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学びのつぶやきプロジェクト #5

どうも、主任やまもです。

幼稚園教諭をしたり、大学で講義をしたり、主任やまもの園内研究室を運営したりしています。

「学びのつぶやきプロジェクト」というのをゆるゆると進めております。新任の保育者や実習生に伝えたい言葉をツイートから探していく企画です。

最終的に冊子になればいいなと思っています。


学びのつぶやき解説

本日のつぶやきはこちら。

本日は、子どもの行動の理解です。
子どもが良くない行動をした時、もしくはしている真っ最中に私たちは何を考える?ということですね。
ポイントは「決めつけないこと」かなあ。まだ頭の中で答えがぼんやりですが、書いていけばゴールにたどり着くでしょう。

私が例えでよく出すのは、朝の会で大きな声で騒ぐ子どもです。

この子のことを決めつけて考えてみます。
「この子は今日の当番の友だちが嫌いだから大声をだして邪魔をしているんだ!そうに違いない!なんて奴だ!指導だ指導!!」

いかがですか。

私が決めてつけている方に一言伝えるなら、
「この子が当番の子を嫌いっていう証拠を見せてください」
でしょうか。

証拠のあるなしというか、観察が足りません。
騒いでいる子どもをもっとよく見ないと、理解をしてあげられないんです。


「朝の会で騒ぐ」とあるが、朝の会のどの場面なのか。
騒ぐのはいつも決まったタイミングなのか。
当番の子によって騒いだり騒がなかったりするのか。
騒がない日は他の日と比べて何が違うのか。
騒いだ後、子どもは何を気にしているか。


私なら、こんなことを観察します。
そして、観察している間はなるべく黙って見ています。
すぐに対応してしまったら行動の理由が見えないからです。

私の経験からして、このようなケースの多くは友だちへの嫌がらせではなく「俺を見てくれ!!」という注目欲求、別名かまってくれ欲求です。
悪目立ちでもいいから目立ちたいアレです。

”友だちへの嫌がらせ”と”目立ちたい欲求”では、理解の仕方が全然違いますし、対応も違います。当たり前ですね。
このように、観察をしないと保育者の主観だけで理解して頭ごなしに注意していては、全然違う方向性に指導することになります。



子どもを理解のコツ3選

主観にならない理解は、コツを掴めば誰でもできます。
私からは3つのコツを紹介します。

ブラックボックスを作る

いきなり変な言葉が出てきましたが、大丈夫です。
行動には3つの段階があります。

行動前 → 行動 → 行動後

つまり、

行動前「○○したいなあ」 
 → 行動「○○したければ✖✖すればいいんだ!」 
   → 行動後「✖✖したら○○できた。嬉しい」

こんな心の声が聞こえてきそうです。
先ほどの例で考えます。

行動前「みんなの前で目立ちたいなあ」 
 → 行動「目立ちたければ大声で騒げばいいんだ!」 
   → 行動後「大声で騒ぐと友だちも先生もこっちを向いた。嬉しい」

となります。

この3つの段階で目に見えるものがあります。
真ん中にある”行動”です。
一方、”行動前”と”行動後”は目に見えません。子どもの欲求なので、心の声に近いですよね。

なので、行動前と行動後はブラックボックスに隠れていると覚えておきます。そうすると目に見える行動だけで子どもを理解しようとせず「ブラックボックス(子どもの心の声)は何だろう」と考えるようになります。自然と観察も増えます。


子どもは知らないことが多い

これも保育者が覚えておくべきことです。
子どもは時に大人びて見えることがありますし、保育施設ではわずか5歳の子どもが最高学年になっています。
ですが、やはり子どもは子どもです。

20歳の新卒の先生ですら知らないことばかりなのですから、子どもも知らないことがたくさんあります。
なので「あれ、この子まだ知らないのかな?」というスタンスは持っていてほしいです。

例えば食事。
昨日ちょうど我が家で起きたのですが、息子のご飯茶碗がテーブルの右端に置かれていました。おかしいです。息子は右利きなので、右手で茶碗を持つことはありません。そこに茶碗があると、いずれフォークを持った右手がぶつかり茶碗を落とすでしょう。
ですが、ここで「なんでそんなところに茶碗があるの!?」と言われても子どもは「知らん」となります。この「知らん」には「テーブルの右側に茶碗があるのが、そんなに不思議なこと?」という意味があるでしょう。

つまり「茶碗は左側に置くもの。左側に置くと食べる時に便利だし落とす心配がない。」ということを知らないんです。
大人の「なんでそんなところに茶碗があるの!?」という質問(注意)には「茶碗は左側に置くもの。左側に置くと食べる時に便利だし落とす心配がない。」という前提が含まれていますが、子どもはその前提を知らないかも、ということです。

難しい表現になりました。ついてきてください。

子どもに分かりやすくするには、まず「ご飯茶碗はテーブルの左側に置くって知ってる?」から始めないといけないということです。
そして、そこを知らない場合は、まず伝えなて教えないといけないんですね。


感情的にならない

最後はシンプルです。感情的にならない。
感情的になってしまうと、主観がめちゃめちゃ強くなります。
「この子はこうだ!こうに決まっている!」となります。

これ本当です。
冷静さを欠いて自分の都合の良い解釈、というか子どもにとって都合の悪い解釈を選んでしまうのです。子どもに「あなたが悪い!」と落とし込もうとするんです。

要注意です。感情的にならない。



まとめ

子どもの行動の理解についてのお話でした。
ブラックボックス、忘れないでくださいね。

保育者は、経験積んでいくと、決めつけが強くなる傾向にあります。
ブラックボックスの外側に今まで経験したことがペタペタ貼られていき、ブラックじゃなく柄がついちゃうんです。そう考えると、経験も厄介です。

まっさらに子どもに向き合いたいものです。
ではでは。


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