焼却した場合、プラスチックは炭になるので、焼却由来でマイクロプラスチックが発生する可能性は無いと思います。

㉑プラゴミ問題は個人の努力では解決できないレベルに達していると感じます。使い捨てプラスチックに限らずありとあらゆるプラスチックが海に流れ込んでいます。例えば、工事現場からの三角コーンやブルーシート、土嚢などのプラスチック片が大量に。。。そういったものは法的に規制されるべきと思うのですが、業界では自主的に削減・代替品への移行など検討されているのでしょうか。

現時点では業界的に大きな動きは見られませんが、会社単位などで少しづつ議論はされているような印象です。とは言え、工事現場の安全にかかわるプラスチックですので、人命を考えると、無理して削減すべきではないかと思っています。もちろん現場からの不法投棄などは防ぐことを全体ですが。

㉒捨てられる布や紙を使って物を作り、ゴミを減らす取り組みをしているのですが、その過程で出た布や紙の切れ端が処分場でどうなるのか知りたいです。燃えるゴミになるのか、資源になるのか。例えば、そのままの状態で出せばリサイクルできたのに、切り刻んだ為に燃えるゴミになってしまうのではないかと。そういった現場の事情などが知りたいです。

基本的に燃えるゴミで出した場合は、布や紙も分別されずに燃やされると考えて頂いた方が良いですね。実際シュレッダーにかけた紙などは資源ごみとして回収できないので、現場では切り刻んだがゆえにリサイクルできなくなるとい事情もあったりします。

㉓廃棄物の焼却処理について 私は廃棄物事態を少なくするようにと思っていますが、講師の先生は日本の焼却処理を肯定されていた印象を受けました。温暖化防止にも焼却処理はどうなのでしょうか?

私の場合、今の技術的にリサイクルできるものが燃やされてしまうことには反対です。ですが、無理に焼却処理を無くしてしまうと、逆に埋立に回る量が増えたり、衛生的に処理ができない廃棄物も出てきてしまうので、リサイクルと焼却の共存が必要だという考え方です。温暖化防止には焼却は確かに良くないのですが、一方で、燃やすことでごみを無害化したり減容化したりできるので、土壌汚染や、水質汚染、埋立地の延命につながることもあるので、焼却があまりに叩かれすぎる風潮は危険だなと思っています。

㉔ごみ削減の方法として、鎌倉市などゴミ袋を有料化している自治体があり、費用はかかりますが、私は個人がごみ削減する方法や、その費用を使ってまたシステムや設備が整うことができたりでいいと思うのですが、これについてどう思われますか?

ごみの有料化は色々な自治体で取り組まれており、ごみの減量化には効果的だと思います。私も肯定派です。ただ、有料化すると不法投棄が増えたり、市民から自治体へのクレームも発生したりするケースもあるので、自治体と市民がしっかりとコミュニケーションがとれることを全体にスタートすべきかなと思います。

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