見出し画像

人権擁護チェックリストを使う

今日は人権擁護の話です。

いきなりですが「人権」に「擁護」に、言葉が難しくて嫌になりませんか?

日本語、特に漢字の熟語って堅くて難しい印象を持ちます。かといって英語もなあ…なんて思っています。コンプライアンス?エビデンス?オルタナティブ?ユーフラテス?

もっと親しみやすい名前はなかったのかと思います。人権擁護。


人権擁護チェックリスト

その人権擁護にはチェックリストがあり、全国保育士会が無料で公開しています。見たことありますか?こちらから見ることができます。


…見てみました?

見なかった人向けに文章で説明しますと、全部で29問の質問に答えることで普段の子どもとの関わりの中で良くない関わりをしていないかをチェックできる質問紙です。要は自分の保育(特に対子ども場面)を振り返るためのものです。

振り返ること、大切です。私は自園で今一番のポイントは”振り返り”だと思っています。子どものが中心の生活には振り返りが欠かせないからです。

ざっくりでもいいから計画を立てないと保育はできないですよね。年間行事予定を考えるのも立派な計画です。なので、計画はやってきたんです。また、計画に対する振り返りもやってきたんです。行事が終われば反省をするし、月間の保育予定を立てたら月末に反省します。

ですが、それって大人が立てた計画を反省しているだけなんです。

子どものことや、保育の瞬間瞬間の振り返りはしていない。なので、Trelloで子ども一人ひとりを中心に振り返るようにしました。提供する保育を中心に振り返るのではなく、子どもを中心に振り返る。


言葉の重みのブレをなくす

そして「人権擁護チェックリスト」です。

これは保育の瞬間瞬間を振り返ります。「瞬間瞬間」って何?という話ですが、「瞬間瞬間」とは、計画にも載らない細かい自然に通り過ぎているものです。

子どもへのふとした対応、言葉、態度。これは厄介です。

だって、無意識の領域だから。

それぞれの保育者の育ってきた環境や経緯はバラバラで、その中で保育者は言葉や態度を身につけて大人になりました。なので、丁寧な環境で育てば丁寧になりやすいし、砕けた環境で育てば砕けた感じの人になりやすい。良いとか悪いとかではなく、生育歴ってそういうものですよね。

生育歴が違うので、同じ言葉でも意味合いや重さが違います。関西圏で「アホ」が温かみのある言葉である一方で、他県で使うと人を傷つけるような感じです。

そのブレをなくすのが人権擁護チェックリストです。


例えばリストの中にはこんな質問があります。

製作活動で子どもが描いた作品をみて、「そこ違うよ。もう一枚描いてみる?」とだけ言って、描きなおすように働きかけた。

していない・している(したことがある)


どうでしょう。「あー、あるなあ…反省。」「あるある!」「それは先生としてダメなやり方です」「え、これダメなこと?普通にしてるし、周りの先生もやってる」など、いろんな意見があります。

この時の肯定派と否定派の幅って、けっこう大きい時があります。それが保育者の生育歴(育ってきた環境)の差です。

んで、それをそのままにしておくと無意識に子どもを傷つけることが起きてしまうんです。


この人権擁護チェックリストは自分を振り返るシステムになっていますが、私はそれでは足りないと思っています。自分で振り返ったあとに職員同士でも振り返るべきです。

「この質問ってダメなの?うちの園けっこうやってるよね」                「この質問あるけど、こういう場面でもダメなの?」                    「良くない関わりの代わりの方法ってどうしたらいいの?」

こんな話をし「うちの園としてはこういう言い方で子どもに伝えよう」と対応を決めるべきです。


やまもの使い方

実際うちの園では年に2,3回、すべての職員に回答をしてもらい集計して職員に公表しています。

さらに、文章欄も追加して「こういう場面を見たけど、これはいいの?」「これはセーフ?アウト?」といったリストの項目以外の保育者の言葉や態度を振り返られるようにしています。リストにあることは一般的な項目ですが、働く現場での実践を振り返ることが最重要です。

ついでに、紙での回答は集計が大変なので、回答はスマホでしてもらっています。Googleフォームというアンケートフォームを使います。


チェックリストを回答・集計してみる

今回紹介した人権擁護チェックリストを回答してみたい人は下に用意しておきました。試用版なので、適当に回答いただき「こんな感じか。便利だな。園で使えるかな?」とあれやこれや考えてみてください。

【お試し版】人権擁護チェックリスト(@Googleフォーム)

回答の集計はこんな感じで見られます。

こちらが回答の集計(@Googleスレッドシート)です。

【お試し版】に回答すると、集計の方で見られます。やってみてください。


作り方などは、コメントかやまものTwitterに連絡をください。

主任やまもTwitterはこちらから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?